2022-01-01から1年間の記事一覧

とっても懐かしいぞ「行動代號:孫中山(コードネームは孫中山)2014」

「大阪アジアン映画祭傑作選」から。2014年公開時は台湾にいたので、台湾で鑑賞済。日本語字幕では初めて。 易智言(イー・ツーイェン)監督は「藍色大門(藍色夏恋)2002」で有名だが、とにかく寡作。この作品は彼の第3作目の長編映画になる。 家が貧しい高…

大阪アジアン映画祭プレイベントをナナゲイで開催

プレイベントって何?なぜ十三?とかいう疑問は取りあえず置いといて、第七藝術劇場にレッツゴー! 3作品を5日間のみで上映。「戀人絮語(恋人のディスクール)2010」や「行動代號:孫中山(コードネームは孫中山)2014」が今まで日本で公開も配信もされてな…

「她和她的她(ふたりの私)」をNetflixで観る

約45分×9話。ミステリー仕立てになっていて最後に理由が明かされる。DVにしろ性犯罪にしろ、当事者になってみないと分からないことは多くある。このドラマではそういった被害者の心の傷を丁寧に描いていて、更に加害者の心理状態も見せてくれる。 性犯罪は犯…

これぞ女子の生きる道「台北女子圖鑑」看破

なかなか見ごたえのある11話だった。20年間という時間の流れはあるが、特に時代を感じさせるようなモノは登場せず、それよりも20代、30代で女性が感じることを前面に押し出したドラマになっている。 桂綸鎂は普段でも年齢不詳だが、それぞれの年齢を見た目だ…

注目の若手監督の原点「少年たちの時代革命前夜」

「香港映画祭2022」から。長編映画「窄路微塵」で高い評価を得た林森(ラム・サム)監督の、初期の映画が観たかったので鑑賞。 任侠(レックス・レン)監督の短編と合わせて上映された。彼ら2人が共同監督した映画「少年(少年たちの時代革命)」は、日本で…

「香港映画祭2022」で公開「濁水漂流(香港の流れ者たち)」

2021年2月のロッテルダム国際映画祭でワールドプレミアで上映され、2021年6月に香港で一般公開。2021年の金馬獎、香港電影金像獎などで、多くの賞にノミネートされた。 ずっと観てみたかった映画を大阪で観られることがまずうれしい。リム・カーワイ監督に感…

宮崎駿アニメリスペクトな映画「Max, Min and Meowzaki(マックスとミンとミャーザキ)」

釜山でも上映されたインドの猫映画。会場はほぼ満員。 猫アレルギーなのに同棲する彼女ミンが拾ってきた猫のために、毎日鼻に薬をスプレーしているマックス。それは愛する彼女のため。しかし2年で別れることになりミンは出ていくことに。しかし彼女の仕事の…

君は元ネタをいくつ見つけられるか「FAST&FEEL LOVE」

ナワポン監督のコメディ映画。パロディがいたるところにちりばめられている。会場はほぼ満席。笑いのシーンは大ウケ。 スポーツスタッキングに人生を賭ける男カオが世界新記録をめざすお話。そのカオをずっと陰で支えていた恋人ジェイは30歳になり子供が欲し…

思想犯にだけはなりたくない「流麻溝十五號」

1950年代に思想犯として緑島に隔離された人々の物語。男性だけでなく女性も多く送られ、再教育の名のもとに監獄のような生活を強いられた。 群像劇で様々な女性が登場するが、メインの女優の中で見たがことあるような顔が。 古川琴音かと思ったら、台湾の女…

駆け込みセーフで観た「初戀慢半拍(ママボーイ)」

今年の台北電影節のオープニング作品。台湾での一般上映は8月で、私が観たのは二輪(ロードショー上映が終わった後に、主に2本立てで安く観られる映画館)の湳山戲院。前は台北市に4つあった二輪映画館も、今では2つになってしまった。 母親と2人暮らしの…

真実とは何なのか?「罪後真相(罪の後)」

今年の金馬では主演男優賞と助演女優賞にノミネート。10月28日から台湾での一般公開もされた。私が観たのは一般公開のほうで、もうかなり上映本数は減っていた。 妻をガンで亡くし今は娘と2人暮らしの記者劉立民は、インタビューの仕事で行った先の刑務所で…

李康生の設定に疑問が残る「童話・世界」

一時期映画の出演が少なかった張孝全(ジャン・シャオチュエン)だったが、今年は「罪後真相」と合わせて2作主演作が上映された。「童話・世界」は今年の台北電影節のクロージング作品にも選ばれた。 張孝全はこの映画で、セクハラ事件の被害者を擁護する熱…

少女に何が起こったか?「小藍」

おぼこい女の子がセックスを通して、性と愛と自分を探すお話。台北電影節や、釜山でも入選。台湾では11月4日から一般公開。 不動産会社の営業をしている母親と2人暮らしの小藍。この母親が現役バリバリで、仕事中の内見先などで不倫をしても平気な度胸も持っ…

へこたれない人々に送る応援歌「窄路微塵(星くずの片隅で)」

映画「犯罪現場(2019)」で、古天樂(ルイス・クー)に負けない存在感を出した張繼聰(ルイス・チョン)の主演作。シングルマザー役の袁澧林(アンジェラ・ユン)が悲惨な状況でも前向きに生きるイマドキの女の子を好演。 小さな清掃会社を営んでいる窄哥は…

張鈞甯(チャン・チュンニン)と阮經天(イーサン・ルアン)が本気出した映画「查無此心(この心亡き者)」

張鈞甯はプロデューサー兼主演。か弱い見た目とは裏腹に確実に女優としてのキャリアを伸ばしているが、おそらく自分が演じたい役が全然まわってこないので、プロデューサーになったのだと思う。中華圏ではよくあることだ。 ここで張鈞甯が演じるのは恋人に死…

今年は現地で「金馬影展」に参戦!!

11月15日から20日まで台北に滞在。滞在中に見た観た映画は金馬が7作品、一般上映が4作品、二輪が1作品で合計12作品。2年分の空白を埋めるが如く観倒した。 台湾のLCC、台湾虎航(タイガーエア)を利用したが、行きの昼の便が欠航になり、迷った末に羽田発の…

AIロボットは恋をすることが出来るか「アフター・ヤン」

A24といえば攻めた作品揃いの映画制作配給会社だが、どうも好き嫌いが分かれるようだ。私も全部が好きとは言わないが、前宣伝から心に引っかかる作品がとても多いので、観ている作品は多いほうだと思う。 監督は韓国系アメリカ人のコゴナダ。近未来の家族の…

弥生美術館で「線と言葉・楠本まきの仕事展」を観る

2021年6月から京都国際マンガミュージアムで開催されていたのをうっかり見逃していたので、東京で鑑賞。 私も20代の頃はすっかりハマっていた。しかし何度も引っ越しするので、今では愛蔵書も実家の段ボールの中に眠ったままである。 楠本まきは筆が遅いこと…

理由のない無差別殺人「該死的阿修羅(ガッデム阿修羅)」

去年の金馬獎にノミネートされ、今年の3月に台湾で一般公開された話題作。台湾文化センターの2022台湾映画上映&トークイベント「台湾映画の"いま"〜革新と継承〜」でオンライン配信された。 映画は3部構成になっている。 第一話:「憤怒的零(怒れるゼロ)…

今年こそ行けるのか!?「台北金馬影展2022」

隔離も無くなり、だいぶ規制が緩和されてきた台湾。タイガーエアも飛んでいるし、これはもしかしたらイケるんじゃないかと期待大。作品ラインナップ&スケジュールも発表されて心はうきうき。そんな中から気になる作品を選んでみた。 台北金馬影展 Taipei Go…

ディズニープラスで観られる「正義的算法(正義の法則)」

ディズニープラスが初めて配信した台湾ドラマ。bilibiliもお金を出していて中国大陸でも見られる。約40分×26話で、2話で1エピソードが完結する。 主演は陳柏霖(チェン・ボーリン)と、郭雪芙(パフ・グオ)というコメディもシリアスもイケる手堅いキャステ…

香港亞洲電影節2022(Hong Kong Asian Film Festival)ラインナップ発表

期間は10月25日から11月13日まで。香港映画はもとより、台湾、タイ、フィリピンなどの作品も多数。チケットの発売はオープニング&クロージング作品は10月1日午前11時(香港時間)から。その他の作品は10月2日午前11時から。 HKAFF - Hong Kong Asian Film F…

遂に登場「台北女子圖鑑(台北女子図鑑)」

コロナの影響で製作スケジュールが延び延びになってしまったが、遂に9月からディズニープラスで配信が開始された。Netflixに対抗しているのか、ディズニープラスもアジア向けの作品に力を入れ始めている。 しかも主演は桂綸鎂(グイ・ルンメイ)。ドラマの主…

第27回釜山国際映画祭で香港映画「過時・過節」が上映されるよ

韓国語も英語も映画の内容を追えるほど得意ではないので、釜山国際映画祭は作品のチェックはするが行こうと思ったことはない。 부산국제영화제 | 5-14 October, 2022 しかし今年は違う。どうしても見たい映画を見つけてしまった。通常だったらさくっと日帰り…

全ての人に見て欲しいドキュメンタリー映画「時代革命」

2019年に香港で何が起こったのか?情報収集に日本の報道はまったく役に立たず、日々フェイスブックにUPされる現地の動画やニュースを追いかけながら胸が痛んだ。 監督は映画「幻愛」の周冠威(キウィ・チョウ)。158分あるが長さは感じない。この映画は100%…

プラネットプラスワンで「第三の男(1949)」を観る

マニアックな中崎町にあるマニアックな映画館で上映されていたので観てみた。 「町山智浩氏が語る20世紀名作映画講座」をYouTubeで見てからずっと見たいと思っていた映画。なので観る前から概要は把握していた。多分この解説がないと半分も理解できなかった…

最初から最後までエモい映画「プアン/友だちと呼ばせて」

監督が「バッド・ジーニアス 危険な天才たち(2017)」のナタウット・プーンピリヤで、プロデューサーが王家衛(ウォン・カーウァイ)となれば観に行くしかあるまい。 なるべくネタバレなしで感想を少し。 音楽と共にタイの地方を廻るロードムービーである。…

The road to Hong Kong Coliseum(紅館への道)~その5~

今日正式にSUMMER SONICの公式HPで、MIRRORの出演キャンセルが発表された。 MIRROR出演キャンセルのお知らせ | NEWS | SUMMER SONIC 2022 公式サイト アーティストからのコメントとして、 「大変残念ながらMIRRORは今年のSUMMER SONICに参加できなくなりまし…

The road to Hong Kong Coliseum(紅館への道)~その4~

朝の日課として、いつものように仕事前にインスタとFacebookをチェックしていて今回の事故のことを知った。 最初はすぐには信じられなかった。 その後ずっと香港のニュースを検索して事実を確認した。 事故が起きたのは12日間ある中の第4日目。コンサート中…

血糊の量がハンパない「哭悲/THE SADNESS」

台湾では2021年1月から一般公開された。 ホラーは好きじゃないけど、こういった手作り感のある映画は好き。 とはいいながら、途中から「勘弁してくれ~」と言いたくなるぐらいエロくてグロい。流石R18。 設定自体はよくある話で、人間を凶暴化する謎のウィル…