ハラハラしない「引爆點(High Flash 引火点)2018」

こちらも「台湾巨匠傑作選2021」から。台湾では2018年8月に上映された。

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主演は呉慷仁(ウー・カンレン)と、「江湖無難事(ギャングとオスカー、そして生ける屍)2019」でヤクザの親分の愛人とトランスジェンダーを演じた姚以緹(ヤオ・イーティ)。

監督は「最乖巧的殺人犯(よい子の殺人犯)2019」の庄景燊(チュアン・シェン・チング)。撮影は「最乖巧的殺人犯」の方が早かったが、上映は「引爆點」の方が早かったので、デビュー作としてはこちらになる。

主演が呉慷仁なので、上映前から話題になっていた映画だ。法医学者役というので、検死で事件の究明をするのかと思ったが、さっさと元ヨメの検察官と一緒に捜査を始めようとするので、そこでまず「?」が浮かんだ。法医学者に捜査の権限は無いと思うんだが。そしてこの元ヨメというのがかなりの頑固者で、過去に夫に内緒で中絶しているのだ。さらに地方の巨大企業と自治体のなあなあの関係に逆らって、独自に企業の不正を調べている社会派検察官なのだが、そういうことが姚以緹の演技からはちっとも感じられない。きれいな女優さんをきれいなまま撮ってどうする。

生きたまま燃やされたりとかショッキングなシーンがあるが、これも撮り方なのか音楽のせいなのか思ったより盛り上がらない。こういったシーンはベタでも多少ケレン味があったほうが見る側はもっとドキドキすると思う。

最後の方のどんでん返しも普通に進んでしまって何とも惜しい。呉慷仁の泣きの演技で締めるのも、あまりにも役者に頼りすぎている。

監督にもっと経験があれば、もっと良くなったのではないかという映画だった。