高校の卒業式を終えた後の一夜の物語。監督は柯震東(クー・チェンドン)。金馬では4部門にノミネートされ、朱軒洋(ベラント・チュウ)が助演男優賞を受賞。台湾では2023年3月3日から一般公開。
やっぱり監督が一番目を引く。
グロいシーン満載でホームレスに対する殺人や知的障碍者に対するレイプなど「おいおい」と思ってしまう内容も含まれるが、脚本を九把刀(ギデンズ・コー)が担当している時点で、これはまるごと全部ギャグなんだと了解しないといけない。詰めた指のアップをわざわざ上から撮ったりとか、中二病男子特有の悪ふざけがいっぱい。普通だと教室で男子がふざけてたりすると、その反対側では女子たちが冷たい視線を向けていたりするものだ。だがこの映画には女子が2人しか登場しないので、そんなツッコミは一切なし。
親友3人のワルさ自慢から展開されるヤクザとのチキンレース。そのヤクザの親分を戴立忍(レオン・ダイ)が好演している。
終始穏やかな物腰が却って怖い。3人をジリジリ追い詰めていく。
78分と長編映画にしては短いが、無理に延ばさなかったのは正解。テンポ良く最後まで一気に観れた。
舞台挨拶には主演の1人、蔡凡熙(ケント・ツァイ)が登場。
首に着けているのは劇中に登場する3本の指wお隣は通訳の方。この人の通訳は分かりやすかった。
監督業でも実力を見せつけた柯震東は俳優としても引っ張りだこ。Netflix制作の台湾ドラマ「乩身」にも出演している。
出演者が豪華。予算もたっぷり。期待して待っていよう。