子供たちが戦う姿を映画で見せる「BIG」

いきなりアニメーションシーンから始まるのに度肝を抜かれ、その後でこのアニメーションの意味が分かる。

6組の家族が登場するが事情はそれぞれ。子供たちの病状も様々。それでもお互い助け合いながら子供が今一番したいことを実現しようと頑張る姿に胸を打たれる。

主演の子供たちがまず素晴らしい。上映後のQ&Aで魏徳聖ウェイ・ダーション)監督が答えていたが、主演の女の子はほぼ素人。でも監督が一目ぼれして口説き落としたそう。そして6人の母親役を演じる女優さんは実生活では子供がいない人ばかり。でも映画の中ではしっかりお母さんになっている。これまでの作品でも素人を多く起用してきたが、監督の人間を見抜く目はただものではない。

撮影中は厳しいという評判の魏徳聖監督だが、今回は子供が主演というのもあり、和気あいあいで楽しく撮影は進んだらしい。

闘病ものだが、間にアニメーショも挟んであり全体的にファンタジーとして仕上げてある。最後にバスを貸し切ってみんなで動物園に行くなんて本当ならあり得ないのだろうが、これは映画だから。エンターテインメント映画ととして成り立たせているところが魏徳聖監督のすごいところだと思う。

上映後のQ&Aでは監督と主演の菲菲(フェイフェイ)ちゃんが登場。

撮影当時9歳だった菲菲ちゃんも11歳になり髪もこれだけ伸びた。実物もとてもかわいい。

台湾では2023年12月1日から一般公開。海外では大阪アジアン映画祭が初上映。