話題のネットドラマをいろいろ観てみた件

まずは第1季、第2季まである人気シリーズ「心理罪」。人気がありすぎてドラマ化、映画化作品が乱造されている。

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天才的犯罪プロファイラーが犯人像を当てそれにそって連続殺人犯を追っていく刑事ドラマ。俳優、監督はほとんど無名。なのでせっかく初めて主人公が登場シーンでも、もったいないくらいフツーに撮っている。

その他にあらすじ以外で引っかかるところが多くて内容に集中出来ない。「保存すべき犯行現場で見張り役の刑事が朝飯を食べている」とか、「あと一歩で犯人に逃げられた現場で怒り心頭の刑事が暴れようとする」とか、登場する脇役の女優ががっつり整形顔だったりとか。

それでも第2季には主人公の二人も慣れてきて自然に演技が出来るようになったと思ったら、そこに新キャラ登場。主人公に対抗するライバル役なのに、この女優がちっとも演技が出来ていない。眼鏡も主人公とカブっているし。そんなわけで続きは見ていない。

日本で犯罪プロファイルドラマが登場した時は、「たたき上げの刑事VSアメリカ帰りのエリート」的な対立構造がまずあって、プロファイリングに対してもっと細かい説明があったので、見る側も徐々にドラマの世界に入ることが出来た。でもこのドラマではいきなり天才プロファイラーが登場して「犯人は25歳前後の男。白いシャツを着ている。さあ、見つけ出せ!」で捜査が始まってしまう。プロファイルとは何かという説明をスルーしたままではなかなかついていけない。

次は「白夜追凶」。

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実は「心理罪」第1季の監督がプロデューサーになっている。一卵性双生児の兄弟が連続殺人犯として嵌められてしまい、その真犯人を捕まえるために交互に刑事である兄のフリをするお話。これも第1話であっさり入れ替わりをバラしている。

猟奇的な殺人事件そのものを追うというより、その周辺の人物に焦点があたっているようなドラマ。

推理ドラマは、犯行現場を理論的に作ったり、証拠となる細々とした小道具も必要だし、証言に合わせて再現ドラマを挿入したり、普通のドラマとは手法が異なるので慣れていないスタッフが撮ると観る方も混乱する。

ネットドラマは基本予算がないので無名俳優が多かったりする。そんな演技力の乏しい子を使って、これまた経験の乏しい監督がそのまま撮ってしまうと単なるワチャワチャした印象しか残らない。

こうなるとやはり頭一つ分飛び抜けているのが「無証之罪」だ。こちらも早々に真犯人は登場するが、その後も展開は謎めいたまま泥沼化している。その真犯人が探している犯人(ちょっとややこしい)の性格がめちゃめちゃ怖い。演技力のあるオッサン俳優が脇を固めているので、若い子が力不足でもワチャワチャしない。最終回は再来週だがとても楽しみだ。

「滚石愛情故事」第19話を残して全部観る

 以前、第1話だけ観て感想を書いた。その後続けて観てみた。

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 何故第19話だけネットで観られないのかというと、ビアンちゃんのお話だから。今ネットドラマも規制が厳しくなっており、「同性愛」「不倫」「中高生の恋愛」の3つは速攻削除されるらしい。なのでBLネットドラマとして腐女子たちをざわつかせた「上瘾 addicted」は今中国国内では見られず、国外に出てyoutubeで観るという方法しかない。

19話いろんな愛の形があるが、もっとハジけた個性的な作品もあるのかと思いきや結構正統派なドラマばかりだった。

ここで自分の中のベスト3を選ぶとすれば。

第15話「鬼迷心窍」:若年性アルツハイマーに罹った絵画修復師と、彼女に一目ぼれをする大学生の恋。「君が絵画を修復するように、僕は君の記憶を修復する」と献身的に尽くす姿にジンとくる。修復師の作業所が森の中にあり雰囲気がとてもいい。主演の許瑋甯(ティファニー・シュー)のこの数年の演技力には目を見張るものがある。目だけで表現出来るすごい女優になったものだ。

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第16話「味道」:失恋したばかりの2人がルームメイトとして一緒に住むことに。他の2人の恋愛事情も絡めていい話になっている。4人とも芸達者な俳優で、特に銭俞安演じる馬克の徹底したブサイクキャラの裏に秘めた恋に涙する。

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第7話「愛我別走」:檳榔の売り子と優等生の恋。中二病的な妄想がバカバカしくておかしい。

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個別には、明道がいい感じにオッサンになっていることや、実力を伴った若手女優が次々排出していることに安心した。逆に演技が出来てない20代のイケメンにはがっかりする。喜怒哀楽それぞれ3種類の演技しか持ち合わせてなさそう。

馮小剛(フォン・シャオガン)監督が以前、金星のトークショウで話していた言葉を思い出す。

「最近の若い俳優は泣くシーンでちゃんと撮れたか後で確認するんだよ。自分が流した涙が無駄にならなかったかどうか。それに比べて葛優(グォ・ヨウ)は決して泣くシーンを正面から撮らせないんだ。涙を流す以外でも泣く演技が出来るからね。」

俳優はかくありたい。

今ミステリーがアツい。ネットドラマ「無証之罪」

映画やドラマにも流行があるが、今年はミステリーが大いに盛りあがっている。

「無証之罪」は毎週水、木曜日20時に更新しているネットドラマだ。

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連続殺人事件を冷静な観察眼と天性のカンで解決する推理警察もの。主演は秦昊(チン・ハオ)。

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ずっと作品を選んでいたので露出は少なかったが、結婚して子供が生まれてから、娯楽作品にも徐々に出演するようになった。このドラマでは癖のある刑事役を自然体で演じている。

中国のドラマは規制がいろいろあって厳しいが、ネットドラマはTVドラマよりユルい感じがする。規制と言えば「エロと暴力」がまず挙げられる。しかし主人公の登場シーンでいきなり派出所の中でチンピラをボコにしている。チンピラにも一目置かれる昔はヤンチャだった刑事が主人公ってなかなか中国では無いよなwエロも流石に正面から女性の裸を撮ることはないが、それっぽいのはある。

物語の舞台はハルピン。最近ハルピンが舞台の映画やドラマが多い。ロシア風な街並みがエキゾチックだ。そこで「雪だるま連続殺人事件」が起きる。犯人は警察の捜査に精通している知能犯だ。この犯人を探していくのかと思いきや、真犯人は早々と登場する。となると犯人の動機が一番の謎になってくる。

今週で第4話まで愛奇藝で配信された。45分×12話で完結するので、結末はまだまだ先だ。

プロデューサーは韓三平(ハン・サンピン)。著名な中国映画には必ず彼の名前があるぐらいの超有名人だ。2014年に「中国電影集団公司」会長を退職した後も会社に籍を置いて活動している。

天才的なカンを持つ刑事、薄幸の美人、訳アリ知能犯と材料は全部揃っている。ストーリーと極寒のハルピンの乾いた映像がとても合っている。あとは最後までクオリティを保ったまま続けていけるかにかかっている。

遂に完結!イーサン(阮經天)主演「鬼吹灯之黄皮子墳」

やっと20話全部観たぞー。

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東北篇まではまだ良かったが、内モンゴルに移ってからはご都合主義で話は進み、結局何が何だったのか分からないまま続くでおしまい。原作が元々そういう書き方なのと、騰訊視頻(テンセント動画)もシリーズ化を狙っているのでこうなるのだろう。

一番危惧するのが、文革下放をかなり美化している点。ネットドラマは主に10~20代の若い人が見ているが、これを見たら「文革時代って素敵」と勘違いしてしまうに違いない。まず簡単に東北から内モンゴルに優雅に旅行なんて行けないって。みんな全然労働してないし。もちろん批判大会も無しだ。

次に日本軍のエピソードが必ず入る。しかもかなり誇張されて。これは南派叔叔の盗墓小説でも同じ。「関東軍どんだけすごいねんっw」って自分でも思う。

その他に、今中国で「ゾンビ」映画とかパニック映画が好きな人が潜在的に多そうだなと思った。しかし中国では幽霊や死人が生き返る話はNG。現代の中国の設定で怪獣が街で大暴れ的な映画も難しい。宇宙からUFOが飛んできて中国各地を攻撃なんて更にとんでもない。でも作りたいし、見たい。それでこういった「過去の辺鄙な場所で巨大(でも3M以下)になった動物が襲ってくる」ことで取り合えず満足させているのかもしれない。

そんなストーリーはグダグダなドラマだが、俳優陣はしっかりしているし、セットも高価そうだし、CGも出来る範囲でお金をかけている。

そして何よりとにかくイーサンがかわいいということにつきる。

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整形顔が大流行りな大陸にはいないイケメン。

久々の手応え!イーサン(阮經天)主演ネットドラマ「鬼吹灯之黄皮子墳」

ここ数年パッとしないイーサン。この間も「暴走神探(2014)」をネットで観て頭を抱えてしまった(脚本と監督の食べ合わせがかなり悪い。羅卓瑤(クララ・ロー)にサスペンスアクション映画を撮らせたプロデューサーの爾冬陞(イー・トンシン)が悪いと思う。唯一楽しめたのは、イーサンがいろんなパターンでいたぶられるところw)。

しかしこのドラマの中のイーサンはとても生き生きしている。騰訊視頻(テンセント動画)の独占放送で、監督は管虎(「闘牛」「殺生」「老炮児(ロクさん)」等)。35分×20話なので、中国ドラマの中ではかなりコンパクト。

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オープニングとエンディングはオールCGだが、全然ちゃちくない。そしてきちんとドラマの世界観を表現している。

文革時代の設定でイーサンはド田舎に下放された知識青年役。なので衣装は1着しかないし、髪もボサボサ。冬の寒空の中、連れションならぬ連れう〇こまでしてしまう。

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撮影中の1コマ。何だ、このかわいさは。

35分の放送の中にCMが3本入っていて、ドラマのキャストが出演している。

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はじけてるなあ。でもCMでのイーサンの出番は無し。

原作は今だ人気が衰えない盗掘小説「鬼吹灯」シリーズの1つ。たくさんあるシリーズの中で騰訊視頻が8作版権を抑えて出資している。

他にもいろんな製作会社がドラマ、映画を乱造していて、もう何が何だか。

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無料で4話まで見ることが出来たが、ある日突然有料に変わってしまった。無料は期間限定だったらしい。

これは会員登録して見るしかないかな。

香港では珍しいキラキラ青春映画「哪一天我們會飛(私たちが飛べる日)2015」

2016年の大阪アジアン映画祭で日本でも上映された。中国大陸では2016年3月に上映。私は相変わらず愛奇藝で鑑賞。

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香港の青春映画というと大抵ドラッグやら援交やらヤクザが登場してどうにもキナ臭い。実際、旺角あたりで制服着たままタバコ吸っている高校生とか普通に見るし。

しかしこの映画はかなり清い。1992年の高校生だった時代と、大人になった今が交互に登場する。

香港の街並みが好きなので、何度も登場する俯瞰で見た街並みにキュンキュンきた。俯瞰が多いのはテーマが飛行機だから。飛行機好きの理系男子と手先が器用な美術系男子とかわいい普通の女子の物語だ。もちろん2人の男子はこの女子が好き。でも親友だからお互いちょっと遠慮している。

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香港の制服はダサいという人もいるが、このワンピース型は結構好き。

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香港好きにはありがたいショット。

この映画では美術さんがとても健闘している。これは学校開放日(文化祭みたいなもの?)での出品で、段ボールで作った香港の模型だ。

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字幕では「とてもきれい!」だが、しゃべっているのは「ちーしん」w

しかしこの日を境に理系男子が転校して音信不通になる。大人になって女子は美術系男子と結婚はしたものの、お互い仕事が忙しくてすれ違いばかりだ。

この美術系男子が大人になった役を、林海峰(ジャン・ラム)が演じている。いつまでも童顔の「とっちゃん坊や」だと思っていたら、こんな渋い演技をするようになっていたとは。

そして大人になった女子は3人の運命が分かれる開放日の謎を解こうと学校を訪れる。次第に鮮明になる記憶。そして秘密が明かされた後に、2人はまた固い絆を持った夫婦として生きる。

高校生時代の子役が大人役の俳優と結構似ている。特に林子聡に似た少年をよく見つけたものだ。

小ネタとしてbabyjohn蔡瀚億がここでもちょい役で登場している。

年を重ねるたびに、最初の初々しい気持ちなんて忘れて擦り切れていってしまうのは、もう仕方がない部分もあると思う。それが大人になるってことだから。

だからこんなキラキラした思い出があるとたまに救われる。

郭富城(アーロン・クォック)と王千源が大激突「破・局」

8月17日の公開から半月が過ぎて、もうそろそろ終わりそうなので慌てて遠出して映画館で観た。昼間の回で観客は私を含め5人だけ。人数が少ない方が、中国人がおしゃべりしようがスマホの光が明るかろうが気にならないのでまったく問題はない。

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汚職警官が主役なので、舞台はマレーシア、クアラルンプールのチャイナタウン。アーロン扮する地元の刑事高見翔は所轄ぐるみでヤクザに情報を流して賄賂を受け取っている。母の葬儀の日に人を轢いてしまうが、実は指名手配中のドラッグの売買人だった。こっそり母親の棺桶に一緒に入れて埋めたつもりが、同じ警察署内の警官からそのことで脅迫を受けるようになる。その王千源扮する陳昌民はヤクザとグルになって一緒にドラッグを販売している悪い警官なのだった。

ちょい悪刑事とかなり悪い刑事がお互いの罪がバレないように戦うので、ガチガチハードな警察ものではなく、ちょっとコミカル。監督は台湾の連奕琦(リエン・イーチー)で、以前「甜蜜殺機(甘い殺意)」を撮っている。多分もっとコメディをやりたいんだろうが、この監督の「笑い」はどうにも脇が甘い。

若い時のアーロンはあまりにも品行方正で真面目だったので、それほど魅かれなかった。常に5本の指をまっすぐ揃えて走る「公元2000」の熱血刑事がその典型だろう。しかし年を取るにつれてダメ男役がハマるようになり、「父子」でそのダメっぷりな演技は頂点に達したと思う。

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1965年生まれでこの美しさ。じじいになっても多分かっこいいままだろう。

何年か前だったら王千源の役は孫紅蕾が演じていたはずだ。最近孫紅蕾はバラエティ番組ばかり出ていて、映画ではあまり見かけなくなった。

その王千源は今回ユーモラスな部分が多めで、ダークな部分は少なかった。こういう善悪併せ持った演技が出来る俳優は貴重だ。

同僚役の余皑磊、上司役の馮嘉怡もかなりよかった。

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途中で呉中天が出演していたのが最後まで謎だった。エンディングロールを見たら、そのシーンは台湾で撮影されていた。多分「甜蜜殺機」と「天亮之前」繋がりでゲスト出演しただけだろう。そんな話も含めてやはり脇の甘い映画だと思う。

最後、高見翔が警察を辞職した後、マレーシアのちょっと怪しい街を歩くシーンがある。「C+偵探」シリーズもそうだが、アーロンには怪しい南国の街がとてもよく似合う。