「台湾巨匠傑作選2021」から。侯季然(ホウ・チーラン)監督の長編デビュー作だが、ドキュメンタリーはその前から撮っている。
以前いつどこで見たのやらまったく覚えていないが、とても好きな作品だ。今回劇場で再び観ることが出来てとてもうれしい。
主演は謝欣穎(シエ・シンイン)と、張書豪(チャン・シユーハオ)。張書豪の初主演作品でもある。
時間の交差と何度も夢のシーンが登場するので、すんなりとは飲み込めないストーリーになっている。でもその不思議なタイムスリップのからくりが分かると、謝欣穎演じる欣穎の心の揺れにまたきゅんとする。阿聰が無邪気に「夢の中の出来事は現実と逆になるんだ」と話す時に欣穎が涙ぐむシーンとか。
侯季然監督はその後、オムニバス映画「茱麗葉(ジュリエット)2010」のうちの「該死的茱麗葉(ジュリエットの選択)」、長編2作目「南方小羊牧場(狼が羊に恋をするとき)2012」を監督している。こちらも大好きな作品である。
「該死的茱麗葉」から。徐若瑄(ビビアン・スー)が足の悪い少女役を演じている。
「南方小羊牧場」から。南陽街を道路封鎖して大量のエキストラを動員したシーンは一見の価値あり。
そんな私の好み100%の侯季然監督だが、最近はMVやドキュメンタリーが多い。しかしそろそろ新作映画も撮ってほしい。2020年には新しい脚本が優秀脚本賞を獲ったようなので近い将来観られるかも。