「台湾巨匠傑作選2021」を上映中のシネヌーヴォで鑑賞。ほぼ満席。2017年東京国際映画祭、関西クィア映画祭2018でも上映されている。
「父後七日」の王育麟(ワン・ユーリン)監督の第3作目。3組のカップルをメインにバランスよくお話は進む。アリフはゆくゆくは性転換を望むパイワン族の跡継ぎだ。台北で女子になりきって人生を謳歌しているが、そこに父親が乗り込んでくる。
ゲイバーのママSherry役を陳竹昇(チェン・ジューション)、そのゲイバーの臨時ダンサーで昼間は公務員の既婚者を鄭人碩(チェン・レンショウ)がそれぞれ演じている。
お二人ともおキレイ~。特に陳竹昇は普段ヒゲも生やしているので、その変身ぶりに驚いた。
Sherryがずっと片思いをしている相手を、去年亡くなった呉朋奉(ウー・ポンフォン)が演じている。このSherryに対するもどかしい思いを見事に表現している演技力には脱帽である。新人の主人公の脇を演技派のベテラン俳優でがっちり固める「朝ドラ方式」はやっぱり強いなと思う。
最終的には父親もアリフのことを受け入れて、無事跡継ぎとなる。パイワン族は女子でも跡を継げるから。
監督自身はストレートなので、脚本の段階から入念にリサーチして進めていったらしい。究極には性差を超えた愛なので、この映画のようなハッピーエンドもアリかなと思う。