陳偉霆(ウィリアム・チャン)主演ドラマ「橙紅年代」始まる

個人的にひっそり応援している陳偉霆。早くアイドル俳優から脱皮して欲しいが、そこはなかなか難しいらしい。

f:id:mingmei2046:20181004202018j:plain

相手役はこちらも個人的に押している馬思純。

主人公は失意のまま隣国のM国に来て、うっかり麻薬販売組織に入ってしまう。そこから何とか脱走して、中国警察の囮捜査官と出会い潜入捜査に協力することになる。しかし兄貴分に悟られ自分も窮地に陥り、海に飛び込んで逃げ延びる。漂流した先は中国領域の海岸で、M国にいた時の記憶をすっかり無くしていた。

なんて、まるでバブル時代に吉田栄作主演で見たようなドラマの内容である。

そんな若い人向けのドラマなので、多少ドラマの流れが軽くてもいいのだろう。陳偉霆もがんばって無精髭生やしてボロボロの服を着ているが、周りがそこでストップをかけているような感じ。香港映画「出軌的女人」の衝撃的な登場が印象的な陳偉霆にとって、この程度のことは何ともないと思うが。彼はもっと出来る子だよ。

そして肝心な悪役兄貴の悪さに重みがなくて残念。コロンビアの麻薬王を崇拝する100%悪なのになあ。今後さらにラスボスも登場するので、それに期待するしかない。

馬思純は熱血警官として最初は登場するが、宣伝用写真は結構ハードなものもある。映画「盗墓筆記」の女探検家は実にカッコ良かったが、それに近い。

f:id:mingmei2046:20191229092859j:plain

mingmei2046.hatenablog.com

f:id:mingmei2046:20181004204922j:plain

やっぱ警官姿よりこっちのほうがお似合い。

全47話で、まだまだこれから。第1~3話見ただけで大体の展開が読めてしまう内容だが、どこかであっと驚く仕掛けがあるのだろうか?

日本で「寝ても覚めても」&「タクシー運転手 約束は海を越えて」を観る

短い滞在期間で観たのはこの2本。

f:id:mingmei2046:20180923173248j:plain f:id:mingmei2046:20180923173311j:plain

理由としては、「寝ても覚めても」は町山智浩監督が、香港や台湾の映画祭で紹介されていたので興味があったから。

「タクシー運転手」はやはりソン・ガンホが主演だから。

寝ても覚めても」は久々に見応えのある映画だった。登場人物それぞれが主役になれる映画である。もしも私が朝子や麦のようなタイプの人間に出会ったら、他人事として眺めることはしても絶対距離を置く。ややこしいことに巻き込まれるのは目に見えているから。

案の定朝子の周りの人間たちは2人に振り回されていく。でも結局この友人たちも実は巻き込まれたい願望があって、巻き込まれているのだ。普通の人生からはみ出す勇気はないけれど、出会ったその日に一目惚れをしてキスをするようなドラマチェックな物語に憧れてもいる。自分だって世間体とかモラルとかかなぐり捨てて恋に走りたいのだ。出来ないけど。

東出昌大の1人2役もよかった。朝子役の唐田えりかも朝子のヤバさが表面からにじみ出ていて良かったと思う。

女性の心理を描写した映画として紹介されているが、あくまでも朝子の心理描写だろう。一度麦に捨てられた朝子だからこそ亮介の気持ちが分かる。だから亮介が最後まで拒絶しきれないことを分かっていて戻って来たところとか、ホント朝子って怖いなあと思う。もちろんこの後の亮介の人生は地獄だろう。

 

「タクシー運転手」は見た目普通のオッサンのソン・ガンホにやはりやられた。

韓国の歴史については疎く、自分で調べてもやっぱりよく分からない。そんな中、町田智浩の解説が一番分かりやすかった。

町山智浩『タクシー運転手 約束は海を越えて』を語る

最初は軽いホームドラマのノリで話は進むが、市街戦のあたりから一気にシリアスに。その後にタクシーのカーチェイスまで出てきちゃうのが「韓国映画あるある」だ。なんか過剰に話を盛っちゃうんだよねえ。他の韓国映画でも「さあ、ここで泣け!」と言わんばかりに盛り上げたりするから、逆に引いてしまう。

結局最後まで運転手が名乗りを上げないところがよかった。

あと軍部の独裁政権って怖いというのが良く分かった。

釜山初上陸。今回は台風でてんやわんや

f:id:mingmei2046:20180918073024j:plain

日本に一時帰国することになり、まずはソウル経由関空発着の往復チケットを1ヶ月前に買った。すると台風21号の影響で関空は封鎖。チケットはキャンセルとなった。

それで代わりの安いチケットを買うため、香港経由成田発着のチケットを改めて買った。香港で1泊して、前もって「大館」の入場予約もして、お土産にペニンシュラの月餅でも買って、シンガポールの富裕層が登場する映画「クレイジー・リッチ!」でも観るか~なんて呑気に思っていた。

そうしたら今度は台風22号が香港を襲った。久々のシグナル10まで出て、たいへんなことに。当然チケットは直前にキャンセルだ。

それが出発の2日前で、慌てて他のチケットを探す。それで一番安かったのが(でも全然安くない)釜山経由のコリアンエアーだった。行きと帰りで釜山にそれぞれ一泊しないといけないが、空港では泊まれないっぽい。それでまた現地の安いゲストハウスを検索する。釜山のゲストハウスはチェックインが22時までのところばかりだったので、前もってきいて遅れてもいいところに予約した。そのひとつはセルフチェックインタイプで、これはなかなか便利だった。

釜山と言えば、チョー・ヨンピルの「釜山港に帰れ」と釜山国際映画祭しか印象にない。地図で見ると港町で神戸っぽいのかなと勝手に想像した。しかし夜中に到着して朝イチの飛行機で出発するようなスケジュールなので、観光地どころかどこにも行けないのが残念だ。

泊まった2つのゲストハウスはどちらも繁華街にあった。あれ?神戸というより新天地だよ。酔っ払いがあちこち地面に倒れている。そしてラブホだらけ。その中に「釜山映画体験博物館」があった。この立地はどうなんだろう???

モノレール&地下鉄を利用したが、韓流アイドルが平均の韓国人じゃないと分かっただけでも来た価値はあった。

ありきたりなのに嫌いじゃない「酔後一夜(2012)」を騰訊視頻(テンセントビデオ)で見る

f:id:mingmei2046:20180913144041j:plain

アルパカも謎を解く鍵を握る重要な存在。

主演は余文樂ショーン・ユー)&張静初(チャン・チンチュー)、監督は曾國祥(デレク・ツァン)&尹志文(ジミー・ワン)

舞台は北京。酒に酔った勢いで記憶を無くし、朝目覚めたら見知らぬ男とベッドの中だった・・・。というもうさんざん使い古された設定でその後の展開をどうするのかと思ったが、きれいに都会のファンタジーとしてまとめている。

余文樂の普通にイケメンで素っぽい演技に惚れ惚れする。張静初も眼鏡とボサボサ頭で嫌味にならない程度に美人なのをカモフラージュしていて好感が持てる。

最悪の夜から遡り、二人で昨日自分たちに何が起きたのか検証していく。そして辿り着いた工事現場で妄想した夢のマイホーム。この基礎工事しかしていないマンションの一角に廃材とペンキで飾り付けた部屋がなかなかいい。

f:id:mingmei2046:20180913144024j:plain

美術は彭浩翔(パン・ホーチョン)とよく組む江漢林。「維多利亜壹號(ドリーム・ホーム)」からはじまって、周迅版「指甲刀人魔」「第一次(メモリーFirst Time)」「分手合約(最後の晩餐)」「撒娇的女人最好命」も手掛けている。おしゃれなだけじゃなくて、手作り感があるのが好きだ。

大作じゃないけど、見た後何だかさわやかな気持ちになる。主人公2人のキャラと監督のセンスがいいからだろう。

何もかもかわいい映画「第一次(メモリー First Time)2012」

以前はどっしりした文芸作品は得意だが、若い子向きのおしゃれな映画は苦手だった中国映画。章子怡チャン・ツィイー)主演映画「非常完美(ソフィーの復讐)2010」でもまったく舞台が北京に見えなくて、欧米映画のバッタもん感200%だった。

変わったのはアンジェラベイビーの登場が大きい気がする。だって、名前からして「アンジェラベイビー」だものw

そんなアンジェラベイビーが主演するキラキラアイドル映画。しかも不治の病で初恋ものだ。

f:id:mingmei2046:20180912200834j:plain

舞台は廈門市(アモイ)。中国大陸で海辺のおしゃれな場所でロケと言えば廈門か青島(チンタオ)が定番だ。

アンジェラベイビーのファッションもかわいいが、家の内装もすごくかわいい。なので監督はファンタジーが得意な台湾出身かと思ったが、韓延という大陸出身監督だった。但し韓延は日本のサブカルとかが好きそうで、今年「動物世界」という「カイジ」のリメイク映画を撮っている。

f:id:mingmei2046:20180912191647j:plain

今あらためて見ると、ちょい役でおっと驚く俳優が出演している。恋人役のロック少年を演じている趙又廷(マーク・チャオ)とケンカするイカれたロック女に白百合(バイバイ・ハー)。そして趙又廷の元カノの彼氏役が黄軒(ホアン・シュアン)だ。

ストーリーは三段オチになっている。相手に対する思いやりから出るやさしい嘘をお互いついている。映画の途中でシングルマザーがいきなりロック母になってしまったのは、新人監督の性だろう。

アンジェラベイビーは結婚出産を経験して、最近は露出度も少なくなってきた。実業家でもあり生活には困らないだろうから、このまま芸能生活から手を引くかもしれない。他のアイドル女優のように浮かれたスキャンダルもあまりないし、実は堅実な性格なのかもしれない。

ツイハーク監督映画「狄仁杰之四大天王(王朝の陰謀 闇の四天王と黄金のドラゴン)」を騰訊視頻(テンセントビデオ)で見る

2018年7月27日公開。大ヒットしたこともあり中国では1ヶ月以上の長い上映期間だった。そのため映画館での上映がまだ終わっていないのに、ネットでも公開することに。

f:id:mingmei2046:20180912142855j:plain

多分ツイハークが一番楽しかったのではないかと思う内容。探偵としての謎解きより、もう妖怪退治の方がメインになってしまった。

その妖怪キャラの力のいれようがハンパない。

f:id:mingmei2046:20180912133908j:plain

全身目玉だらけで気持ち悪いことになっている。

妖怪以外にも妖術使いトリオも登場。

f:id:mingmei2046:20180912144014j:plain

御年74歳の女優が特殊メイクとアクションに挑戦していてその存在感がすごい。

イーサン(阮經天)はずっと樹に埋もれているのかと思いきや、いざという時に白いキングコングに乗ってバッタバッタと妖怪を倒す。

f:id:mingmei2046:20180912144811j:plain

やっぱり頭のかたちがきれい。

カリーナ姐さんの武則天も出番が多く、ますます野望をみなぎらせている。時間経過として「狄仁杰之通天帝国(王朝の陰謀 判事ディーと人体発火怪奇事件)」にますます近づいているので、今後続けて作るとしても1,2作かもしれない。肝心の狄仁杰が牢獄に監禁されるお話がまだないので、それは是非作ってもらわなければ。

 

追記:2019年1月19日から日本でも一般公開。

f:id:mingmei2046:20190113124547j:plain

そそられるポスター。

ネット映画の先駆け「指甲刀人魔(2010)」を見る

これもずっと観てみたかった作品。画像が粗くて画面も小さいが、当時としてはそれでも画期的だった。

f:id:mingmei2046:20180911202303j:plain

原作は彭浩翔(パン・ホーチョン)の短編小説からで、プロデューサーも担当している。監督は曾國祥(デレク・ツァン)と尹志文(ジミー・ワン)の「戀人絮語(恋人のディスクール)」コンビ。

周迅(ジョウ・シュン)主演のこちらは前編後編に分かれていて(技術的な問題だろう)、後編ですぐにネタバラシをしている。

曾國祥はこの後1人で映画を撮り続けているが、嫌味の無い演出で好感が持てる。彭浩翔のそばにずっといて、彭浩翔色に染まらないのはすごい。

ここでも周迅の存在感が際立っている。いわゆる魔性の女を演じているが、これはコロリと騙されるよねと納得。

その後別の監督で映画にもなったが、どちらも好きだ。映画の方はハワイが舞台でとにかく陽気。最後まで「でもやっぱりもしかして?」と匂わせて終わらせているのも良かった。

mingmei2046.hatenablog.com