思ったより分かりやすかった「斷網」

3月から公開されている郭富城(アーロン・クォック)主演映画。ネットの世界での攻防を描いた映画。台湾、中国大陸でも同時期に上映された。

監督は映画「麥路人(ファストフード店の住人たち)2019年」の黃慶勳(ウォン・シンファン)。プロデューサーは鄭保瑞(ソイ・チェン)。

mingmei2046.hatenablog.com

ネットのセキュリティ会社で働いているプログラミングの天才卓家俊は、銀行のネットシステムを調べるうちに、上司のマネーロンダリング操作に加担するよう嵌められてしまう。同時に警察にも目を付けられ八方ふさがりの中、心臓病の娘が誘拐されてしまう。追い詰められた卓家俊は自分が開発したウィルスを使い、マネーロンダリングの証拠を何とか掴もうとする。

ネットの中で繰り広げられる映画なので、CGだらけで訳が分からなかったらどうしようかと思ったが、そこは擬人化してくれて素人でも分かりやすく作られていた。

ネットの世界を森に例えて、そこで変装した人間が実際に戦うのだ。

アーロンさんの端正なお顔がマスクで隠されてしまったw

ロケ地は風光明媚な南生圍。そして香港市内での逃走シーンでは大館でも撮影された。大館で映画の撮影が行われたのはこれが初めてらしい。

大きな足場を組んで、その上でアクションシーンを撮影。大館以外にも上環周辺や美麗都大廈(ミラドマンション)も登場する。

コロナ渦での撮影ということもあり、途中で中断したりしてたいへんだったらしい。

黃慶勳と鄭保瑞は若い時に一緒に助監督をした旧知の仲。鄭保瑞が黃慶勳のデビュー作「麥路人」のプロデューサーになったのも、お互い信頼しているからだと思う。

テーマも出演者も特に目新しくはない。しいていえば卓家俊のヨメ役に台湾の賴雅妍(メーガン・ライ)が出演しているくらい。

このネット社会でインターネットが使えなくなれば当然パニックになる。この映画でも全香港のインターネットが使用不可になるのだが、そのあたりの描写は軽めであくまでも卓家俊が証拠を手に入れられるかどうかに焦点が当てられている。追手に追跡されながら香港の街中を走り回るアーロンさんて、パターン化されてもうドキドキしない。

なので香港でも興行成績はぱっとしない。「麥路人」も作品としての評価は高いが、ヒット作とはいいがたい。

新しいものを次々作り出すのは大変だが、今まで通りのやり方では通用しない。