「轉山(転山)2011」をネットで見る

最近チベットの資料を探すついでにいろいろチベット関連の映画を見ている。日本では2011年の第24回東京国際映画祭で上映済み。

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英語タイトルの「KORA」とはコルラのこと。神聖な山の周りを五体投地で巡礼することである。亡くなった兄の代わりに麗江からラサまで自転車で行くのも一種のコルラだろう。

現地の人との淡い恋心とか、親切とか、孤独、ケガ、それを乗り越えての達観とか、この手の映画に必要なものは全て揃っている。特筆すべきなのは主人公がどんどんカッコよくなっていくこと。1人の男の成長をこれほど鮮明に映し出している映画はなかなか無い。

計画はかなり無謀。素人なのに初冬に富士山より高い場所を自転車で走ろうというのだから。それでも28日かけてようやくラサに到着する。途中森の中で死んだ兄と出会うシーンは私もジブリっぽいと思った。

監督は「洗澡(こころの湯)」で、銭湯でオペラを歌う男を演じた杜家毅。その後プロデューサーになり、これが初監督作品となった。どうりでエンドロールでいろいろな人に感謝をしているわけだ。

主人公役の俳優張書豪もその後順調にいくつかの映画で好演している。この映画の撮影を乗り越えられたら、どんな映画も受け入れられるだろう。というぐらい過酷なのが画面を通して伝わってくる。つまりフィクションなんだけど、ある意味ドキュメンタリーでもある。

私もチベットに行きたくなったが、旅行には何かと敷居の高い土地である。何とかモグリで入れないか検索する人も多いが、それは止めといたほうがいい。

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いいなあ。