台湾映画

理由のない無差別殺人「該死的阿修羅(ガッデム阿修羅)」

去年の金馬獎にノミネートされ、今年の3月に台湾で一般公開された話題作。台湾文化センターの2022台湾映画上映&トークイベント「台湾映画の"いま"〜革新と継承〜」でオンライン配信された。 映画は3部構成になっている。 第一話:「憤怒的零(怒れるゼロ)…

今年こそ行けるのか!?「台北金馬影展2022」

隔離も無くなり、だいぶ規制が緩和されてきた台湾。タイガーエアも飛んでいるし、これはもしかしたらイケるんじゃないかと期待大。作品ラインナップ&スケジュールも発表されて心はうきうき。そんな中から気になる作品を選んでみた。 台北金馬影展 Taipei Go…

第27回釜山国際映画祭で香港映画「過時・過節」が上映されるよ

韓国語も英語も映画の内容を追えるほど得意ではないので、釜山国際映画祭は作品のチェックはするが行こうと思ったことはない。 부산국제영화제 | 5-14 October, 2022 しかし今年は違う。どうしても見たい映画を見つけてしまった。通常だったらさくっと日帰り…

血糊の量がハンパない「哭悲/THE SADNESS」

台湾では2021年1月から一般公開された。 ホラーは好きじゃないけど、こういった手作り感のある映画は好き。 とはいいながら、途中から「勘弁してくれ~」と言いたくなるぐらいエロくてグロい。流石R18。 設定自体はよくある話で、人間を凶暴化する謎のウィル…

これは大画面で見た方がいい映画「下半場(運命のマッチアップ)2019」

台湾では2019年8月に一般上映されて、その年の金馬奨や次の年の台北電影奨で多くの賞を獲得している。日本では昨日から一般上映。 去年台湾文化センターがオンライン配信したラインナップの中にも入っていたが、バスケはあまり興味が無いのでスルーをしてい…

複雑な構成に唸る「複身犯(2021)」

台湾文化センターが主催する2022台湾映画上映&トークイベント「台湾映画の"いま"〜〜革新と継承〜」の第3回目としてこの映画が登場。 2021年の台北電影獎と金馬獎にノミネートされており、台湾での一般公開は2021年2月。 全ては主演の楊祐寧(トニー・ヤン…

今日から台北電影節のチケット発売

私がMIRRORにうつつを抜かしている間にも世の中は動いている。 台北電影節の作品と上映日程が決定した。 www.taipeiff.taipei 気になる作品を紹介したい。まずはオープニングとクロージング作品から。 「初戀慢半拍(MAMA BOY)」 主演は徐若瑄(ビビアン・…

単なるメロドラマで終わらせない「不想一個人(一人にしないで)」

台湾では2021年12月24日のクリスマスシーズンに合わせて一般公開された。 范揚仲監督の作品は多くない。テレビ映画というテレビで放送された映画が3本のみ。しかしこの映画を観て並々ならない才能を感じた。 メインはこの3人。 左からデリヘル嬢の金莎役:温…

家族って容赦ない「美國女孩(アメリカン・ガール)」

2021年東京国際映画祭で鑑賞済み。今回はNetflixで配信開始されたので、中国語字幕で再び観ることにした。 莊凱勛(ジュアン・カイシュン)が普通のお父さん役で出ていることに驚き。最後まで何か裏があるのではないかと疑ってしまった。母親役の林嘉欣(カ…

準備はいいかい?大阪アジアン映画祭上映作品発表

今年もやってきました、大阪アジアン映画祭。香港映画の「濁水漂流」が無いのが残念。しかし台湾、香港の映画が多数上映されるのはうれしい。 www.oaff.jp 作品ごとの解説はまだだが、今は本国で上映済ならネット上で簡単に情報が手に入るいい時代。何なら自…

「我沒談的那場戀愛(つかみ損ねた恋に: ディレクターズカット)」をNetflixで観る

うっかり見逃していた。去年の8月から全世界一斉配信だったそうで。台湾では2021年2月の旧正月映画として上映された。 5年前の失恋から心の時間が止まってしまった妹を、病気で死ぬかもしれないと思った兄が手助けしようとするお話。詳しいストーリーは実際…

東京フィルメックスで「瀑布(The Falls)」を観る

鍾孟宏(チョン・モンホン)監督の新作。台湾では10月29日から一般公開。 鍾孟宏ファミリー以外にもよく見かける面々がゲスト出演している。離婚した父親は李李仁(リー・リーレン)、母親の再就職先の上司は陳以文(チェン・イーウェン)、精神科医は許瑋甯…

東京国際映画祭で「青春弒戀(テロライザーズ)」を観る

「弒」て難しい漢字だなあと思っていたら、たまたまその時読んでいた京極夏彦の小説にも書かれていた。これがシンクロニシティということなのか!? 台湾では11月19日から一般公開。 予告編を見ると通り魔的な犯罪を思わせたが、もっと複雑な構造になってい…

今年は10月30日~11月8日まで!東京国際映画祭

秋は映画祭の季節。しかし今年も行けるのは東京国際映画祭のみ。スケジュールの発表はこれからだが、取り合えず観たい映画をピックアップしている。しかし中国映画が1作のみで、韓国映画が皆無とは。(もしかしたら注意深く探したらあるのかもしれない。)釜…

2回転半ぐらいひねりがきいている「怪胎(恋の病 ~潔癖なふたりのビフォーアフター~)」

潔癖症同志の恋の物語。全編iphoneで撮影したことで話題となった。台湾では2020年8月から一般公開され、2020年の金馬奨では6つの賞にノミネートされた。 「怪胎」とはフリークスのこと。極度の潔癖症の世界をポップだけど落ち着いた色遣いで見せている。 柏…

今日からNetflixで配信開始「當男人戀愛時(君が最後の初恋)」

韓国映画「傷だらけの2人」のリメイク。元ネタは未鑑賞。台湾では2021年4月1日から一般公開された。今年は6月から9月に延期になった台北電影奨でも最優秀作品賞等にノミネートされている。 主演は邱澤(ロイ・チウ)と許瑋甯(ティファニー・シュー)。実は…

底辺層の怒りと悲しみ「大佛普拉斯(大仏+)2017」

「台湾巨匠傑作選2021」から。大阪で見逃したので、アップリンク京都で観た。 2014年金馬奨で最優秀短編映画賞を獲った「大佛」を長編に変えた作品。2017年の台北電影節と金馬奨では多くの賞を獲得した。2017年東京国際映画祭でも上映された。 短編映画「大…

小莫の涙が止まらない「親愛的房客(親愛なる君へ)」

2020年の台北電影奨と金馬奨(ゴールデンホース)で最優秀主演男優賞と最優秀助演女優賞を獲得し、その他数々の賞を受賞した。台湾での一般公開は2020年10月23日から。日本での公開が早かったのは、制作に何人か日本人が関わっているからかもしれない。 ロケ…

せつないSFファンタジー「有一天(One Day いつか)2010」

「台湾巨匠傑作選2021」から。侯季然(ホウ・チーラン)監督の長編デビュー作だが、ドキュメンタリーはその前から撮っている。 以前いつどこで見たのやらまったく覚えていないが、とても好きな作品だ。今回劇場で再び観ることが出来てとてもうれしい。 主演…

今回はお笑いは少なめ「消失的情人節(1秒先の彼女)」

今年の夏は忙しい。中国語圏の新作が続々日本で公開される。 6月25日~:「消失的情人節(1秒先の彼女)」 6月26日~:シネ・ヌーヴォで「台湾巨匠傑作選2021」開始。 7月9日~:「唐人街探案3(唐人街探案 東京MISSION)」 7月16日~:「少年的你(少年の君…

ハラハラしない「引爆點(High Flash 引火点)2018」

こちらも「台湾巨匠傑作選2021」から。台湾では2018年8月に上映された。 主演は呉慷仁(ウー・カンレン)と、「江湖無難事(ギャングとオスカー、そして生ける屍)2019」でヤクザの親分の愛人とトランスジェンダーを演じた姚以緹(ヤオ・イーティ)。 監督は…

台湾の姫物語「阿莉芙(アリフ、ザ・プリン(セ)ス)2017」

「台湾巨匠傑作選2021」を上映中のシネヌーヴォで鑑賞。ほぼ満席。2017年東京国際映画祭、関西クィア映画祭2018でも上映されている。 「父後七日」の王育麟(ワン・ユーリン)監督の第3作目。3組のカップルをメインにバランスよくお話は進む。アリフはゆくゆ…

「緝魂(THE SOUL:繋がれる魂)」をNetflixで観る

台湾では2021年1月29日から一般上映。大陸では検閲で6分削除されたバージョンで上映された。どこが削除されたんでしょうね。 2031年の元宵節。ある巨大企業の社長が撲殺された。その事件を担当するのが、がんを患い余命少ない検察官とその妻である刑事。怪し…

約10年ぶりに「第36個故事(台北カフェ・ストーリー)2010」を見る

大丸心斎橋店でのイベントでやっていたので参加してみた。 www.daimaru.co.jp 自分が好きなものしか出てこないやさしい映画。最初に観たのが何時だったのか思い出せないが、2011年11月には映画のロケ地にもなった朵兒咖啡館(Daughters cafe)に行っているから…

「生而為人(人として生まれる)」を大阪アジアン映画祭で観る

観たときは、デリケートなテーマを乱暴に扱った映画だなあと感じたけれど。 性分化疾患の人々のインタビューなどを見ると、映画の中にあるような乱暴な扱いを実際にされていているようなのだ。本人の同意なく手術をされてどちらかの性に無理やり当てはめよう…

「同學麥娜絲(同級生マイナス)」をNetflixで観る

台湾では2020年11月20日から一般公開。金馬では最優秀美術賞や最優秀助演男優賞を受賞している。 舞台は台中市。元同級生の電風、閉結、罐頭、銘添4人のちょっとしょっぱい人生を描いている。最初に監督のナレーションから始まり、最後も画面に乱入してくる…

第16回大阪アジアン映画祭上映作品発表

緊急事態宣言が継続される中、今年も何とか開催することが出来た。チケットの入手方法がいつもと違っているので、注意しながらチェックしよう。 www.oaff.jp オープニング作品は文念中(マン・リムチョン)が許鞍華(アン・ホイ)を撮ったドキュメンタリー映…

2度見するとよく分かる「刻在你心底的名字(君の心に刻んだ名前)」

2020年大阪アジアン映画祭で世界初上映された時は、予定が合わなかったのと宣伝用写真が耽美BLぽかったので見送った。その後台北映画祭と金馬でも上映、12月4日からは台湾で一般公開となった。そして12月23日からはNetflixで視聴できるようになったので、さ…

あの時何が起きたのか?「我們的青春,在台灣(私たちの青春、台湾)2019」

今日は東京映画祭は一休み。久しぶりのポレポレ東中野でこの映画を観た。 当時私も台北にいて、毎日ニュースにかじりついていた。そしていつか誰かが映画やドラマにするだろうから、そうしたら必ず観ようと思っていた。 これは立法院を占拠したひまわり運動…

東京フィルメックスで「無聲」を観る

2020年台北電影節のオープニング作品であり、金馬では8部門でノミネートされた。 小中高一貫の特殊学校で起きた集団性犯罪事件。子供たちの悲痛な叫びは長い間、外には届かなかった。 メインの3人。教師を劉冠廷(リウ・グアンティン)、被害者の貝貝(ベイ…