ドロドロが足りない「第三夫人と髪飾り」

主人公をこの女の子にした時点でこの映画の勝ち。

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第一夫人も第二夫人も基本いい人で、14歳のメイ相手に性愛の指南までしたりする。しかしそのおかげかメイがだんな様の覚えめでたく、サクッと妊娠してしまうと3人の関係性が微妙に揺れる。その辺りの細かい心の動きは女性監督ならではだと思う。

第二夫人はいわゆる魔性の女なんだろう。旦那様の息子には言い寄られ、同性のメイにさえ告白されてしまう。罪な女である。

美しい風景を背景に、最初から最後まで「性」の話だった。「女として生きる=セックスをして跡継ぎを生む」というのが常識だった時代はそんなに昔のことではない。現在でも肩身の狭い思いをしている女子は少なくないだろう。でも少なくとも今自分がおかれている状況がそうでなくてホッとする。

ただドロッドロの中国宮廷ドラマをさんざん見てきた後にこの作品を見ると、何となく物足りない。毒されてるなあと思う。