岩井俊二監督の中国映画第一作「你好,之華(Last Letter) 」をネットで見る

大陸では11月9日から公開で、今は騰訊視頻(テンセントネット)で有料会員のみ視聴可能。香港は11月30日から公開中。

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中華圏でも岩井俊二ファンが多いと聞く。この作品も特にファンの多い「Love Letter」に寄せて作られていて、別名「中国版Love Letter」だ。

大陸で撮影した映画だが、岩井俊二が単身で大陸に乗り込んで製作したわけではない。プロデューサーは陳可辛(ピーター・チャン)だし、スタッフも撮影、照明、キャラ設定などは日本人だ。脚本、編集、音楽は監督自身が担当している。

80年代の中学時代と現在が交差しながら物語は進む。大陸で80年代懐古主義がブームになった時わらわらと80年代の青春映画が多く作られたが、それらと比べると違いは歴然。全編中国語でも場所は大陸でもやっぱりこの映画は岩井俊二映画だ。

ロケハンで青島、天津といろいろまわったがどれもしっくりいかず、遼寧省大連でようやく希望通りの場所が見つかったらしい。主なロケ地は大連と旅順。詳しくはここに。

《你好,之华》剧组辗转多地取景,大连脱颖而出凭得是这个特质

特にお気に入りは大連図書館。100年の歴史を持つ建築物だ。

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大陸での興行成績はそれほどふるわなかったが(それでも約8千万人民元)、お金儲けをするための映画ではないのでいいんじゃないかと思う。画面からお金の匂いがぷんぷんする大陸映画に比べたら、この映画は一種の清涼剤だ。

気になることがひとつあるとすれば。

秦昊(チン・ハオ)のあの髪型はカツラだよねえ。

イギリスドラマ「SHERLOCK/シャーロック」シーズン1~4までまとめて鑑賞

優酷(youkuネット)で独占配信。有料会員のみ視聴可能。大陸で放送禁止という話はガセネタか過去の話だろう。

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以前台湾にいた時にシーズン3をTVで見たことがあるだけだったので、この際全部見てみることにした。
シーズン1放送:2010年07月25日

シーズン2放送:2012年01月01日

シーズン3放送:2014年01月01日

映画「SHEROCK/シャーロック 忌まわしき花嫁」上映:2016年

シーズン4放送:2017年01月01日

と大体2年おきに製作している。

このままいけばシーズン5は2019年かと思うが、あまりにも周りの期待が大きすぎてやらないかもしれないらしい。確かにシーズン4の妹ネタはちょっと苦しかった。

シーズン1を今見ると「ベネディクト・カンバーバッチ若っ!」って思う。変人なのに気品がある。まさにはまり役。連続して見ていくとシーズン1のシャーロックがシンプルで一番好きかも。

なので今後シーズン5があってもなくてもいいかなと思う。熱烈なファンはそうもいかないだろうが。

ロンドンの観光名所も盛りだくさんで、見ていて楽しい。当然ながらみんなが話すのはクイーンズイングリッシュ。「I can't!」が「アイ カーンッ!」で「ああ、キャンじゃないんだなあ」なんてところで納得したり。

眠らない街香港で本当に眠らないとどうなるのか?

香港経由で日本に戻り、1週間ばかり滞在する。行きは香港滞在が6時間なので空港でやり過ごすとして、帰りの香港滞在時間12時間をどうするか思案中だ。

一晩を香港で過ごすが、到着時間が遅いのでホテル宿泊は最初っから除外。荷物もインタウンチェックインで到着早々預けてしまうので身軽だ。食事も24時間営業の食堂がいたるところにあるので大丈夫。

午夜場という真夜中上映の映画と朝イチで上映する映画とで、最低2本は見たいところ。候補としては

「你好、之華」

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「40代はアメリカで、50代は中国で映画を撮る」と以前インタビューで語っていた通り、岩井俊二監督が大陸で撮った映画。しかし上映回数が少なくて、時間帯が合わなさそう。

 

「幸福城市」台湾映画

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今年の東京フィルメックスコンペティション部門で上映。台湾映画「台北星期天」の何蔚庭(ウィ・ディン・ホー)監督の最新作。気になる気になる。でもこれも上映回数少なそう。

 

「八個女人一個台戯(8人の女と1つの舞台)」香港映画

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今年の東京フィルメックスで特別招待作品として上映。關錦鵬(スタンリークワン)監督作品。主役の鄭秀文(サミー・チェン)に一抹の不安。

 

「紅衣小女孩外伝:人面魚」台湾映画

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徐若瑄(ビビアン・スー)が生魚に食らいつくらしい。真夜中に見るには良さそう。

 

「翠絲 (トレイシー)」香港映画

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今年の東京国際映画祭でも上映され好評だった作品。

 

王道香港娯楽映画「無双」は来年あたり大陸のネットでも見られるだろうから今回はパス。「日本版十年」と「タイ版十年」は時間が合わない。「台湾版十年」は公開が未定だ。韓国映画「悲しみよりもっと悲しい物語」の台湾リメイク映画「比悲傷更悲傷的故事」はあらすじだけ見ると「泣くために映画を見る人」向きっぽくて何だかなだ。

上映時間はぎりぎりにならないと分からない。でもこれだけリストアップしておけばどれかは見られるはずだ。

映画以外にも香取慎吾のアート作品を見たりとか、大館(タイクン)にも行きたいが、体力がどれだけ持つだろうか。(遠い目)

「一頁台北」ならぬ「一頁香港」になりそうだ。

ハエだって戦う!愛する人のために「マッキー(2012)」

前々から気になっていたインド映画「マッキー」。優酷(youkuネット)で鑑賞。

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想像を遥かに超えておもしかった。見た目超リアルなハエだが、仮面ライダーを見て育った日本人にとってそんな無理はないと思う。敢えてしゃべらないのも良かった。

流石インド映画。音楽×効果音×スローモーションの相乗効果で、そんな盛り上げる必要のないシーンまで大盛り上がりだ。そして思いもかけずハエに感情移入してこっちまで切なくなったりw

ハエが体を鍛えたり、殺虫剤を避けるためのマスクをしたりとかなり無茶苦茶なはずなのに、そんな「?」はこの映画の前では無と化す。最期自分の体に火をつけてまで敵をやっつける姿なんてまさにキングオブヒーロー。

そしてエンディングロールではキレッキレのダンスを披露する。ハエがw

理屈無しに楽しめる映画というのはこういうことを言うのだなと思った。6年前の映画だが、この先何度見てもきっとおもしろい。

こねくり回しすぎなドラマ「猟場(2017)」

ドラマ「琅琊榜(琅琊榜~麒麟の才子、風雲起こす~)」の制作会社が「琅琊榜」のすぐ後に製作したドラマ。撮影は2015年だが放送予定のテレビ局と揉めてしまい、実際に放送出来たのは2017年の11月。

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なので「琅琊榜」で出演している俳優もチラホラ。そしてドラマ「潜伏」の俳優も混ざっているのは実は同じ制作会社だから。

これも52話までいらない。半分でいい。それぞれのエピソードはいい内容なのに、無理に引き伸ばしているのがみえみえ。最後の展開もかなり無茶苦茶だし、精神分裂症を安易に用いるのも問題だ。

ヘッドハンティングがテーマなので、出演者の平均年齢は高め。なので他のドラマよりも落ち着いている。大陸のお仕事ドラマは内容云々の前にツッコミどころ満載で前になかなか進めない。20代で既に外資系大企業の部長だったり、オフィスに不釣り合いな服装で登場したり。そして最後は必ずみんな大出世してめでたしめでたしってありえないっつーの。

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渋いところを突いたキャスティング。

但し、それぞれの登場時間はあまり多くない。おそらくギャラ高騰のあおりを受けてゲスト出演扱いにしか出来ないのだろう。孫紅雷とかもっと絡んで欲しかったが。

日本のドラマは過去の話をする時、再現ドラマにしたりして視覚に訴えることが多いが、中国は語りで説明する。長~い長~いセリフをとうとうと役者に語らせる。それでもうまい役者ならまだいいが、若い下手な役者だと見ていられない。あと音楽で盛り上げるのがうまくない。中国ドラマにとって音楽、照明、編集はまだまだ苦手分野だ。

経歴詐称とか、データ持ち出しで金儲けとか、ヘッドハンター達のターゲットの取り合いとか、おもしろい話はいっぱいあるのだから、それをメインにすればよかったのではないか。あと主人公の恋の相手が「とことん男運がないハイスぺ女」という設定も良かったのに。

大陸の現代ドラマはなかなかいい作品に出会えない。

大陸では11月16日から公開「ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生」

2016年の「ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅」から約2年経過しているので、前回の内容を何とか思い出しながら2を鑑賞。

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今回の舞台はイギリスとフランス。魔法学校も登場して好きな人にはたまらない内容だと思うが、ハリーポッターシリーズさえ全部まともに見ていないので、個人的にはそこにそれほど感慨は無い。

映像はとてもきれい。衣装メイクもかなり好き。1920年代のヨーロッパの街並みにもうっとり。CGとのつながりも自然だ。但し3Dは動きが速すぎると細かい部分がブレて、何が起こっているのか不鮮明になる。最初の脱走するシーンもぐるんぐるん回っているだけで何がなんだか。何でも3Dにすればいいってものでもない。

今回登場するファンタスティック・ビーストたち。

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日本代表の河童には「こういう解釈もあったか!」と膝を打った。

相変わらずエディ・レッドメインは可愛いし、ジュード・ロウは一瞬渡辺謙かと思ったし、ジョニー・デップは更にコスプレ俳優として磨きがかかっていた。この人は今後も素顔で演技をするつもりはないのだろうか?

予定ではこれから3、4、5と続いていくらしい。次回からはあらすじくらいは復習して見た方が良さそうだ。

中国映画「喊・山(MOUNTAIN CRY)2016」をネットで見る

2015年釜山映画祭のクロージング作品。

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80年代の山西省の田舎が舞台。どれくらい田舎なのかというとこれくらい。

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去年、上海から銀川まで列車に乗って移動した時に山西を通過したが、山奥のすごいところに人家があったりして驚いた。

その山奥の村で爆発事故が起こり、男が死んでしまう。男には口のきけない妻と2人の子供がおり、いたずらで爆弾を仕掛けた男が賠償金の代わりに世話をすることになる。

次第に心を通わせる二人だったが、警察が爆発事故のことをききつけ、男が自首すると決めたことで村中大騒ぎとなる。何故なら自首=殺人確定=即死刑となるからだ。そこで女が取った決断とは。

主演の2人に見覚えがあると思ったら「華麗上班族(香港、華麗なるオフィス・ライフ)」でも恋人を演じた王紫逸(ワン・ズーイー)と郎月婷(ラン・ユエティン)だった。撮影時期で考えると「喊・山」のほうが先かもしれない。「華麗上班族」での都会的な役柄とはうって変わって、この映画ではすっかり田舎者になりきっている。2人のこの演技の振り幅はすごい。

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内容としては中国の田舎を舞台としたよくある映画である。閉塞的なムラ社会の中のピュアな愛。その中にミステリー要素も取り入れて話を盛り上げている。

内容は平凡でも、出演している俳優はベテランが多い。爆破で死んだ男も、ムダにイケメンオッサンな主人公の父親も、中国の映画やドラマでよく見かける人たちだ。

夫が死んだ次の朝、女は山の頂上で琺瑯の洗面器を打ち鳴らす。そしてラストシーンにもう一度このシーンが登場する。これがタイトルの「喊・山」にも繋がっていて(「喊」は叫ぶという意味)、声を出せない彼女が精いっぱい叫んでいるんだと分かる。

こういうオチにはうまい!としか言いようがない。