思想犯にだけはなりたくない「流麻溝十五號」

1950年代に思想犯として緑島に隔離された人々の物語。男性だけでなく女性も多く送られ、再教育の名のもとに監獄のような生活を強いられた。

群像劇で様々な女性が登場するが、メインの女優の中で見たがことあるような顔が。

古川琴音かと思ったら、台湾の女優余佩真(ユー・ペイジェン)だった。彼女の演技があまりにも自然すぎて素人にしか見えないのがすごい。

元ダンサー役はドラマ「一把青」で主演に抜擢されて注目された連俞涵(リエン・ユーハン)。一番のきれいどころとして上官の愛人になるが、それも早く島から脱出するための手段。

時代としては国民党が台湾に移ったばかりで、共産党のテロリストやスパイを見つけるために躍起になっていた頃。しかし確かな証拠がないまま思想犯として送り込まれた人々も大勢いる。全ては国政によるもので、蒋介石の匙加減一つで多くの命があっけなく消えていく。

まったくもってくだらないが、世界中で今でも人間を虫以下の存在として扱っている国や特権階級がある。というか自分が特権階級だと思い込んでいる人々がいるということは事実だ。

そんな一部の人間の思惑で振り回される人生とは一体何なのか?それに対抗できると思われていたのが、かつてはメディアで、ちょっと前だとSNSだったりしたが、最近はそれも怪しいものになってきた。

自分を守るための武器は必要だが、それを人に向けてはいけない。後はどこまでも逃げ切るしかない。