小莫の涙が止まらない「親愛的房客(親愛なる君へ)」

2020年の台北電影奨と金馬奨(ゴールデンホース)で最優秀主演男優賞と最優秀助演女優賞を獲得し、その他数々の賞を受賞した。台湾での一般公開は2020年10月23日から。日本での公開が早かったのは、制作に何人か日本人が関わっているからかもしれない。

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ロケ地は基隆。「雨港」にふさわしく、全体を通してしっとりとした雰囲気。小莫演じる健一が住むのはマンションの屋上に建て増しされた部屋。違法建築なのだが台湾ではよく見かける。ロケ地として有名な場所らしく、ネットに詳しく載っていた。

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金蓬莱社區。寂れていたがリノベーションして今では若い人が集まる場所に。

健一たちが花火をする場所も観光スポットのひとつ。

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虎仔山。ここから眺める夜景は綺麗そう。
健一の思い出の山は合歓山。

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この雲海はすごい。花蓮県秀林郷と南投県仁愛郷の境界に位置する、3,417 メートルの山。このぐらいの標高でも体調が悪いと高山病になるらしい。

あまり説明の多くない映画なので、妄想し甲斐がある。健一が献身的に立維の家族に尽くしているのは、愛だけじゃないだろうというのは最初から何となく分かる。回想部分の健一のやんちゃぶりも、過去において人生いろいろだったのを物語っている。結局2人がどんなに愛し合っていたとしても健一は日陰の立場である愛人でしかなく、そして表向き普通の生活を送っていた立維の結婚生活を崩壊させた原因は健一にあった。これは9歳の子供には説明しづらいよねぇ。

同性愛だけでなく、老いと貧困、家族の繋がりなど、現代社会の問題を全部盛り込んだ意欲作になっている。

小莫のサービスシーンも多め。ちょっと鍛えた体を披露。実はテントの中での絡みシーンもあったらしいが、これは全部カットになってしまったそう。まあ2人のラブラブさは直接的な描写が無くても分かるしね。

それぞれが画になるシーンばかり。