2022-11-01から1ヶ月間の記事一覧

注目の若手監督の原点「少年たちの時代革命前夜」

「香港映画祭2022」から。長編映画「窄路微塵」で高い評価を得た林森(ラム・サム)監督の、初期の映画が観たかったので鑑賞。 任侠(レックス・レン)監督の短編と合わせて上映された。彼ら2人が共同監督した映画「少年(少年たちの時代革命)」は、日本で…

「香港映画祭2022」で公開「濁水漂流(香港の流れ者たち)」

2021年2月のロッテルダム国際映画祭でワールドプレミアで上映され、2021年6月に香港で一般公開。2021年の金馬獎、香港電影金像獎などで、多くの賞にノミネートされた。 ずっと観てみたかった映画を大阪で観られることがまずうれしい。リム・カーワイ監督に感…

宮崎駿アニメリスペクトな映画「Max, Min and Meowzaki(マックスとミンとミャーザキ)」

釜山でも上映されたインドの猫映画。会場はほぼ満員。 猫アレルギーなのに同棲する彼女ミンが拾ってきた猫のために、毎日鼻に薬をスプレーしているマックス。それは愛する彼女のため。しかし2年で別れることになりミンは出ていくことに。しかし彼女の仕事の…

君は元ネタをいくつ見つけられるか「FAST&FEEL LOVE」

ナワポン監督のコメディ映画。パロディがいたるところにちりばめられている。会場はほぼ満席。笑いのシーンは大ウケ。 スポーツスタッキングに人生を賭ける男カオが世界新記録をめざすお話。そのカオをずっと陰で支えていた恋人ジェイは30歳になり子供が欲し…

思想犯にだけはなりたくない「流麻溝十五號」

1950年代に思想犯として緑島に隔離された人々の物語。男性だけでなく女性も多く送られ、再教育の名のもとに監獄のような生活を強いられた。 群像劇で様々な女性が登場するが、メインの女優の中で見たがことあるような顔が。 古川琴音かと思ったら、台湾の女…

駆け込みセーフで観た「初戀慢半拍(ママボーイ)」

今年の台北電影節のオープニング作品。台湾での一般上映は8月で、私が観たのは二輪(ロードショー上映が終わった後に、主に2本立てで安く観られる映画館)の湳山戲院。前は台北市に4つあった二輪映画館も、今では2つになってしまった。 母親と2人暮らしの…

真実とは何なのか?「罪後真相(罪の後)」

今年の金馬では主演男優賞と助演女優賞にノミネート。10月28日から台湾での一般公開もされた。私が観たのは一般公開のほうで、もうかなり上映本数は減っていた。 妻をガンで亡くし今は娘と2人暮らしの記者劉立民は、インタビューの仕事で行った先の刑務所で…

李康生の設定に疑問が残る「童話・世界」

一時期映画の出演が少なかった張孝全(ジャン・シャオチュエン)だったが、今年は「罪後真相」と合わせて2作主演作が上映された。「童話・世界」は今年の台北電影節のクロージング作品にも選ばれた。 張孝全はこの映画で、セクハラ事件の被害者を擁護する熱…

少女に何が起こったか?「小藍」

おぼこい女の子がセックスを通して、性と愛と自分を探すお話。台北電影節や、釜山でも入選。台湾では11月4日から一般公開。 不動産会社の営業をしている母親と2人暮らしの小藍。この母親が現役バリバリで、仕事中の内見先などで不倫をしても平気な度胸も持っ…

へこたれない人々に送る応援歌「窄路微塵(星くずの片隅で)」

映画「犯罪現場(2019)」で、古天樂(ルイス・クー)に負けない存在感を出した張繼聰(ルイス・チョン)の主演作。シングルマザー役の袁澧林(アンジェラ・ユン)が悲惨な状況でも前向きに生きるイマドキの女の子を好演。 小さな清掃会社を営んでいる窄哥は…

張鈞甯(チャン・チュンニン)と阮經天(イーサン・ルアン)が本気出した映画「查無此心(この心亡き者)」

張鈞甯はプロデューサー兼主演。か弱い見た目とは裏腹に確実に女優としてのキャリアを伸ばしているが、おそらく自分が演じたい役が全然まわってこないので、プロデューサーになったのだと思う。中華圏ではよくあることだ。 ここで張鈞甯が演じるのは恋人に死…

今年は現地で「金馬影展」に参戦!!

11月15日から20日まで台北に滞在。滞在中に見た観た映画は金馬が7作品、一般上映が4作品、二輪が1作品で合計12作品。2年分の空白を埋めるが如く観倒した。 台湾のLCC、台湾虎航(タイガーエア)を利用したが、行きの昼の便が欠航になり、迷った末に羽田発の…

AIロボットは恋をすることが出来るか「アフター・ヤン」

A24といえば攻めた作品揃いの映画制作配給会社だが、どうも好き嫌いが分かれるようだ。私も全部が好きとは言わないが、前宣伝から心に引っかかる作品がとても多いので、観ている作品は多いほうだと思う。 監督は韓国系アメリカ人のコゴナダ。近未来の家族の…