「生而為人(人として生まれる)」を大阪アジアン映画祭で観る

観たときは、デリケートなテーマを乱暴に扱った映画だなあと感じたけれど。

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性分化疾患の人々のインタビューなどを見ると、映画の中にあるような乱暴な扱いを実際にされていているようなのだ。本人の同意なく手術をされてどちらかの性に無理やり当てはめようとしたりとか。映画の場合は外見は男性だが染色体がXXだったので、医者が「女性」だと認定し、本人には包茎手術だと騙して男性器を摘出してしまう。これも現実で実際に起きている事例だ。

そもそも性別が「男」と「女」の二者選択しかないということが、そろそろ時代に合わなくなっているのではないか。ちょっと前まではゲイとビアンちゃんしかいなかったのがLGBTQIA+まで増えてしまってはもう分類する意味がないような。もう個体差でしょと思う。

またそもそも論になってしまうが、戸籍からパスポート、街のアンケートにまで表記されている「男もしくは女」という項目は本当に必要なのだろうか?目の前のゴージャスな美人が、実は戸籍上では男だったとして何だというのだろう。

「子供を妊娠して出産出来るのが女」とすると、体内に子宮も卵巣もあるが妊娠出来ない人は「女」ではないのか?逆に男性器はあっても「無精子」の人は?

そういった性別の定義について考えさせられる映画だった。

とはいってもこの映画の中の「女=ピンク」「アメリカ帰りの野心的な医者=髭と首にスカーフをまく」というキャラ付けは如何にも紋切り型で安直だ。多様性を認める社会になろうと訴える映画というより、単に「珍しい病気に罹ったかわいそうな子」の映画になっているのが残念。

しかし主人公を演じた李玲葦(リー・リンウェイ)は素晴らしい演技を見せている。彼女はドラマ版「返校」でも主演している。映画からのドラマ化なのであまり期待していなかったが、映画のエピソードを踏まえながら更に発展させて物語を膨らませているのが良かった。

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Netflixで配信中。