全世界の老人に捧げる希望「ぶあいそうな手紙」

2030年には日本の平均年齢が50歳になるらしい。既にどこの映画館に行っても若者の姿は無く、平均年齢が高い高い。こうなったら老人向けの映画が増えるのは必然だ。

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まず78歳の主人公エルネストが住む家がとても素敵。おそらく結婚してからずっと暮らしている家なのだろう。調度品も家具も年代物で時代の積み重ねを感じる。

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キッチンのタイルがいい味出している。

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集合住宅の外観。このアールがかかったベランダも素敵。

エルネストは隣の仲良しハビエルと毎日軽口をたたき合いながら、一人だが楽しく静かに暮らしていたのだが、ここに闖入者ビアが登場。しかしエルネストの方が一枚上手。ビアの嘘をあっさり見抜き、しかも手紙を読ませるアルバイトまで引き受けさせる。そして酒乱でDVのビアの彼氏が家に押しかけて来ても、おもちゃの拳銃とはったりを使って追い出してしまう。

そう、エルネストはかなりかっちょいいおじいさんなのだ。しかし女心に関して不得意なのがかなり残念。勇気を振り絞って昔の恋人にラブレターを出した女の意気込みが分からんとは!!

監督は1959年生まれの女性監督。老いの悲哀も覚悟もきちんと描いている。そして「何歳になったって愛を追いかけて行けばいいんだ!」と背中を押してくれるのは、イメージが暗くなりがちな老後にも光がさすというもの。

こういった老人を主人公にした映画は、「老い支度」を始めている私にとっても参考になる。老後に大事なのはまず健康とお金と友達。そしてユーモアと思い出。どれも年取ってから何とかしようと思っても手遅れだ。

長生きするつもりはないけれど、死ぬぎりぎりまで楽しく生きたいよね。