大阪アジアン映画祭で「迷失安狄(ミス・アンディ)」を観る

マレーシアと台湾の合作映画。プロデューサーは林心如(ルビー・リン)でベトナム人として出演もしている。これが世界初上映で、事前に見ることが出来る資料がほとんどない状態だった。

f:id:mingmei2046:20200323093550j:plain

マレーシアが舞台。妻に先立たれた後に女として生きることに決めたが、子供たちとは疎遠になり、世間の目も冷たい。トランスジェンダーの先輩でもある親友を亡くした後、不法労働のベトナム人親子と知り合い一緒に住むことになる。そこで一瞬の心の触れ合いを得るが、非情な裏切りにあってしまう。何ともやりきれない。
同性愛をテーマにした作品と言えば、BLも含め思春期の登場人物が多い。しかし最近LGBTの老後問題を扱う作品が増えてきている。香港の「翠絲(トレイシー)」「叔.叔」、今回大阪アジアン映画祭で同時公開された台湾の「有鬼(ノーバディ)」もそうだ。

誰しも「老いていく恐怖」というものがあり、残された時間の中で自分の好きな通りに生きたいと思うのは自然なことだ。ただその思いを周りが受け入れてくれるかどうかはまた別問題だ。

人生の最後を楽しく生きるためには、自分の思いを徐々に周りに理解させるやり方を学ぶべきだし、それにはやはりLGBTに限らずマイノリティーがどんどん声を出していくしかないのではないかと思う。