加賀まりこあっての映画「月曜日のユカ」

タイトルだけは耳にタコができるくらいこれまで何度も聞いたことはあるが、実際に観るのは今回が初めて。神戸新開地にあるCinema KOBEで1週間だけ上映。

横浜を舞台にしたおしゃれな映画。製作は1964年。東京オリンピックの開催に合わせて、日本全体が熱に浮かされたような状態の時代の空気が伝わってくる。

18歳のユカには既にパパがいて、住むところから生活費まで全部出してもらっている。パパ以外の男と寝ることもあるが、お金をもらっているのはパパだけ。母親はかつて米軍軍人の専属愛人で、男に対する手ほどきをいつもユカに指南している。

ユカは愛人稼業で金銭的に恵まれ、その美貌と若さで男にも苦労しない。そのストレスフリーからくる天真爛漫さと抜群のセックステクニックが相まって、まさに男の理想が具象化したような存在だ。

但し、そんなお気楽な気分は前半まで。「家族といる時のパパの笑顔を自分にも見せて欲しい」と欲を出してから歯車は狂い始める。所詮男たちにとって、自分は都合のいい女でしかないのに、愛人以上の存在であると認めて欲しくなったのだ。

それは18歳を過ぎて自我が生まれ始めたから。若さと美貌と技巧で何でも手に入ると思っていたのに、好きになった男に拒否されてから徐々にそれだけでは足りないと分かり始める。でもだからといってどうすればいいのかは、誰も教えてくれない。

後半からユカの表情から笑顔が消えていき、最後はまったくの無表情になる。それは1人の少女が大人になった瞬間でもある。

女性なら売春までいかなくても「女性性は金になる」と実感する場面は人生でいくらでもある。今も昔もパパ活やら愛人稼業で生活している女がいなくなることはない。でも若さも美貌も賞味期限がある。その期限が過ぎた後は自分の脳みそで勝負していくしかない。

とにかく加賀まりこが可愛い。ドアップになってもかわいい。ファッションも素敵で下着にも手を抜いていないところがいい。

そして修が必死に長々とユカを口説いてる場面で、それがユカにはちっとも刺さってないところが実にもの悲しい。修じゃやっぱり無理なんだよなあ。いい奴なんだけど。

うっとりするほど美しい「花様年華25周年特別版」

何度も観たけど、やっぱりまた観たい。今回は「花様年華2001」も併せて上映される。

もちろん当時も映画館で観たけど、あれからもう25年経つとは。感慨深いものがある。

とにかくもう張曼玉(マギー・チャン)のため息の出る美しさよ。ハイカラーのチャイナドレスはこの映画のために20着以上作られた。屋台のラーメンを買う時でさえおしゃれを欠かさないw

ほとんどはタイのバンコクで撮影されている。ロケ地のバンコク旧税関ビルは有名だが今もあるかどうか。香港で撮影された中で、今は閉店してしまった「金雀餐廳」には私も行ったことがある。

カメラマンは杜可風(クリストファードイル)と李屏賓(リー・ピンビン)。横移動のロングショットは李屏賓の十八番。

王家衛(ウォン・カーウァイ)のフェチぶりにも、にやにやしてしまう。とにかく足。しかも太ももとかじゃなくて、ひざから下のラインなのね。そして時計。

鏡の使い方も神レベルだし、色彩も音楽も完璧。

不倫の話だけど、2人はあくまでもプラトニック。なぜそこまで?と思うくらい禁欲的。でもいつかまた出会うような予感がする。

おまけの「花様年華2001」も王家衛らしい作品。トニーさんのヒゲがw衣装がw

こんなお店があったら私も毎日通いたい。

 

追記:2026年6月1日からNetflixで配信。

香港で「世外」が観れなかったから、原作「千年鬼」を読んでみた

台湾の金馬影展、香港の亜洲電影節でも大好評だった「世外」。日本でも公開は決定しているが、いつになるかは未定。

原作は西條奈加の「千年鬼」。だったら先に原作を読んじゃおう。

www.tokuma.jp

出版は2015年で、もうすでに6度の重版出来をしているロングセラー作品。それに合わせて帯も一新。

とても美しく、そして内容を分かりやすく伝えている。

最初はオムニバス形式の小説の一部分を映画化したのかと思ったら、ちゃんと全部繋がっていた。小鬼と女の子とのお互いを思う気持ちがせつないっす。

鬼の概念は日本人以外は馴染みがないので、映画では不気味可愛いキャラになっている。

声の主演は、小鬼Gudo役を鍾雪瑩(ジョン・シュッイン)、小妹Yuri(原作では民)役を蔡曉童(クリスティ・チョイ)、天女Mira役を謝安琪(ケイ・ツェ)という実力派揃い。

まず2019年に14分の短編を製作した時にさまざまな賞を獲得した。その後世界各地から資金を集め、7年の歳月をかけてこの長編を製作した。

日本公開はまだだが、フィギアは先に手に入りそう。

発売は6月からで、今は予約だけ出来る。ちゃんと首が動く。

原作文庫本は大阪市立図書館にもあるよ。

4/2~4/7香港旅行まとめ

今回はとにかく現地で見たい映画がいっぱいあった。そして澳門(マカオ)でのコンサート参戦。相変わらず駆けずり回った5日間だ。2日の夜中の飛行機で香港入り。体力を温存しながら無理せず動いた。

まずは4月なので姜濤(ギョン・トウ)関連。

今回のお宿は銅鑼灣(コーズウェイベイ)だったので、朝晩これを眺めていた。

トラムも。

毎年恒例「The One」でのイベントスペース。今年は姜ファミリーになって、定期的に着ぐるみも登場。

バス停シリーズその1。AK江𤒹生主演の映画。

バス停シリーズその2。ANSON LO盧瀚霆の新曲。

そして映画館の中。

高先電影院は「我們不是什麼」祭。スタッフが来ているTシャツも映画のロゴが入っている。

今回待合室で待っていたら、マスクを付けた鐘雪瑩(ジョン・シュッイン)に遭遇した。確認はしてないけど多分。

そして街中のいたるところで見かけたのがこのポスター。

オールスター勢揃い。香港映画は久しぶりの彦祖(ダニエル・ウー)も真ん中に。MIRRORからはLOKMAN楊樂文、STANLEY邱士縉も参加している。

そして今年の香港国際映画節はこんな感じ。

合計9本映画を観た。右下はプレゼント。「UFO離奇命案」と「世外」が観れなかったのが残念。

次はいつ香港に行こうかな。

今年の旧正月映画のKING「夜王」

「毒舌大狀(毒舌弁護人〜正義への戦い〜)」チームが再び黃子華(ウォン・ジーワー)を主役に据えて撮った超娯楽映画。今回は更にラブコメの女王だった鄭秀文(サミー・チェン)も加入して、大盛り上がりとなった。

とにかくめでたい旧正月映画なので、出演者もモリモリ。

鄭秀文扮するV姐がキマり過ぎ。胸元とか足元も露出多め。画面に登場するだけで威圧感がすごい。このV姐に対抗しながら途中から共に戦うのが、黃子華演じる歡哥。歡哥もV姐も若い頃から尖東(チムサーチョイイースト)の夜の世界に生きてきた人間。映画の中で歡哥が「今更、 旺角(モンコック)や佐敦(ジョーダン)になんて行けない。俺の居場所は尖東だ。」みたいなセリフがあった。それぐらい身体に沁みついているのだ。

他にも「男がナイトクラブで大金を払うのは尊厳を買うためだ。」など歡哥の格言がいっぱい。手取り足取りでお客に対する接客の仕方をホステスたちに手ほどきするシーンも笑える。

時代背景は2012年なので10年ひと昔前だが、それほど気にならない。

お水の世界はやはりドラマティック。嵌められて多額の借金を背負わされたV姐を救うため、お店とお客が総出でダマすやり方が実に巧妙。

とにかく登場人物が多いが、その中で予想外にグッジョブだったのが、葵芳という名前のホステス(名前が地下鉄の駅にもなっている香港の地名)。使えないヘルプとして入ってきたのだが、最後にナイスフォローをして人気者に。それが高じて実際の地下鉄にポスターとして登場するまでになった。

かつての香港の栄華を見せて郷愁を誘いつつ、時代の波に立ち向かってゆく主人公の姿に胸アツ。屋上から眺める香港の夜景を見ながら、登場人物たちが語るそれぞれのストーリーにも共感してしまう。

2時間ちょっとの中にこれでもかといろいろなエピソードを詰め込んでまとめ上げてた吳煒倫(ジャック・ン)監督の手腕はすばらしい。興行成績も1億HKDを突破。Hなシーンを足した三級片(18禁)バージョンも4月16日から上映されるらしい。

日本でも観られたないいなあ。

Mayday Mayday緊急呼叫!「再見UFO」を観てくれ!

撮影が2018年、2019年の香港アジア映画祭で上映されたものの、その後投資家とトラブルが発生。今年になってやっと一般公開された。

公開後の評判は上々で、4月に開催される金馬奇幻影展にも出品され、台湾での一般公開も決まった。

同じ団地に育った3人の幼馴染の成長と、香港の歴史が重なってノスタルジーを掻き立てられる。

舞台となった華富邨は80年代に実際にUFOの目撃証言があった場所。50年以上の歴史がある巨大団地だが2027年から建て替え工事が始まる。地下鉄の駅も作られるようで、建て替え以降は全然別の姿に変わりそうだ。その最後の姿をこの映画の中で見ることが出来るのは貴重だ。

主演の3人は、もう中堅の域に入っている黃又南(ウォン・ヤウナム)、徐天佑(チョイ・ティンヨウ)、蔡卓妍(シャーリーン・チョイ)。

この3人以外にも個性的な俳優が多く出演している。人生いろいろな元同級生を衛詩雅(ミシェール・ワイ)、蔡卓妍演じる林可兒の弟を吳肇軒(ン・シウヒン)が演じている。林可兒の飄々とした叔父さんには白只(マイケル・ニン)、婚約者には梁祖堯(ジョーイ・レオン)を配置しているのもうまい。

滞在中にロケ地に行きたかったが、時間が無くて行けずじまい。次回は必ず行くぞ。

The Road to Macau Studio City Event Center(澳門への道)

4月4日にEDAN (呂爵安) とAnson Lo (盧瀚霆)の2人だけのコンサート「MUSIC UNBOUND LIVE MACAU」が開催された。しかしチケットは即完売。その後5日の追加公演が発表され、そこでようやくAチケットをゲット出来た。

会場は澳門の新濠影滙 綜藝館(スタジオシティ イベントセンター)。キャパは5000人なのでスタンドの後ろの席でも遠くないはず。

抽選でサウンドチェックにも参加出来るが、これには残念ながらハズレた。

澳門は大昔に行ったきりで、それも今回会場があるタイパ地区は未踏の地だ。せっかくだからバスで香港と澳門を繋ぐ橋を渡りたいと思い、調べたら香港各地からバスが発着しているのが分かった。一番分かりやすいかなと思い中港城に行ったが、チケット売り場が全然見当たらない。結局2階のフェリーの切符売り場の隣だったのだが、全然表示もなく1階でずっとうろうろしてしまった。

気を取り直して尖沙咀(チムサーチョイ)を出発したのが午後2時半。香港国際空港近くのバスターミナルに着き出国手続きをする。建物はでかいが中は閑散としていて、とにかく④と書かれた矢印の通りに進むと次のバスターミナルに着いた。そこで全員集まるまで待って出発。あいにく小雨模様の天気で、窓の外は海以外何にも見えない。そんな単調な風景が延々と続く。

ようやく建物が見え始めまずは珠海に到着。殆どの人はそこで降りた。そこから再び澳門に向かって走る。

ようやくマカオに着いて入国手続きをする。ここでも審査はあっという間だった。そこから会場がある新濠影滙までは、ホテルの無料送迎バスを使った。

ウン十年ぶりに見るマカオの風景はまさに「なんじゃこりゃあ」の世界。お金の使い方が間違ってるよ。即物的というか品がないというか。もしかして大阪のIRもこれ目指しているの?「ナニワ金融道」とヒョウ柄おばちゃんを生んだ大阪なら案外似合うかもだけど。

そしてようやくホテルに着いたのは午後5時すぎ。帰りは絶対フェリーに乗ってやると思い、その場でいろんなサイトを検索してみた。ホテルに近いタイパフェリーターミナルから出る最終便はもう売り切れていて、何とか外港フェリーターミナルから出る11時の便をそのまま購入。コンサートが10時に終わるとしてそこからタクシーで行くしかない。

お腹もすいたので中にあるフードコートでベトナムフォーを頼んだ。レジのところに人民元、香港ドルと澳門パタカのレートが「1=1」と書かれていたので、てっきり香港ドルがそのまま使えると思ったらダメだと言われた。焦ったがクレジットカードで何とか清算した。フォーは普通にフォーの味がした。でもこれが日本円で約2000円と思うと複雑。

開演は7時30分。香港より早い。席にはスティックライトが置かれていた。

ANSON LO の腕の筋肉が識別出来る距離。平台よりスタンドの方が全体を見渡せるから好き。

点滅は2段階。自前のライトと両手持ち。

2人一緒の時よりそれぞれ1人で歌う時間のほうが多かったような。アンコールでファンが2人の名前を交互に呼び合っていたのが微笑ましい。

澳門でのコンサートは今後も増えそうだけど、やっぱり遠いよ。今度は香港で!