デビュー作でもある前作「search/サーチ」がアイデア賞ものの傑作だったので、ずっと公開を楽しみにしていた。
アニーシュ・チャガンティ監督は、多分自分に難易度の高い制約を設けるのが好きな性格に違いない。前作は全編PCの画面内だけで物語が進行していくが、まったくそれがマイナス効果になっていないという離れ業をやってのけた。
今回主人公は車椅子生活を送っているのに逃げなくてはいけないという設定だ。たとえだいたいのあらすじは予習で知っていても、次の展開がまったく読めないので最後まで楽しめる。
どちらも脚本と演出が素晴らしければ、低予算でも、知名度の低い役者が主演でも質の高い映画は出来るんだよという見本のような作品である。
とにかく主人公のクロエが賢い。高い場所にある物を取るやり方とか、ガラスを割る方法とか流石理系女子だ。
しかし最後のオチはちょっと「ん?」て感じ。果たして復讐なのかやっぱり共依存なのか。
アニーシュ・チャガンティ監督が最初に注目された短編作品「Seeds」はこちら。
全編Google Glassで撮影されていて、主人公は手足以外映っておらずセリフもない。それでもお母さんとの関係性などはひしひし伝わってくる。