2021年東京国際映画祭で鑑賞済み。今回はNetflixで配信開始されたので、中国語字幕で再び観ることにした。
莊凱勛(ジュアン・カイシュン)が普通のお父さん役で出ていることに驚き。最後まで何か裏があるのではないかと疑ってしまった。母親役の林嘉欣(カリーナ・ラム)は貫禄の演技。この写真の中での座り方からして、今までの役とは違う。
時代は2003年。インターネットを繋ぐときの「ピーピロピロ~」という音が懐かしい。この映画はまんま監督自身が体験した実話なので、主人公の娘の心情に重きを置いているように見える。でも個人的には、年齢が近いこともあって母親の無念さに深く同情してしまう。
この映画のいいところは、母親がガンになっても家族がバラバラなところ。ありがちな「不治の病」映画のように、やさしい母親や頼れる父親、物わかりのいい健気な娘なんて登場しない。みんな心にストレスを抱えていて、毎日薄い氷の上を歩くような生活なのだ。本気でケンカしあうのがリアルだろう。
それでもやっぱりお互い深いところで、ちゃんと愛情で繋がっている。そういった部分もちゃんと描いているからほっと出来る。
2021年の金馬では最優秀新人監督賞などいくつか受賞している。