まさに粗製濫造を地で行く「鬼吹灯」シリーズでまたまた新作映画登場。しかも映像化された作品の中で最も評価が低い結果となり、小説ファンからもブーイングの嵐。
確かに全体的にショボい。CGはがんばっているが、ほとんどグリーンバックで撮影したんだろうな。
しかもこれは「龍嶺迷窟」と同時に撮影したが、「龍嶺迷窟」のほうは当局からなかなか許可が下りず、とりあえず「雲南虫谷」から公開したらしい。原作の順番でいえば「龍嶺迷窟」→「雲南虫谷」であるにも関わらず。
と言っても、原作のネット小説は8作あり、それぞれに映画、ドラマ、ネットドラマ、ネット映画に版権が別々に買われていてもう何が何だか。まったく統制がとれていない。
その中で私が今まで観たのは「鬼吹灯之尋龍訣」
「鬼吹灯之黄皮子墳」
あと見ようと思えばゾロゾロいっぱい出てくる。
原作小説もそうだが1個だけ見ても全貌が解かりづらい。しかも中身はどれもワンパターン。仲間と一緒に秘境に入る→いろんな巨大生物に追いかけられる→古墳を発見→お宝を手に入れる。→でもそれだけじゃ足りなかった→次の秘境に入る→以下同文。
シリーズものにはワンパターンの美学というのがあるので、それはそれでいいだろう。ただし、最初の方に分かりやすいちょっとした説明ぐらい欲しいところだ。ただでさえ各作品演じる俳優が違うのだし。大金牙なんて名前も呼ばれなかったから、最後まで誰だか分らなかった。
この作品で一番まずいのは、それぞれのエピソードに説得力がないことだろう。俳優たちはそれぞれ撮影の前に厳しいトレーニングに参加したらしいが、それがまったく画に現れていない。そんなひ弱な身体と装備で秘境に入るんかいとまずツッコミ。そして巨大生物に追われている時、明らかに巨大生物より走りが遅いのに捕まらないのは何故なのか?パルクール的な演出があればまだましだっただろう。
そんな「雲南虫谷」も「未体験ゾーンの映画たち2020」で観ることが出来る。劇場以外にオンライン上映もしている。公式サイトはこちら。
https://aoyama-theater.jp/feature/mitaiken2020
人物相関図ぐらいは予習した方がよさそう。