団地好きは必見「しなやかな獣(1962)」

シネ・ヌーヴォにて「若尾文子映画祭」開催中。その中の作品のひとつ。

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ため息が出るほどお美しい。

お互い協力しながら何とかしてお金持ち達からお金を騙し取ろうとする家族と、そこからまたお金を巻き上げようとする女のお話。どん底の貧乏生活を経験したからことからくる貪欲さは逆に清々しいくらいだ。貧乏がどんなに怖いか知っている人間には、お父さんのセリフが骨身に染みるはずだ。

複数の男たちを手玉に取る悪女に若尾文子が扮しているが、お色気シーンはもっぱらお姉ちゃん役の浜田ゆう子が担当。

個性的なキャラばかりの中でも埋もれないお母さん役の山岡久乃は流石。お父さんを立てる上品な女性だが、状況を一番把握してみんなのフォローをしている。

自分の頭と体を武器にのし上がっていく悪女の話は大好物。この若尾文子演じる子持ちの寡婦の切迫したお金への執着もよく解かる。

住まいが晴海団地の「高層じゃない5階建ての家賃の安い方」という設定もうまい。ほぼ団地の家の中で話は進行していくが、カメラワークが縦横無尽で飽きない。階段と廊下の部分の使い方も素晴らしいし、玄関横に付いている小さい扉の使い方も心憎い。

私も団地に住みたくなってしまう。