ディズニープラスで観られる「正義的算法(正義の法則)」

ディズニープラスが初めて配信した台湾ドラマ。bilibiliもお金を出していて中国大陸でも見られる。約40分×26話で、2話で1エピソードが完結する。

主演は陳柏霖(チェン・ボーリン)と、郭雪芙(パフ・クオ)というコメディもシリアスもイケる手堅いキャスティング。脇役やゲストも曲者揃い。法律ドラマだけどコメディなのでサクサク続けて見られる。

第1話なのに実は第7話の続きになっていて、オープニングが終わってすぐにそこから過去に遡るのはかなり斬新。初日に一気に6話まで配信されたのと関係があるのだろう。敏腕悪辣弁護士劉浪の性格が徐々に変化していくのを、陳柏霖は実にうまく演じている。

ラーメン頭で奮闘する熱血弁護士林小顏を演じる郭雪芙と陳柏霖との掛け合いもぴったりだ。だからといって恋愛話に発展したりしないもいい。

主役以外にもみんなそれぞれいい味出しているが、大家役の廖威廉(ウィリアム・リャオ)の変身ぶりに一番驚く。

これが

こうなる。こういうのを見ると役者ってすごいと思う。こんな強面だけど、やさしくて頼りになるいい大家さんだ。

そしてもう1人、このドラマを盛り上げているのが良良。

この子役がめちゃくちゃ可愛い。しかも演技もうまい。10年後がとても楽しみ。

監督の許富翔は2021年に陳柏霖主演で映画「詭扯」を撮っている。これもゆるいブラックコメディ。

「正義的算法」に出ている役者もちらほら。信頼関係があるからこそ「正義的算法」でのびのび演技出来たのかもしれない。

そして昔も今も変わらずかっこいい陳柏霖。人気も演技力もまったく衰えないのがすごい。このままおっさんになってもかっこいいんだろうな。

香港亞洲電影節2022(Hong Kong Asian Film Festival)ラインナップ発表

期間は10月25日から11月13日まで。香港映画はもとより、台湾、タイ、フィリピンなどの作品も多数。チケットの発売はオープニング&クロージング作品は10月1日午前11時(香港時間)から。その他の作品は10月2日午前11時から。

HKAFF - Hong Kong Asian Film Festival

オープニングは2作品。そのうちの1つが「過時・過節」。

釜山国際映画祭に続いての上映。香港での一般公開は11月24日。上映は初日の2回のみなので、チケットは秒殺で売り切れそう。

→案の定1時間で完売。

 

もう1つは「窄路微塵」。

最近主演作品が増えた張繼聰(ルイス・チョン)。清掃会社を経営するしがない中年とシングルマザーとの間に恋がめばえるお話っぽい。

 

クロージングも2作品。まずは「燈火闌珊(消えゆく燈火)」。

今年の東京国際映画祭でも上映予定。ベテラン俳優2人の手堅い映画。

 

もう1つは「流水落花」。

鄭秀文(サミー・チェン)主演だけど、ラブコメではない。里親としてさまざまな子供たちと接することによって過去の悲しみを乗り越えようとする女性のお話らしい。サミーが出演する真面目な映画ってイマイチな場合が多いが、今回はどうだろう。

 

その他で気になる作品もいろいろ。「Fast & Feel Love」。

ナワポン・タムロンラタナリット監督の最新タイ映画。スポーツスタッキングに命を懸ける男が愛を取り戻すお話らしい。このポスターも何かのパロディっぽいが、ベトナム版のポスターはまさにあの韓国映画のパロディ。でも何でwww

 

同じくタイ映画「Arnold Is A Model Student」

こちらも釜山国際映画祭に続いての上映。模範生の学生が学校や社会に反抗していくお話らしい。この絵面だけで楽しそう。監督はこれが長編デビューの新人。

 

香港への渡航はだいぶ緩和されてきたが、まだまだ普段通りとはいかなそう。あともう少しだ。

遂に登場「台北女子圖鑑(台北女子図鑑)」

コロナの影響で製作スケジュールが延び延びになってしまったが、遂に9月からディズニープラスで配信が開始された。Netflixに対抗しているのか、ディズニープラスもアジア向けの作品に力を入れ始めている。

しかも主演は桂綸鎂(グイ・ルンメイ)。ドラマの主演は14年ぶりだとか。他にも王柏傑(ワン・ボージエ)や夏于喬(シャー・ユーチャオ)も幼馴染として登場する。最初の彼氏阿南は巫建和(ウー・ジエンホー)だし、今後登場する俳優リストには張孝全(ジャン・シャオチュアン)、石頭(ストーン)、鳳小岳(リディアン・ヴォーン)、林柏宏(リン・ボーホン))范少勳(ファン・シャオシュン)の名前も入っている。

「北京女子図鑑」「上海女子図鑑」は10年間の物語だが、台北編は20年間。だから桂綸鎂なのかとここで納得する。

以前の感想はここ。

mingmei2046.hatenablog.com

今回も地方から上京して都会で自分の欲しい生活を手に入れるサクセスストーリーだ。毎週水曜日に更新で、21日のみ2話分を配信している。なのでまだ2話しか見ていないが、かなり期待出来る。

監督は映画「人魚朵朵(靴に恋する人魚)2005」「基因決定我愛你(DNAがアイラブユー)2007」「背著你跳舞(2010)」の他、台湾版ドラマ「ハチミツとクローバー」「あすなろ白書」を撮った李芸嬋(ロビン・リー)。ちょっと浮世離れしたファンタジーが好きな監督だ。

女の20代から30代はまさに人生いろいろ。自分を見失うこともあるし、誘惑に負けることもあるさ。そこを乗り越えた先に見える景色は多分、想定外。

第27回釜山国際映画祭で香港映画「過時・過節」が上映されるよ

韓国語も英語も映画の内容を追えるほど得意ではないので、釜山国際映画祭は作品のチェックはするが行こうと思ったことはない。

부산국제영화제 | 5-14 October, 2022

しかし今年は違う。どうしても見たい映画を見つけてしまった。通常だったらさくっと日帰りで行くところだ。


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だってこの2人が出てるから。香港では11月24日から一般上映予定。この釜山での上映がワールドプレミアになる。家族間の矛盾を描いた映画らしい。主演は毛舜筠(テレサ・モウ)。Edan(呂爵安)はその息子の阿陽役で、Anson Lo(盧瀚霆)は阿陽の友人役。

日本、台湾,澳門マカオ)のパスポート保持者であれば、今ならビザも隔離も必要が無い。でも登録しなければいけないものがいろいろあってそれが面倒くさい。今から連休も取れないのでやはり無理だろうな。

「過時・過節」以外にも気になる作品がいくつかある。

 

「別れる決心」

湯唯(タン・ウェイ)主演の韓国映画。韓国では既に一般公開済。

 

「DECEMBER」

アンシュル・チョウハン監督の日本映画。

 

「默殺」

マレーシア人監督柯汶利(Sam Quah)の台湾映画。吳慷仁(ウー・カンレン)と黃健瑋(ホアン・ジエンウェイ)が出演。

チケットは9月27日14:00から発売開始。

その他今年の大阪アジアン映画祭で注目を浴びたモンゴル映画「セールスガール」も上映される。タイ映画「Arnold is a Model Student」もおもしろそう。

全ての人に見て欲しいドキュメンタリー映画「時代革命」

2019年に香港で何が起こったのか?情報収集に日本の報道はまったく役に立たず、日々フェイスブックにUPされる現地の動画やニュースを追いかけながら胸が痛んだ。

監督は映画「幻愛」の周冠威(キウィ・チョウ)。158分あるが長さは感じない。この映画は100%デモ隊側から撮られているので、警察、香港政府の横暴ぶりをそのまま記録している。
中国共産党が姑息だと思うのは、圧力だけかけといて香港人同士を戦わせているところだ。人民解放軍が出動すれば一気に鎮圧できるが、それでは国際的な非難は免れないからだ。その間にもせっせと大陸から親中派の移民を香港に送り続けている。実際中国における香港の重要性は以前ほど高くない。経済面では既に中国大陸の方が上だろうし、金融センターとしての立場も上海に移行しつつある。なのにここまで締め付けるのは香港の先に台湾があるからだ。

私が一番信じられなかったのは、元朗(ユンロン)で発生した、地元のヤクザが警察と結託して一般市民に対する暴行を無視した事件だ。これは今でも警察側は納得できる釈明をしていない。

この映画が世界で初めて上映されたのは2021年のカンヌ国際映画祭。2021年の東京フィルメックスでもギリギリまで発表されずサプライズ上映という形になった。その後2022年2月に台湾で一般公開された。

映像が鮮明で、今まで見てきたドキュメンタリー映画とは一味違う。年々カメラなどのハード面での性能が向上しているということも理由の1つだろう。

特にこの夜景は圧巻。

デモはまだ終わっていない。勝てない戦いだとみんな分かっている。それでも私も応援したい。

プラネットプラスワンで「第三の男(1949)」を観る

マニアックな中崎町にあるマニアックな映画館で上映されていたので観てみた。

町山智浩氏が語る20世紀名作映画講座」をYouTubeで見てからずっと見たいと思っていた映画。なので観る前から概要は把握していた。多分この解説がないと半分も理解できなかったのではないか。

第二次世界大戦直後のウィーンで繰り広げられる逃走劇。謎の美女、巻き込まれ型の主人公、魅力的な悪役とミステリーの重要な要素は全部詰まっている。

さらにいろいろなメタファーが重ねられて、一筋縄ではいかない映画になっている。

他の作品にも影響を及ぼしている悪役の原型でもあるハリーは確かに際立っている。頭脳明晰でカリスマ性があって、でも根本的に何かか欠けていて、でもその欠落にすら人を引き付ける魅力があるという悪役は例をあげればきりがない。最近では成田祐輔もこのタイプに入る。何故みんなが彼に熱狂するのかこの映画を見れば分かると思う。

毎日のようにウクライナのニュースが流れているが、こういうのを見ると「確かに人間なんてアリのように殺されていく小さい存在なんだな」といやでも認識させられる。「領土の拡張=自国の繁栄」という前時代的な考えに基づく、正に老害以外の何物でもないプーチンの思想でこの戦争は始まっている。でも誰にも止められないこの無力感。

決して昔の古い映画ではない。機会があれば是非見て欲しい。プラネットプラスワンでは9月19日に最終上映される予定。

最初から最後までエモい映画「プアン/友だちと呼ばせて」

監督が「バッド・ジーニアス 危険な天才たち(2017)」のナタウット・プーンピリヤで、プロデューサーが王家衛ウォン・カーウァイ)となれば観に行くしかあるまい。

なるべくネタバレなしで感想を少し。

音楽と共にタイの地方を廻るロードムービーである。そこに登場するのはウードの父親の形見でもあるBMW 2000Cというちょっとレトロな車。カセットしかないというところもエモい。

まず最初に行く場所はナコーンラーチャシーマー(KORAT)。ここでダンサーのアリスと再会する。

次に行くのはサムットソンクラーム。この映画に登場する聖母生誕大聖堂は有名な教会らしい。

ここで会うのはチュティモン・ジョンジャルーンスックジン(オークベープ)演じる女優のヌーナー。短い出演だが流石の存在感。

次は一番バンコクから遠いチェンマイ。ここではカメラマンのルンと出会おうとするが・・・。

そしてボスの実家があるパタヤへ。ここでボスの過去が明らかにされる。このウード(Aood)のA面からボス(Boss)のB面への物語の切り替えしが実にうまい。

10年前のボスにちゃんとニキビがあるのがいいwここでボスの複雑な家庭環境が明らかにされる。そして初恋も。

そしてウードとプリムの関係性も明らかになる。でもこれを友情の裏切りと捉えていいのか。ウードにしてみればボスは憎いライバルだったわけだし。その後も言い出せなかった気持ちも理解できる。とにかくウードはずっとしくじり人生なのだ。3人の元カノとの付き合いがうまくいかなかったのも根底にずっと最初のしくじりが影響しているからだ。でも下心無しで好きな相手と接するのは無理だと思う。そして「そんなつもりじゃなかった」と言いながら相手の好意に甘える方にも打算はあるはずだから、責める権利はないと思う。

別に不治の病にかからなくても、人生を振り返ってやりなおしたくなるのはしょっちゅうだ。最期にいい人になってあわよくばプラマイゼロよりはちょっとプラスにしたいなんて思うことも。でもそれこそ自分勝手な考えだと思う。ここは全てを受け入れたウードの潔さを見習うべきだ。

最後は急いでまとめた感じがするが、結局ボスはウードを許して治療を受けさせて面倒をみたのだろうか。そして自分も自暴自棄の人生から抜け出すことが出来た。みんな傷だらけだけど、めでたしめでたしだ。

エンディングロールの音楽にも一番最後にニクい演出があるので、最後まで聞いてほしい。でも日本人以外はみんな席を立つんだろうなあw

今年の香港国際電影節でも上映。

過去の感想はこちら。

mingmei2046.hatenablog.com