2018年中国→ネパール→マレーシア→日本の旅

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2月に映画「欲望の翼」を観たいがために日本に帰ることにしたが、まっすぐ帰るのも何なのでどこかを経由しようといろいろ考えた。

条件1:春節旧正月)のないところ。空港が混むと嫌だから。

条件2:日本と気温差があまりないところ。荷物をあまり増やしたくないから。

条件3:物価が安いところ。特にホテル代。

条件4:食べ物が辛くないところ。

ということでネパールに決定~。行きは四川経由で、帰りはクアラルンプール経由の飛行機が安かった。クアラルンプールは熱帯だが1晩だけだしまあいいかな。

ネパールは初めて行く国だ。どこまで下調べをするかは悩むところだが、日本から四川経由でネパール入りした人の話を見たら、中国国際航空で四川で乗り換える場合、ホテル1泊がタダになるらしいのだ。

そんな事はちっとも知らなかった。私は四川に真夜中に到着する飛行機をわざわざ選んで、寝袋を買って空港で1晩過ごす覚悟をしていたのだ。

これはいいと思い、中国国際航空のHP(中国語)から早速申し込んだ。空港からすぐ近くの結構いいホテル。無料の送迎、朝食サービスも付いている。

いくつかネパール旅行した人の話を見てみた。かなり良さげだ。カトマンズ以外の街にも行ってみたいが極度の車酔いをするのでポカラとか無理そう。許可証が必要な本格的なトレッキングはしないが、近場はずんずん歩きたい。

 

多分、長期で中国大陸にいたので、神様のいる場所で癒されたいんだと思う。

「ナミヤ雑貨店の奇跡」の中国版映画「解懮雑貨店」をネットで観る

日本版はまだ見ていないので比較は出来ないが、原作は読んだことがある。

容疑者Xの献身」に引き続いての中国での映画化ということで、この映画も注目された。中国版映画「嫌疑者X的献身」は中身がほぼ日本版映画と同じでローカル化がうまくいってない。大陸の浮浪者は川べりに住まないもん。 

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「解懮雑貨店」では2018年と1993年を行き来する。濱海市という架空の海辺の街が舞台だが、ロケ地は青島市。他に北京でも撮影をしている。

90年代の胡同はかなりリアルに再現されている。伝統的な四合院が雑居化されてごちゃごちゃ。崔健(ツイ・ジェン)のコンサートの話が出たり、緑色の列車が登場したりするのは、当時を知っている人にとっては懐かしいのではないか。

逆にメインとなる雑貨店はどうだろう?ファンタジーとはいえ、こんなお店は90年代の中国には無いだろう。私は2003年から北京に住んでいたが、当時はローカルコンビニすら何だかもうカオスと化していた。

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全体的に妙にこじゃれているのはプロデューサーでもある韓寒が芸術顧問(プロダクトデザイン)をしているからだ。監督は「Hello!樹先生」の韓杰。

老け顔の成龍ジャッキー・チェン)がすごくいい。見るからにジャッキーなのに、ちゃんと愛情深いおじいさんになっている。

童子健はいつものごとく見事に成りきっている。ドラマ「三生三世十里桃花」で一気に人気者になった迪麗熱巴(ディリラバ)は、単なるキレイな女の子で終わってしまった。見た目ほどロック感が伝わってこないのだ。おそらくバックに太いパイプがありそうな王俊凱は少なくとも大人たちの要求には応えたと思う。彼は張芸謀チャン・イーモウ)映画「長城(グレートウォール)」で幼い皇帝を演じた子だ。

アーティスト役の秦昊(チン・ハオ)の出番は多くない。子役の演技がすごすぎて、大人の秦昊が普通に見えてしまった。

原作を読んだ時にも「タイムパラドックス的にはこれはありなのかな?」と思ったが、メインテーマが「懐古」と「癒し」なのでいいんだろうな。映画でも「助言はあくまでも助言であり、願い通りの生き方を実現できたとすれば、それは本人ががんばったからだ」と言っている。

日本版予告だと「涙」を前面に出して強調しているが(いつものことだけど)、中国版は泣くことはない。自分もがんばろう!と前向きになれる。

観客の要求の違いなのだろう。

今更な気もするドラマ「老九門(2016)」

今ローカルテレビで夜2話ずつ放送している。時間帯が寝る直前のちょうどいい感じだったのでいつのまにかほぼ全部見ることが出来た。2016年放送だが何だかかなり昔に感じる。

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原作は盗掘ジャンルブームの中でヒットした「盗墓筆記」の前章として書かれた小説。時代は民国時代の1930年代で、湖北省長沙市が舞台だ。

とにかくビジュアル+萌え重視で、若い美男美女しか登場しない。衣装も美術も時代考証うんぬんよりも見た目が一番。陳偉霆が上半身裸になったりのサービスも忘れない。

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右端の眼鏡をかけた八爺が風水とお笑い担当だが、やっぱりイケメン。

主演は香港の陳偉霆(ウィリアム・チャン)。こう見えて根性のすわった俳優である。

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軍装がビシッと決まっている。

元鉱山の下に秘密の墓があり、そのお宝を探すお話。古代の墓なので風水の知識を駆使しないといけない。といってもこじつけなので見る方はそれほど気にしなくていい。

長沙市が舞台といいながら、北平市(北京市)や東北も登場する。でも撮影はほぼ横店だけどね。

ネットでの再生回数は100億回(!)を突破。腐女子の2次創作も次々登場してドラマ制作の意図は達成している。

気になるのはヒールとして登場するアメリカ人がやたら中国語がうまいことだ。文語調でわざと難しい中国の諺とかを話す。

うらやましいかぎりだ。

「催眠大師(2014)」と「記憶大師(記憶の中の殺人者)(2017)」をネットで見る

名前やロゴタイトル、雰囲気は似ているが、話としては別物。「記憶大師」は2017年東京/沖縄・中国映画週間でも上映された。

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どちらも台湾出身の陳正道(レスト・チェン)が監督している。陳正道と言えば「盛夏光年(花蓮の夏)2006」。この映画以降あっさり大陸に拠点を移し、コンスタントに映画を撮っている。ヒットとは言えないが損もしていない。調べたら「幸福額度(2011)」「101次求婚(101回目のプロポーズ)(2013)」「重返20歳(20歳よ、もう一度)(2015)」など、彼の作品とは知らずに見ていることが多かった。

「催眠大師」は2人芝居的な演出で、莫文蔚(カレン・モク)と徐峥(シュウ・チェン)のやり取りは緊張感があってぞくぞくする。

有名な心理療法士の元に多くの医者から匙を投げられた謎の女が患者としてやってくる。というだけで最後のオチが分かってしまうのだが、そこからまたどんでん返しで一つ謎が明らかになる。メインとなるのはその心理療法士のオフィス。「無限道(インファナル・アフェア)」以降、どの中華系映画も「心理療法といえばこれ」みたいな似たような美術になるのは何故なんだろう?

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スパイラルモチーフはこの映画で繰り返し登場する。

 

「記憶大師」は近未来のお話。記憶を出し入れできる技術が開発され、離婚のために妻との記憶だけ削除したが、逆に妻から削除を取り消さないと離婚に応じないと言われ、復元しようとしたら手違いで殺人犯の記憶を入れられてしまった男の話だ。記憶にまつわる映画はいくつかあるが(「トータル・リコール」とか)、この映画はその記憶の取説があまりにも作り手側の都合がいいようになっていてそこでちょっと興ざめする。

そして美術もちぐはぐ。記憶の出し入れをする場所は超近代的。なのに実際に記憶を取り出す装置はスチームパンク的なレトロ感いっぱい。どう見てもこれでは取り出せないだろう。

主人公が住む部屋は、人気作家が住むに相応しい豪華なマンション。これは現代でもありそう。なのに警察署が何故か60年代の欧米。犯罪現場の家もアメリカのサスペンスドラマに出てきそうな造りだ。そして一番謎だったのが巨大な人頭の彫刻。何かを暗示していると思うのだが、唐突過ぎるし浮いている。

「盛夏光年」は最後のオチに納得いかなかった。「幸福額度」はファンタジーだと思えばリアリティーの無さは目をつぶれる。「101次求婚」は武田鉄矢も登場して「101回目のプロポーズ」の話がずっと続いているんだと思ってうれしかった。しかし何故今更リメイク?と当時ずいぶん大陸人民を当惑させていた。「重返20歳」は写真館のシーンだけ力が入りすぎていたのが個人的にはおもしろかったが全体としては普通。

というまったくの駄作というわけでもないが、いつも何か欠けている陳正道。今後章子怡チャン・ツィイー)主演で華誼兄弟(フアイ・ブラザーズ・メディア)の映画が控えている。毎回役者は実力派を排していた陳正道なのに、ここにきて章子怡か・・・。

黄軒(ホァン・シュアン)と 段奕宏(ドアン・イーホン)が共演「非凡任務(ミッション:アンダーカバー)(2017)」

今年大活躍が期待できる2人の顔合わせ。2017年東京/沖縄・中国映画週間では「潜入捜査」のタイトルで上映した。そして2018年3月11日から日本で一般公開予定。

多分ネタバレはしていないと思うが、気になる人は映画を観てから読みましょう。

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監督は麦兆輝(アラン・マック)と潘耀明(アンソニー・プン)。なのでカーアクションや銃撃戦はこれでもか!というぐらいやりまくっている。特に街中を駆け巡るカーチェイスは壮観。横だけでなく屋根やビルの上、建物の階段などの縦の動きも多く立体的。

主演以外でも芸達者な役者を揃えている。色気は気持ちいいくらいゼロ。ほぼ紅一点の彼女はもともとピアニスト。セリフは少ないがとてもいい表情をする。

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今回、黄軒はずっと痛めつけられている。ちょっとSな人が見るとたまらない。

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見た目は優しそうなおっさんだが実は冷酷な麻薬王。童顔の段奕宏が老け顔で登場するので一瞬分からなかった。この優しそうな外見がかえって怖い。

しかしながら興行成績はあまりパッとしなかった。麻薬潜入捜査というテーマが目新しくないというのもあるが、それよりもこの映画ツッコミどころが多すぎるのだ。

丁度いいタイミングでバイクが道に置いてあったり、さっきまでエンストしていた車が次には何ともなかったり、十年監禁されていた人が案外元気だったり。ここに出演している俳優が多分本格アクション映画が初めてで、でもみんな真面目に取り組んでいて、その生真面目さが画面に現れている。しかしアクションのつながりが完璧すぎて段取りっぽく見えてしまう。

あと黄軒が超人すぎる。並外れた体力とドライブテクニックと狙撃の腕があるので絶対死なないw

今はノリにノッている黄軒がいろんなジャンルの映画に挑戦している最中だと思われる。どんどん難しい役に挑戦するのもいいけど、「隣のお兄ちゃん」的な普通の役も結構好きなんだけどな。

レトロな街並みの再現度が高い「毒。誡(2017)」

2017年アジアフォーカス 福岡国際映画祭でも「毒。誡(どくのいましめ)」のタイトルで上映された。

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香港に実在したヤクザの伝記。60~70年代の慈雲山と九龍城を舞台にヤクの売人が薬物依存症を克服して更生するお話。

やはり見ものは九龍城。照明がキラキラしている「追龍」より、エイジングが濃いこちらの方が怪しげな雰囲気も倍増している。

 

mingmei2046.hatenablog.com

 

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自分もその場にいるような気分になる。細かい部分もかなり作りこんでいるので、じっくり見たい。

その他にも香港の街並みがいろいろ。

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旺角の裏通りで今でも見かけそうな。

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今では数少ない大牌檔。

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打ち身捻挫を治してくれる医院。下町に多い。

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可愛い外見でも実は警察の車。

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車はトヨタセリカ

ファッションも当時を再現して、ロン毛、ラッパズボン、ヒールの高い靴が基本だ。かっこいいんだけど、ちょっと笑える。特に古天樂(ルイス・クー)はいつも前身ごろにひもが付いているデザインでw当時流行っていたんだろう。

昔気質のヤクザらしいヤクザがたくさん登場する。寺廟の中で親分たち(偉い警官もいる)がメンツを保ちながら折り合いをつけようと話し合うシーンはのどかな感じすらする。

そんなわけで時代考証やセットはかなりがんばっているが、ストーリーが弱くアクションも見応えがない。芸達者な俳優たちは、いつものようにレベルの高い仕事をしている。特に陳普はアクションを封印しても演れるとこの作品で証明した。ドニ―・イェン以降の演技が出来るアクション俳優として、今後活躍するに違いない。

香港の書店では当然ながら香港の歴史に関する本が多い。特に「葉問2(イップマン)」以降60~70年代の資料が増えたような気がする。

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こちらは安くて軽くて小型でオールカラーなので、旅行途中で買ってもラクチン。誠品書店なら種類も豊富だ。

「暴雪将至(迫り来る嵐)」をネットで観る

2017年東京国際映画祭で主演の段奕宏(ドアン・イーホン)が「最優秀男優賞」を獲得したニュースは大陸でも話題になった。

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1997年の湖南省の田舎町。製鉄工場の警備員をしている余国偉は泥棒を捕まえる名探偵として地元では有名だ。この町で連続強姦殺人事件が起き、余も独自に犯人を捕まえようとする。

監督はこれが初長編作品になる董越(ドン・ユエ)。大陸では新人監督を発掘する動きも活発だ。しかしデビューした後も監督として続けらるかはまた別のお話。

ずっと雨が降り続け、全体的にブルーグレーの画面で統一されている。ロケーションがいい。古い国営工場、田舎の町の目抜き通り。その中の美容室や食堂もいい味を醸し出している。芸術顧問(アートコンサルタント)が3人もいるので、その辺は監督もこだわっているんだろう。

主演の段奕宏はかなりの役者バカ(誉め言葉)。基本的にどんな役でも演じる。真面目で熱血な役が多いが、もっといやらしい役をして欲しい。この人には任達華(サイモン・ヤム)や載立忍(レオン・ダイ)とはまた違う、滲み出るいやらしさがあると思う。

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大陸の薄幸女優ベスト3には絶対入る江一燕も好演している。燕子はこの時代を象徴している難しい役だ。

いかりや長介を彷彿とさせる杜源も超ベテラン俳優。

新人監督なので仕方ないと思うが、全体的に説明不足。見る側の想像をかなり足さないと監督が意図する意味合いにならない。なので一般公開直後から、ネット上で「暴雪将至見て理解できなかった人集まれ~」みたいな感じで質問が大量にupされた。例えば天気と主人公の心情がリンクしているのは分かるが、じゃあ実際何を考えているのかは不明問題とか。映画祭でのQ&Aでも同じ質問を何度も受けているに違いない。

多分日本でも今後公開するんじゃないだろうか。少なくとも中国映画特集みたいなイベントでは上映しそう。