YouTubeで見よう「就算一個人也可以好好的吃(一人でもちゃんと食事できる)」

公共電視(公共テレビ)が制作した約20分×6話のミニドラマ。2024年4月30日からYouTubeで配信していたが全く気付かず、慌ててまとめて視聴した。丁寧に日本語と英語の字幕付き。

主演は胡宇威(ジョージ・フー)と李玲葦(リー・リンウェイ)。胡宇威は芸歴は長いがちゃんと見たのはこれが初めてかもしれない。李玲葦は映画「生而為人 I(アイ) ~人に生まれて~」で注目されて以降、堅実に才能を磨いている。

物語は2022年のEmilyと2025年のThomasが同じ部屋に引っ越したところから始まる。そこから同時進行していくが、部屋の忘れ物だったり、仕事のことだったりで2人に接点が生まれる。

最近はネットドラマでも大作には予算をつぎ込んで大々的に宣伝もしたりするが、この「公視+」はこじんまりとしている。

予算の無さを脚本の良さと俳優たちの演技力でカバーし、グルメという鉄板のテーマと日々の出来事を繋げてうまく仕上げているお手本のようなドラマだ。

とにかく料理のシーンの撮り方が丁寧。特に音。咀嚼音動画(ASMR)が人気だが、この音だけでおいしそう。

毎回季節に合わせた台湾料理が登場する。中秋節カニだったり、冬至の湯圓だったり。その中で日本人から見ると不思議なシーンもある。果物の皮を剥くとき外に向かって向いている(第5話)。ピューラーも同じく反対(第1話)。でも海外のドラマとかで外向きに使っている場合もあるので、日本の方が逆なの?とか思う時がある。

それとIHヒーターがあるのに何故かガスコンロで料理をしている。実は蛇口から水も出ていないし、このキッチンだけセットだから使えないとかw

そしてこの部屋、結構家賃が高そうだ。Emilyの給料ではまず住めないと思う。社長のThomasなら問題ないけど。実は住所が新北市で、屋上に違法に増築した部屋で、大家が親戚だったら住めるかもしれない。

料理も毎回楽しみだが、社会にイマイチ馴染めないEmilyや、ずっと失恋を引きずるThomasに共感することしきり。

私も誕生日は静かに過ごしたい派だし、Emilyの周りに合わせる気のない服のセンスも好きw

そのまま我が道を通してほしいものだ。

「闔家辣」やっと看破出来たよ

気が付いたらDAIRYMOTIONで配信していた。難しい「闔」という字はhapと発音。全てとかみんなとかの意味。

もともとは2022年の旧正月に上映される予定だったが、コロナで7月に延期になった。旧正月映画らしい軽いコメディの中に家族愛や人生の悲喜こもごもも盛り込んで、喜怒哀楽すべて味わえるようになっている。

監督自身がコロナ渦で体験したことを元ネタに脚本を書き、それがプロデューサーの呉君如(サンドラ・ン)の目に留まり、映画化することに。監督はこれがデビュー作の新人。

初めての映画監督なので、つたない部分もあるが、そこはベテランの鄭中基(ロナルド・チェン)、梁詠琪(ジジ・リョン)、呉君如がうまくフォローしている。これが映画初主演の呂爵安(Edan)も監督自身であるCoba役をうまく演じて、同じ年に主演した「過時·過節(香港ファミリー)」と合わせて第41回香港電影金像獎の新人賞にもノミネートされた。

潮州出身の母親が自家製のチリソースを作ったところ大好評。それをネットで販売したら爆売れしていきなり大金持ちになる。大企業との販売契約も決まったが、そこに思わぬ落とし穴が。

天下一電影制作もからんでいるので、最後に古天樂(ルイス・クー)も友情出演している。そのシーンを撮ったのは、大角咀新泉快餐店。

30年の歴史がある香港式ファストフード店

場所は旺角(モンコック)と太子(プリンス エドワード)の中間。映画を見たらここのホットドッグが食べたくなる。

Edanファンとしては、袁澧林(アンジェラ・ユン)との入浴シーンは気になるところ。

映画初主演でいきなり裸でキスシーン。袁澧林(アンジェラ・ユン)とは「過時·過節」や、バラエティ番組「MIRROR GO」、ドラマ「I SWIM」でも共演している。

他にもERRORや林家熙(ロッカー・ラム)など、ViuTVで見慣れた顔ぶれも登場する。最後のおまけの「大叔的愛(おっさんずラブ)」のシーンは蛇足かなあ。

ちさととまひるが帰ってきた!「ベイビーわるきゅーれ 2ベイビー」

日本では2023年3月24日一般公開。その後いろんなところで配信されていたが、遂に7月からNetflixでも配信が開始された。

昔「セーラー服と機関銃」という映画があったが、女の子にはマシンガンが良く似合う。

1の感想はこちら。

mingmei2046.hatenablog.com

基本的な設定は1と変わらない。部屋の間取りが変わったのは引っ越したんだろう。前より広くなったけど物も増えている。

2人のダルダルな日常生活も同じ。「花束みたいな恋をした」ネタのかなりしつこい繰り返しとかは、元ネタを知らなくても笑ってしまう。

清掃担当の田坂さんの出演時間はしっかり増えて、何とかわいい助手も登場する。

アクションは相変わらずキレッキレ。素手での殴り合いから銃撃戦、更には着ぐるみのままのアクションまで披露している。

見事な足さばき。

とにかくアクションのスピードがめちゃ速くて目で追うのに必死。

「花束みたいな恋をした」も見てみようかなあ。

 

追記:映画第3作目「ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ」が2024年9月27日公開予定。

コピーが気になる。

更にテレビ東京でのドラマ化も決定。2024年秋から放送予定。タイトルは「ベイビーわるきゅーれ エブリデイ!」

今からもうSeason3が楽しみ「誰是被害者(次の被害者)」

2020年に配信されたドラマの続編。Season2では日本のディーン・フジオカ(漢字では藤岡靛)と、香港の劉俊謙(テレンス・ラウ)を投入。

4年ぶりなのでSeason2を観てから、またSeason1をまた見直した。

前回方毅任は娘のために事件の証拠品を隠したりしたが、15年前の事件で尊敬する恩師も虚偽の鑑定をしたことが明るみになる。今回は主人公の方毅任が連続殺人事件の被疑者になりながら、事件の全貌を明かしていく。

物語はその連続殺人事件と並行して、方毅任の私生活にも焦点が当たっている。今回も凝った内容になっていて、グロさもパワーアップしている。

特殊美術はお馴染みの覺藝工作室。まずはビルから飛び降りた死体の顔のアップから始まり、それぞれの事件現場、そして娘が就職したのが特殊清掃の仕事なので、その清掃現場まで次から次へとグロいシーンが登場する。しかもそれがかなりリアル。

清掃現場のバリエーションも様々。

死体の顔や本物の蛆虫のアップなんて必要なのかと思ったが、あれを見たら飛び降り自殺や締め切った室内での自殺を選ぶ人はまずいないだろう。そういう意図なのかただ単に監督の趣味なのかは不明。覺藝工作室はまた腕を上げているぞ。

そして最後に李烈姐さんが謎の会長として登場。このラスボス感がすごい。そして謎の家紋。

これはSeason3に日本が絡んでくるっていう伏線だよね?Season3もあるってことだよね?

最後は、昔「バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2」を観終わった時の感じが蘇った。

「精神科ナースになったわけ」と「今日もあなたに太陽を ~精神科ナースのダイアリー」

うつ病とかパニック障害などが珍しい特別な病気だと思われなくなった今日この頃、図書館でこんな本を見つけたので読んでみた。

www.eastpress.co.jp

ほんわかした絵がしんどい内容をうまく和らげてくれて読みやすくなっている。精神を病んだ人にも、その人なりの理由があってうまく日常生活が送れないのだと読んでて分かる。

2017年が初版で、私が手にした本はもう10版目だった。

そういえばNetflixにもそういうドラマがあったなあと思ってこちらも鑑賞。

約60分×12話。様々なタイプの病気(統合失調症双極性障害パニック障害うつ病自傷行為強迫性障害)が登場するが、普通の人でも強いストレスがかかれば誰でも病気になり得るということが主人公を通じて理解できる。

妄想シーンのCGがリアル。こんな妄想を毎日見ていたらそりゃしんどいだろうなと思う。

メイン以外にも個性的なキャラが次々登場する。特に師長!ああいう上司がいたら怖いものなしだろうな。

「精神科ナースになったわけ」と内容が重複している部分もあるので、両方見るのがおススメ。

豪華絢爛!インド歴史ドラマ「Heeramandi(ヒーラマンディ: ダイヤの微笑み)」

「バジラーオとマスターニー」「パドマーワト 女神の誕生」のサンジャイ・リーラー・バンサーリー監督が制作、脚本も手掛けた歴史大河ドラマ。全8話。Netflixがお金出して2024年5月1日から全世界に配信中。

インド独立前。ラホール(現パキスタン)にある歓楽街の高級娼館と歌姫を主人公にした物語。歌姫と言っても普通の娼婦とは格が全く違う。旦那は藩王、歌や踊りに関しては超一流の芸術家だ。日本の花魁みたいなものである。

主な主人公はこの6人。特にヒーラマンディに君臨するマダムマニカジャーンの存在感は圧巻。対して男性陣はちょっと影が薄い。そしてみんな超絶美男美女揃いなので区別がつきにくいw

最後のほうで革命の話から女性の権利主張へと移っていくのは最近の流れともいえる。

とにかく、美術セット、衣装、宝石などの服飾品がため息もの。

巨大セットの中で佇む監督。詳しくはここに。

tribune.com.pk

自動翻訳って素晴らしい。

美術監督は「パドマーワト 」でも一緒に組んだアミット・レイとスブラタ・チャクラボルティ。昔気質の職人肌の2人のインタビューはここに。

www.rediff.com

ほんと自動翻訳って素晴らしいね!

この作品のために700人の職人が7カ月かかってこのセットを作ったらしいが、今後AIの発達で大掛かりなセットは減っていくかもしれない。今までもCGやVFXの発達でセット不要論が出たこともあったが、それでもこだわりを捨てない監督やスタッフのおかげでリアルなセットは作られ続けてきた。最近もAIに仕事を奪われると俳優や脚本家がストライキを起こしたが、これが美術に及ぶのも時間の問題かもしれない。

もちろん俳優に命の危険がある場合は代替案としてCGを使うのはアリである。メイキングを見てはじめてCGだと気付くことも多々あるほどだ。

今はまだ完全に取って代われるほどAIは発達していないが、未来は誰にも分からない。

日本のスクリーンで許光漢(シュー・グァンハン)が観られる「青春18×2 君へと続く道(青春18×2通往有你的旅程)」

プロデューサーは張震チャン・チェン)、監督は藤井道人。台湾では3月14日から一般公開され、日本では5月3日からと少し遅め。他にも香港、シンガポールなどアジアの他の地域で公開されるのは、主演の許光漢が人気者だからだと思う。

舞台は2006年の台南と、2024年の日本。

台南でのロケ地は保安車站、臺灣首廟天壇(2人がすれ違う廟)、好城嘟現炒(歓迎会の場所)、武聖夜市、東門城圓環、四草大橋(バイクで2人乗りするところ)、喜樹黃金海岸、全美戲院(映画館)など。

台南以外では、2人が夜景を見たのは高雄市の大崗山超峰寺觀景台。神戸KTV雲林県にある統領KTVを改装したものだが現在は甜心時尚會館(エステサロン)になっている。

2人がランタンを上げるために向かったのは有名な十分車站。ランタン上げるためだけに台南から台北を過ぎて平渓線に乗るってなかなかたいへん。

日本でのロケ地だと、ジミーと阿龍(アーロン)が接待を受けているレストランは渋谷のエクセルホテル東急、その後2人でお酒を飲むのは新宿ゴールデン街

張孝全(ジョセフ・チャン)がいてもまったく違和感のない居酒屋は長野県松本市のなわて通商店街にあるお店。ここから松本城へは歩いてすぐだ。

雪合戦して「Love Letter」ごっこするのは、長野県飯山市飯山線上境駅上桑名川駅の間。日本でランタンを上げる場所は新潟県中魚沼郡のニュー・グリーンピア津南。最後の桜のシーンは隅田公園だ。

詳しくはここで。

happinet-phantom.com

この映画はちょい鉄な自分でも十分に楽しめる旅映画になっている。俯瞰も多くて景色がとびきり綺麗。南国の台湾人が好きそうな雪と桜も両方入っている。

許光漢の日本語がかなりうまくて驚き。撮影は日本が先なので、まず流暢な日本語から始まって台湾では逆にたどたどしくするのも大変だったのではないかと思う。

許光漢は「想見你(時をかける愛)」に引き続き18歳を演じている。本人は1990年生まれだが、実年齢より若い役が圧倒的に多い。おっさんになった許光漢もちょっと見てみたいけど。

張孝全もそうだが、脇役に見慣れた人がたくさん。神戸KTVの社長は監督でもある北村豊晴だし、ジミーのお父さん役は「運轉手之戀(運転手の恋)」で宮沢りえと共演した屈中恆(チュー・チョンハン)だ。日本側の俳優も有名どころばかり。黒木瞳張震のヨメと仲がいい。

ネタバレは良くないけど、でも途中から死亡フラグが立ちっぱなしで後半の展開が読めてしまった。まとめ方がきれいすぎ。

それとも私の心が汚れすぎたのかしら。