ポンちゃん主演中国映画「乗風破浪」

旧正月公開映画をネットで鑑賞。

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ベストセラー作家韓寒の第2作目監督作品。原作、脚本も韓寒が担当している。

レーサーとして成功した息子が両親が若かった1998年にタイプスリップするお話。タイムスリップものというジャンルだと思えば、多少話がカブるのは致し方ないと思うが、「新難兄難弟」そのまんまというのはどうなんだろう?もしかしてリメイクかと思ったが、特にそうだと説明していない。

なぜ主人公がレーサーかといえば、韓寒もレーサーだから。なのでカーアクションはほぼ実景撮り。狭い街の路地を「頭文字D」並みに猛スピードで走りまくる。

気になる点がいくつか。

ポンちゃん演じる徐正太の弟分を韓寒のレーサー仲間が演じている点。でも実は正太が刑務所に入る理由をつくったのがこいつなのだ。そんな重要な役を何故役者でもない自分のお友達にやらせてしまったのか。案の定人物としての奥行きも物語に対する説得力もなくなってしまっている。

タイムパラドックスに対する認識がいい加減な点。生まれてきた赤ちゃんの自分と対面するのはありえないだろう。その矛盾を単なるご都合主義でごまかしている。

母親が出産後のうつ病のため飛び降り自殺したことになっているが、クラブのママまで勤め上げている女がそう簡単に自殺するだろうか?だいたいチンピラと結婚するぐらいの大したタマなのだ。最初の設定がボケている。

悪いばかりじゃなくて良いところもいろいろある。

ロケ地のチョイスがいい。浙江省江蘇省などの運河が多い古い街で、たたずまいが素敵。

ヤクザの大ボスには歌手の李栄浩(「やり直せるなら俺は李白になりたいよ」と歌っている人)が演じている。こちらは出番もセリフも少なくヤクザらしくない経済ヤクザなので、これはハマっていた。

母親役はいつも少女漫画の主人公みたいな役が多い趙麗穎が演じている。これからは腹黒い役とか汚れ役とかどんどんやって欲しい。そのほうが絶対似合うと思う。

前回もそうだが映像のセンスがいいのはカメラマンさんのおかげかもしれない。

もとは小説家なのだから、次回はちゃんと心に響く物語で映画を撮って欲しい。