イランのサスペンス映画「ウォーデン 消えた死刑囚」

上映期間が1週間しかないので、急いで観に行く。 1966年の刑務所が舞台。なので全体的にクラシックな雰囲気。古めかしい刑務所内部や、死刑囚の味方になる社会福祉士の服装や赤い車もかなり自分好み。 最初はいかつい制服姿で威厳のある所長が、次第に髪を振…

冒頭のツカミはOK!「ジャスト6.5 闘いの証」を観る

2019年の東京国際映画祭で審査員特別賞を受賞したイラン映画。日本でイラン映画ブームが起きたのは私がまだ20代の頃。「規制だらけの中での映画製作も大変だなあ」程度の理解度だったが、そこから時は流れて、娯楽性のある映画が作られるようになったのは感…

第16回大阪アジアン映画祭上映作品発表

緊急事態宣言が継続される中、今年も何とか開催することが出来た。チケットの入手方法がいつもと違っているので、注意しながらチェックしよう。 www.oaff.jp オープニング作品は文念中(マン・リムチョン)が許鞍華(アン・ホイ)を撮ったドキュメンタリー映…

ドキュメンタリーに見えないドキュメンタリー映画「ミッドナイト・ファミリー」

メキシコと言えばアメリカ映画やドラマでたまに登場する貧しい国というイメージしか無い。なので敢えて視聴。おもしろそうだし。 構成がうますぎて、まるで普通の映画のようだった。まず闇救急車で生計を立てている家族のキャラが抜群。リーダー格のイケメン…

台湾ドラマ「斯卡羅」の原作「傀儡花(フォルモサに咲く花)」を読む

今年注目されている台湾ドラマ。公共電視での放送開始日は未定。 1867年に起きたアメリカ船ローバー号の海難事故が発端となり、台湾人が初めて国際条約を結んだいきさつを小説にしている。しかもアメリカ側と条約を結んだ相手は、当時未開の地に住んで野蛮だ…

「沈黙的真相(The Long Night)」を愛奇藝海外版で見る

引き続き愛奇藝海外版で無料で見られた。全12話。話としては「無証之罪(バーニング・アイス-無証之罪-)」の続編にあたる。 中国大陸にありがちだが、続編なのに俳優も設定も変わっている。制作会社も監督も違うからだが、原作者ももう少し気にすればいい…

話題のネットドラマ「隠秘的角落(バッド・キッズ 隠秘之罪)」を日本で見る

2020年6月に愛奇藝で配信され高評価を得た全12話のドラマ。日本でも無料で見ることは出来るが、日本語字幕は無い。しかし1月21日よりWOWOWで放送することが決定。 舞台は2005年の風光明媚な田舎の町。夏休みの間に殺人事件を目撃してしまった3人の子供たちと…

デブってもキレッキレ!「肥龍過江(燃えよデブゴン/TOKYO MISSION)」

日本のお正月映画にドニーさん登場。ハードなアクションにユルいギャグ。家族みんなで観るのに丁度いい。 あらすじは置いといて。序盤からカーアクションで飛ばして最後は東京タワーでの決闘で締める。一時流行った韓国流のリアルなアクションではなく、見栄…

台湾BL作品の金字塔「孽子」

これも大阪市立図書館で借りた。1970年代の台湾におけるゲイたちの恋愛、苦悩が分かる。 1983年に出版され、まず1986年に映画化、2003年に公視で20集のドラマ化、2014年に初の舞台化となり、2020年には再び舞台化された。 ドラマと2014年版の舞台は私も見た…

呉明益著「天橋上的魔術師(歩道橋の魔術師)」と「單車失竊記(自転車泥棒)」

お正月はどこにも行けないので、図書館で本を借りて家に籠ることにした。大阪維新の会が税金の無駄遣いの一つに挙げた市立中央図書館には、アジア系の作家の翻訳本が結構揃えられている。難を言えば、外国人の本をざっくりまとめて、あいうえお順に並べてい…

2度見するとよく分かる「刻在你心底的名字(君の心に刻んだ名前)」

2020年大阪アジアン映画祭で世界初上映された時は、予定が合わなかったのと宣伝用写真が耽美BLぽかったので見送った。その後台北映画祭と金馬でも上映、12月4日からは台湾で一般公開となった。そして12月23日からはNetflixで視聴できるようになったので、さ…

東京国際映画祭で「第一爐香(第一炉香)」を観る

みんな大好き張愛玲(アイリーン・チャン)原作の文芸映画。 1930年代後半の香港が舞台だが、撮影されたのは厦門鼓浪嶼(アモイのコロンス島)。2017年には世界文化遺産にも登録された。 許鞍華(アン・ホイ)監督は、「傾城之戀(傾城の恋)」「半生縁」に…

あの時何が起きたのか?「我們的青春,在台灣(私たちの青春、台湾)2019」

今日は東京映画祭は一休み。久しぶりのポレポレ東中野でこの映画を観た。 当時私も台北にいて、毎日ニュースにかじりついていた。そしていつか誰かが映画やドラマにするだろうから、そうしたら必ず観ようと思っていた。 これは立法院を占拠したひまわり運動…

荒俣宏が教えてくれる映画「リリーのすべて」の謎

今日は映画を一休みして、宿から歩いて日比谷公園に行った。目的は「荒俣宏の大マンガラクタ館」だ。 京都国際マンガミュージアムでは9月27日で終了していたので、東京で観られるのはありがたい。 その会場ではゲアナ・ヴィ―イナのイラストが多数展示されて…

東京フィルメックスで「無聲」を観る

2020年台北電影節のオープニング作品であり、金馬では8部門でノミネートされた。 小中高一貫の特殊学校で起きた集団性犯罪事件。子供たちの悲痛な叫びは長い間、外には届かなかった。 メインの3人。教師を劉冠廷(リウ・グアンティン)、被害者の貝貝(ベイ…

東京国際映画祭で「孤味(弱くて強い女たち)」を観る

釜山国際映画祭ではワールドプレミアとして上映、金馬では最優秀主演女優賞など6部門でノミネート。台湾では11月6日から一般公開された。 長女は謝盈萱(シェ・インシュエン)、次女は徐若瑄(ビビアン・スー)、謎の三女は張鈞甯(チャン・チュンニン)、四女は…

東京国際映画祭で「カムアンドゴー」を観る

かなり早めにEXシアター六本木に着いてしまったが、入り口でリムカーワイ監督が立ち話をしているのに出くわした。監督が関西弁で話しているw 158分と長丁場だが、観るとあっという間だった。群像劇なので登場人物が入れ替わり立ち代わりで退屈しない。大阪…

東京国際映画祭で「兎子暴力(兎たちの暴走)」を観る

最初は観る予定にはなかったが、朝通りすがりの入口のポスターを見て、その場で観ることに決めた。 私の写真の撮り方が悪かったわけではなく、もともとこういうデザイン。 2011年に南京で実際に起きた誘拐殺人事件が元ネタ。それを四川省攀枝花に場所を替え…

東京国際映画祭で「惡之畫(悪の絵)」を観る

無差別殺人犯よりも、彼に絵を教える画家の気持ちの揺らぎに重点が置かれていた。 今回はずっと坊主頭の黄河。 「罪と才能は天秤にかけることは出来るのか?」がこの作品のテーマだと思った。しかし天才的な才能があるからと言って犯した罪が軽くなるわけで…

東京フィルメックスで「七人樂隊」を観る

香港を代表する監督7人が撮ったオムニバス映画。短いながらもそれぞれの個性が楽しめる映画だった。 1:洪金寶(サモ・ハン・キンポー)《天台練功》1950年代 ビルの屋上で子供たちがカンフーの練習をしているお話。師匠役は洪金寶の実の息子。 2:許鞍華…

のむコレ2020「レディ・マクベス」を観る

2017年の京都ヒストリカ国際映画祭では、「マクベス夫人」のタイトルで上映。 2016年公開で、フローレンス・ピューが広く注目されるきっかけになった作品である。 彼女が演じる主人公キャサリンを「悪女」と呼んでしまうにはあまりにも悲しい。17歳で子供を…

2020台湾映画上映&トークイベントで「最乖巧的殺人犯(よい子の殺人犯)」を見る

去年の金馬でも上映されたが、スケジュールが合わず泣く泣くあきらめた作品。今回は台湾文化センターとアジアンパラダイス共催のイベントでオンライン上映した。先着100名しか見ることが出来ないので、必死こいて申し込んだ。 何といっても見どころは黄河の…

今年は金馬(ゴールデンホース)も脳内妄想開催

今年は11月5日から22日まで開催される台北金馬影展。注目作品が多い中、気になるものを挙げてみた。 手捲煙(手巻き煙草)香港 ヤクザのブツを盗んだ男と、彼から百万ドルの報酬をもらう約束で庇う元軍人とのお話。そこにタイと台湾のヤクザも絡んでくる。色…

全世界の老人に捧げる希望「ぶあいそうな手紙」

2030年には日本の平均年齢が50歳になるらしい。既にどこの映画館に行っても若者の姿は無く、平均年齢が高い高い。こうなったら老人向けの映画が増えるのは必然だ。 まず78歳の主人公エルネストが住む家がとても素敵。おそらく結婚してからずっと暮らしている…

大阪では11月14日から開催「台湾巨匠傑作選2020」

もともと4月に予定されていたのが、コロナの影響で9月に延期になった。大阪ではシネ・ヌーヴォさんで上映。名古屋は名古屋シネマスコーレで。京都では京都みなみ会館さんが12月25日から上映予定。その他に横浜、神戸でも上映予定。作品紹介はここでチェック…

今年は同時開催!東京国際映画祭&東京フィルメックス

上映作品を見ると、釜山国際映画祭や台北映画祭、金馬影展とかぶっている作品が多かった。今は海外に行けないので日本で見られるのはありがたい。 スケジュールはまだ発表されていないが、是非これは観たいという作品をリストアップしてみた。 七人楽隊(七…

ストレート同志が恋をしたらどうなるか?「マティアス&マキシム」

グザヴィエ・ドランが監督、脚本、編集、衣装、プロデューサーを担当した意欲作。 ちなみに左がマティアスで、右がマキシム(マックス)。 確かにこれはゲイ映画ではない。ストレートが同性愛に目覚める話でもない。絵にかいたようなイケメン同士が禁断の愛…

「レディバード(2017)」をNetflixで観る

男子のこじらせ青春映画は多々あって、そこに登場する女子は大抵クールで主人公より大人だったりする。でも女子だってやっぱりこじらせているのだ。 グレタ・ガーウィグが脚本、監督を担当。自身の経験を元にしているが、それを全世界共通のあるある要素にま…

逆転の発想!昼間なのに怖い「ミッドサマー ディレクターズカット版」

ホラーと戦争映画はすすんで観ることはないが、どうにも気になるのでアップリンク京都まで行って観てきた。 結局幽霊も呪いも最後まで出てこないので、ホラーというよりは「人は如何にしてカルト教団の信者になるのか」というドキュメンタリーを観たような気…

地味だけど観てしまうドラマ「マインドハンター」

Netflixでシーズン2まで配信中。デヴィット・フィンチャーが製作総指揮と一部監督を務めている。 1970年代にFBI行動科学班がプロファイリング捜査を如何に確立していったかを描いている。デヴィット・フィンチャーは以前にも映画「ゾディアック」を撮ってい…