周跨ぎでとうとう最終回「如懿伝」

ネット配信が月曜日から金曜日の1日2話ずつで最終回の87話だけ次の週の月曜日放送となり、まんまと2日間焦らされてしまった。

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87話は長かったが見応えはたっぷり。今回の周迅(ジョウ・シュン)は実によかった。目線で心情を表現できるのは素晴らしい。特に中年にさしかかった皇帝が、辺境のお姫様に一目ぼれして「こんなに好きになったのは初めてなんだよ~。皇后なんだから何とかしてくれよ~。」と言われたシーンの「何をぬかしてんだ、この色ボケジジイは」という如懿の目がたまらなかった。皇帝相手に口に出しては言えないからね。

女子向けのドラマなので、男はあまりぱっとしない。

如懿は最初から少し風変わりな女の子として表現されていて、権力闘争には関心がない。しかしヤラれたらしっかりヤリ返す心意気は持っている。

周迅以外にも鄔君梅(ヴィヴィアン・ウー)が若手を抑える要としてしっかり機能していた。台湾でトレンディドラマの出演が多い張鈞甯(チャン・チュンニン)も大陸時代劇に馴染んでいたし、新人の辛芷蕾(シン・ジーレイ)も映画「長江 愛の詩」での高い評価通り、いい演技だった。

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しかし如懿の最大のライバルを演じる李純は完全に役不足。よく見たら映画「心理罪」で頭空っぽなかわいこちゃんを演じていた女優ではないか。成り上がり者の悲哀や欲望が全然足りない。色仕掛けで周りの男に取り入ろうとするにも、色気があまりにも足りない。セリフに頼るんじゃなくて、間の取り方とか声の高低さとか表現方法はいろいろあるだろうに。

このドラマで「おっ」と思ったのは梅のシーンで造花じゃない本物の梅が使われていたこと。もしかしたら造花かもしれないけど、かなり本物っぽい。ドラマ「甄嬛伝(宮廷の諍い女)」と比べて見ると、衣装やセットのこの数年の大陸ドラマの進化が良く分かる。

多分日本でも近いうちに放送するでしょう。

張芸謀(チャン・イーモウ)監督映画「影」を映画館で観る

海外でも紹介されていて高評価らしい。多分日本でも近いうちに公開するだろう。

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一瞬、白黒映画かと思うくらいモノクロを基調とした映像。張芸謀の時代劇はいつもどの場所も均一に明るくて照明に奥行きがない。そこに薄~い素材で印刷した屏風や幕が部屋いっぱいに広がっている。登場人物たちも基本モノクロの衣装で、水墨画を布にデジタルプリントして衣装に仕上げたような感じ。もしワダエミさんが担当していたら、また一枚一枚手染めしてくれたかもしれないのにと思う。

撮影場所は北京のスタジオと、ロケは湖北省の各地。

主演は鄧超(ダン・チャオ)。1人2役出ずっぱりなので、鄧超が好きな人は思いっきり楽しめる仕上がりになっている。しかしこの人の演技は鼻につくというか、かっこいい自分を捨てきれないところが難点だった。流石に今回は監督が張芸謀なのでその部分はクリアできたが、相変わらず熱量はすごい。昭和の役者さんはこういう熱い演技をする人が多かったが、最近は素と演技の境目が曖昧なほうが評価されるし、私もその方が好きだったりする。

その鄧超の相手役は実生活でもヨメの孫麗(スン・リー)。こちらはドラマでよくやるオーバーな演技をグッと抑えて、2人の男の間で揺れる女心をうまく表現している。

バカ殿かと思いきやのどんでん返しは予想通りで面白かったし、そこからまたひっくり返るのも良かった。最後孫麗のカットで終わるが、解釈は人それぞれ。

武器を使って坂道を駆け降りるシーンは中国人の観客からも笑いが漏れていたw前作「長城(グレート・ウォール)」の孔明灯(ランタン)レベルの張芸謀なりの娯楽ギャクなんだろう。

「カイジ」が豪華にリメイクされて中国映画に「動物世界」

監督の韓延が「カイジ」の大ファンで原作者の福本伸行に一度は断られるも、何度も自分の脚本を送ってやっと許可が下りたらしい。日本ではNetflixで見られるので、それで見た人がちらほら。

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原作漫画と日本版映画はまだ見ていない。単純なジャンケンゲームかと思いきや、複雑な計算が絡んだ心理戦で、2度見してやっと流れが理解できた。こういう場合、ネットは便利だ。

美術は豪華。約160メートル×約40メートル×高さ約50メートルの船内のセットは圧巻。ちょっとした校庭の大きさだ。そこで350人が4ヶ月かけてセットを作った。

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人間がなんて小さいwww

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天井は全部CGかと思ったが、中央のガラス部分がちゃんとセットとして作ってある。

詳しくはここに。

《动物世界》特辑揭制景历程 李易峰赞游轮细节考究_娱乐头条_大众网

カイジ役は李易峰。前作の映画「心理罪」の演技はイマイチだったが、今回はうまくハマっている。黒目の小ささがかえって睨みつける時に凄みが出ていい。

そしてマイケル・ダグラスも存在感たっぷりだ。これも韓延がキャラのプロフィールをこと細かく書いて送って口説き落としたそうだ。

監督のオリジナル部分はピエロのヒーローが活躍する部分だろう。「ピエロがヒーローってw」と最初は違和感だったが、世の中には蝙蝠やら蜘蛛、蟻のヒーローもいるんだからアリなんだろう。でもこのピエロがマクドナルドのドナルドみたいで十分怖い。

そのピエロが空想の中で悪役をバタバタやっつける部分は、韓延の前作「滚蛋吧!腫瘤君(Go Away Mr.Tumor)」と共通したものがある。いかにもゲーム好きの監督らしい。

既に第3部までの版権を買い取っているので、映画も第3部まであり、第2部はもう準備を始めている。この映画の最後も実はカイジの父親もこのギャンブルゲームに関係していることを匂わして終わっていた。

最終的に5億元の興行成績を残している。第1週間で2.4億元、第2週間で4.4億元だ。この数字を見ると最初の2週間で観たい人は全員観に行った感じだ。大陸の映画館数は年々増えていても、作品の公開時間はとても短い。新しい映画館は殆どシネコンなんだから、ずらして公開とかしてもいいと思うが。

この映画はセットに奥行きがあるので、スマホの小さい画面だとちょっともったいない。

10億元は超えたけど「一出好戯」

2018年8月10日公開で、18日には興行成績10億元を超えた。それだけみんな監督黄渤に期待していたということだろう。今ではネットでも公開中。

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黄渤が監督脚本主演担当で、気合が入っているのはひしひしと伝わってくる。

会社の慰安旅行の日に隕石が地球に衝突。自分たちはバスごと孤島に打ち上げられる。どうやら世界は終わり、自分たちだけ生き延びたらしい。というのがあらすじ。

それにしても、漂流する人数多すぎ。30人ぐらいいるぞ。そのためそれぞれのキャラが深く掘り下げられず、主演+その他の賑やかしになっている。そしてサバイバル映画なのかと思いきや、水も食べ物も住む場所も困らない設定だ。

その後極限の状況の中で誰がリーダーになるかの争いになるが、それもあまりシリアスな展開にはならず、ごちゃごちゃしたまま話は進む。それで136分は長すぎ。はしょって100分ぐらいが丁度いい。娯楽作品なんだから。

全体的に歯切れが悪いのは迷いながら撮ったからだろう。いろんなものを詰め込んだわりにはどれも突っ込みが甘い。そのせいで一番言いたいことが何なのかさっぱり分からくなってしまった。

以前の大陸映画市場の流れだと10億超えるには、最初に観た人が周りにガンガン勧めて、その口コミでぶわーって広がるのが普通だった。しかしこの映画は最初の9日間で10億元を超えている。つまり口コミが広がる前にみんな観ているのだ。最近の話題作はだいたいこのパターンだ。これも人口の多さのなせる技か。最初の1週間は料金が安く設定されているのも原因だろう。

でもこうなると話題作以外は瀕死の状態。ネットにすら上がってこない。でも個人的に好きなのは大味の大作より、スパイスが効いた佳作だったりするんだけどなあ。

陳偉霆(ウィリアム・チャン)主演ドラマ「橙紅年代」始まる

個人的にひっそり応援している陳偉霆。早くアイドル俳優から脱皮して欲しいが、そこはなかなか難しいらしい。

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相手役はこちらも個人的に押している馬思純。

主人公は失意のまま隣国のM国に来て、うっかり麻薬販売組織に入ってしまう。そこから何とか脱走して、中国警察の囮捜査官と出会い潜入捜査に協力することになる。しかし兄貴分に悟られ自分も窮地に陥り、海に飛び込んで逃げ延びる。漂流した先は中国領域の海岸で、M国にいた時の記憶をすっかり無くしていた。

なんて、まるでバブル時代に吉田栄作主演で見たようなドラマの内容である。

そんな若い人向けのドラマなので、多少ドラマの流れが軽くてもいいのだろう。陳偉霆もがんばって無精髭生やしてボロボロの服を着ているが、周りがそこでストップをかけているような感じ。香港映画「出軌的女人」の衝撃的な登場が印象的な陳偉霆にとって、この程度のことは何ともないと思うが。彼はもっと出来る子だよ。

そして肝心な悪役兄貴の悪さに重みがなくて残念。コロンビアの麻薬王を崇拝する100%悪なのになあ。今後さらにラスボスも登場するので、それに期待するしかない。

馬思純は熱血警官として最初は登場するが、宣伝用写真は結構ハードなものもある。映画「盗墓筆記」の女探検家は実にカッコ良かったが、それに近い。

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警官よりもこっちのほうがお似合い。

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 全47話で、まだまだこれから。第1~3話見ただけで大体の展開が読めてしまう内容だが、どこかであっと驚く仕掛けがあるのだろうか?

日本で「寝ても覚めても」&「タクシー運転手 約束は海を越えて」を観る

短い滞在期間で観たのはこの2本。

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理由としては、「寝ても覚めても」は町山智浩監督が、香港や台湾の映画祭で紹介されていたので興味があったから。

「タクシー運転手」はやはりソン・ガンホが主演だから。

寝ても覚めても」は久々に見応えのある映画だった。登場人物それぞれが主役になれる映画である。もしも私が朝子や麦のようなタイプの人間に出会ったら、他人事として眺めることはしても絶対距離を置く。ややこしいことに巻き込まれるのは目に見えているから。

案の定朝子の周りの人間たちは2人に振り回されていく。でも結局この友人たちも実は巻き込まれたい願望があって、巻き込まれているのだ。普通の人生からはみ出す勇気はないけれど、出会ったその日に一目惚れをしてキスをするようなドラマチェックな物語に憧れてもいる。自分だって世間体とかモラルとかかなぐり捨てて恋に走りたいのだ。出来ないけど。

東出昌大の1人2役もよかった。朝子役の唐田えりかも朝子のヤバさが表面からにじみ出ていて良かったと思う。

女性の心理を描写した映画として紹介されているが、あくまでも朝子の心理描写だろう。一度麦に捨てられた朝子だからこそ亮介の気持ちが分かる。だから亮介が最後まで拒絶しきれないことを分かっていて戻って来たところとか、ホント朝子って怖いなあと思う。もちろんこの後の亮介の人生は地獄だろう。

 

「タクシー運転手」は見た目普通のオッサンのソン・ガンホにやはりやられた。

韓国の歴史については疎く、自分で調べてもやっぱりよく分からない。そんな中、町田智浩の解説が一番分かりやすかった。

町山智浩『タクシー運転手 約束は海を越えて』を語る

最初は軽いホームドラマのノリで話は進むが、市街戦のあたりから一気にシリアスに。その後にタクシーのカーチェイスまで出てきちゃうのが「韓国映画あるある」だ。なんか過剰に話を盛っちゃうんだよねえ。他の韓国映画でも「さあ、ここで泣け!」と言わんばかりに盛り上げたりするから、逆に引いてしまう。

結局最後まで運転手が名乗りを上げないところがよかった。

あと軍部の独裁政権って怖いというのが良く分かった。

釜山初上陸。今回は台風でてんやわんや

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日本に一時帰国することになり、まずはソウル経由関空発着の往復チケットを1ヶ月前に買った。すると台風21号の影響で関空は封鎖。チケットはキャンセルとなった。

それで代わりの安いチケットを買うため、香港経由成田発着のチケットを改めて買った。香港で1泊して、前もって「大館」の入場予約もして、お土産にペニンシュラの月餅でも買って、シンガポールの富裕層が登場する映画「クレイジー・リッチ!」でも観るか~なんて呑気に思っていた。

そうしたら今度は台風22号が香港を襲った。久々のシグナル10まで出て、たいへんなことに。当然チケットは直前にキャンセルだ。

それが出発の2日前で、慌てて他のチケットを探す。それで一番安かったのが(でも全然安くない)釜山経由のコリアンエアーだった。行きと帰りで釜山にそれぞれ一泊しないといけないが、空港では泊まれないっぽい。それでまた現地の安いゲストハウスを検索する。釜山のゲストハウスはチェックインが22時までのところばかりだったので、前もってきいて遅れてもいいところに予約した。そのひとつはセルフチェックインタイプで、これはなかなか便利だった。

釜山と言えば、チョー・ヨンピルの「釜山港に帰れ」と釜山国際映画祭しか印象にない。地図で見ると港町で神戸っぽいのかなと勝手に想像した。しかし夜中に到着して朝イチの飛行機で出発するようなスケジュールなので、観光地どころかどこにも行けないのが残念だ。

泊まった2つのゲストハウスはどちらも繁華街にあった。あれ?神戸というより新天地だよ。酔っ払いがあちこち地面に倒れている。そしてラブホだらけ。その中に「釜山映画体験博物館」があった。この立地はどうなんだろう???

モノレール&地下鉄を利用したが、韓流アイドルが平均の韓国人じゃないと分かっただけでも来た価値はあった。