衣裳も美術も音楽も最高「哀れなるものたち」

「ロブスター」「聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア」など変な映画ばかり撮るヨルゴス・ランティモス監督の最新作。

美術は豪華なスチームパンク調、衣装はちょうちん袖にミニスカート。音楽は何故か音程が外れている。そして広角レンズと魚眼レンズの多用で画面が歪みっぱなし。エンドロールは「女王陛下のお気に入り」の時より更に見にくくなっている。

どれもかわいい。

ブラックSFコメディで、胎児の脳を移植された女性が新たな生(性)を勝ち取る物語。ここで若くてきれいでまだ世の中のことが分かっていないというのがミソで、ほぼロイヤルストレートフラッシュなみの好条件である。尚且つ勉強してどんどん賢くなっていくのだから最強だ。

監督とエマ・ストーンマーク・ラファロ3人が映画のシーンを解説する動画があった。


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これによると船のシーンの背景はCGではなく、合成された背景を巨大なLED画面で映し出しているそう。今まではグリーンバックの前で俳優たちがCGチームの指示にそって演技をしていたわけだが、どちらが演技しやすいかといえば断然前者だろう。この方法は今後世界に広まりそう。

街並みや部屋もブタぺストに巨大なセットを建てて撮影している。このセットは全体も素晴らしいが細かい部分も手を抜いていない。ちょっとアールヌーヴォーでグロい。

床が布張り。こんなセット見たことない。

フォトブックとか出来たら是非欲しい。