「弒」て難しい漢字だなあと思っていたら、たまたまその時読んでいた京極夏彦の小説にも書かれていた。これがシンクロニシティということなのか!?
台湾では11月19日から一般公開。
予告編を見ると通り魔的な犯罪を思わせたが、もっと複雑な構造になっていた。現代を生きる都市部の若者群像劇で、今最も活躍している実力派若手俳優が主演を務めている。そして愛情を渇望しているのに手に入らないもどかしさを初々しく演じている。
しかし、その若手たちを上回る存在感を見せつけているのが、前回「幸福城市」から続けて出演している丁寧(ディン・ニン)姐さん。
この丁寧姐さん演じる萧姐と事件を起こす明亮が疑似親子のような関係になり、明亮の自首へと繋がっていく。前作の「幸福城市」でもそうだが、この「母親に対する渇望」が何蔚庭(ホー・ウィディン)監督にとって、作品の重要な要素になっているのかもしれない。
但し2010年で長編デビューしてから作品数はまだ多くないので、この2作品で監督の個性を語るのも時期早々だろう。
「幸福城市」の感想はこちら。
最後のうやむやなラストシーンは、観客の想像に委ねるということでいいのではないか。個人的には2人でその後幸せになればいいなあと思う。おバカだけど偉大な愛だ。