2020台湾映画上映&トークイベントで「最乖巧的殺人犯(よい子の殺人犯)」を見る

去年の金馬でも上映されたが、スケジュールが合わず泣く泣くあきらめた作品。今回は台湾文化センターとアジアンパラダイス共催のイベントでオンライン上映した。先着100名しか見ることが出来ないので、必死こいて申し込んだ。

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何といっても見どころは黄河の演技。その演技力を買われてここ最近出演作が続いているが、いろんな役に挑戦している。香港映画「翠丝(トレイシー)2018」では愛する恋人を失ったゲイ、Netflixドラマ「誰是被害者(次の被害者)2020」では 性同一性障害の被害者、今度はアニメオタクだ。

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↑これが冴えないアニメオタクになってしまうのだから大変身だ。個人的にはロン毛の方が好き。

監督は映画「引爆點」の莊景燊(ジャン・ジンシェン)。長編映画はこれが2作目。

去年この映画を調べた時に、線路の上を血まみれになった主人公阿南が歩くスチールを見つけたが、今回見た時にはこのシーンは無くなっていた。その代わり最後は電車の中で平和そうに微笑む姿で終わっている。確かにこっちの方が観客がいろんな解釈が出来そうだ。

全体で80分と短く、親切な説明は敢えて省いてある。不穏な家庭の背景や、阿南が恋する草苺ちゃんのこともほとんど語られない。だからといってよくある監督のご都合主義の説明不足ではなく、最低限のことはきちんと観客に提示されている。例えば草苺にそそのかされて街でいろんないたずらをする時に、阿南の隠れていた凶暴性が爆発するエピソードはその後の展開の伏線になっている。

しかし全体的にこじんまりとまとまっている感があって、逆に破綻が欲しくなってしまう。

美術はがんばっていて、架空のアニメキャラ「ボビッター」グッズがたくさん登場する。阿南が着るTシャツだけでも数種類あった。しかし設定では20年前の日本アニメと言いながら、どう見ても70年代のアニメにしか見えない。そこは実に惜しい。