今年は11月5日から22日まで開催される台北金馬影展。注目作品が多い中、気になるものを挙げてみた。
手捲煙(手巻き煙草)香港
ヤクザのブツを盗んだ男と、彼から百万ドルの報酬をもらう約束で庇う元軍人とのお話。そこにタイと台湾のヤクザも絡んでくる。色合いがかなり好み。主演は林家棟(ラム・ガートン)。その他に香港ヤクザ映画らしい渋い面々も揃っている。監督は陳果(フルーツ・チャン)に見いだされた新人陳建朗。
追記:2021年大阪アジアン映画祭で上映予定。
同學麥娜絲(台湾)
かつて高校の同級生だった中年男子たちのその後の悲喜こもごもの人生。麥娜絲(マイナス)は当時のミスキャンパスの名前。俳優は左から納豆、施名帥、鄭人碩、劉冠廷。この4人を見るだけで何かやらかしてくれそうで楽しくなる。
狂舞派3(香港)
1が出たのが2013年。ダンス映画は香港では売れないというお約束を見事ひっくり返して大評判になった。今ではNetflixでも鑑賞可能。2をすっとばして3と名付けたのは監督の心意気らしい。1の主演の顏卓靈(チェリー・ガン)と蔡瀚億(babyjohn)も登場するが、ぐんと大人っぽくなっている。
追記:2021年大阪アジアン映画祭で上映予定。
堕胎師(香港)
陳果(フルーツ・チャン)が2004年に撮った「三更2之餃子(オムニバス映画「美しい夜、残酷な朝」のうちの一つ)」で登場する謎の美魔女を主役にして撮った作品。闇で堕胎をしている彼女と、娘との軋轢を描いている。そして「餃子」から15年経っているのにちっとも変わらない主演女優の白靈にも驚き。
消失的情人節(台湾)
陳玉勲(チェン・ユーシュン)監督の最新作。人より時間がゆっくり進むために1日得する男と、人より1日少なくなった女のお話。主演は劉冠廷と李霈瑜。「陽光普照(ひとつの太陽)」ではめちゃくちゃ怖かった劉冠廷もこの作品の中ではいい人。予告編からしておもしろい。ロケ地もいい感じ。9月18日から既に一般上映されている。
追記:2021年6月25日より「1秒先の彼女」という邦題で一般公開予定。
箱子(台湾)
今ノリにノッている莫子儀(モー・ズーイー)が主演の30分の短編映画。監督はドラマ「追兇500天」の蔡怡芬。既にスペインのシッチェス・カタロニア国際ファンタスティック映画祭で最優秀短編映画賞を受賞している。予告編を見るだけでも期待値大。
我的兒子是死刑犯(台湾)
ドキュメンタリー。死刑囚の弁護士などにインタビューをしている。どちらかというと親目線。死刑制度の是非を問う内容にもなっている。
その他にも「幻愛(香港)」「日子(台湾)」「無聲(台湾)」「腿(足を探して)(台湾)」「孤味(弱くて強い女たち)(台湾)」などももちろん上映する。シンガポールやマレーシアの作品も多い。
このうちのどれかは大阪アジアン映画祭で観られることを祈るばかり。