日本で「寝ても覚めても」&「タクシー運転手 約束は海を越えて」を観る

短い滞在期間で観たのはこの2本。

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理由としては、「寝ても覚めても」は町山智浩監督が、香港や台湾の映画祭で紹介されていたので興味があったから。

「タクシー運転手」はやはりソン・ガンホが主演だから。

寝ても覚めても」は久々に見応えのある映画だった。登場人物それぞれが主役になれる映画である。もしも私が朝子や麦のようなタイプの人間に出会ったら、他人事として眺めることはしても絶対距離を置く。ややこしいことに巻き込まれるのは目に見えているから。

案の定朝子の周りの人間たちは2人に振り回されていく。でも結局この友人たちも実は巻き込まれたい願望があって、巻き込まれているのだ。普通の人生からはみ出す勇気はないけれど、出会ったその日に一目惚れをしてキスをするようなドラマチェックな物語に憧れてもいる。自分だって世間体とかモラルとかかなぐり捨てて恋に走りたいのだ。出来ないけど。

東出昌大の1人2役もよかった。朝子役の唐田えりかも朝子のヤバさが表面からにじみ出ていて良かったと思う。

女性の心理を描写した映画として紹介されているが、あくまでも朝子の心理描写だろう。一度麦に捨てられた朝子だからこそ亮介の気持ちが分かる。だから亮介が最後まで拒絶しきれないことを分かっていて戻って来たところとか、ホント朝子って怖いなあと思う。もちろんこの後の亮介の人生は地獄だろう。

 

「タクシー運転手」は見た目普通のオッサンのソン・ガンホにやはりやられた。

韓国の歴史については疎く、自分で調べてもやっぱりよく分からない。そんな中、町田智浩の解説が一番分かりやすかった。

町山智浩『タクシー運転手 約束は海を越えて』を語る

最初は軽いホームドラマのノリで話は進むが、市街戦のあたりから一気にシリアスに。その後にタクシーのカーチェイスまで出てきちゃうのが「韓国映画あるある」だ。なんか過剰に話を盛っちゃうんだよねえ。他の韓国映画でも「さあ、ここで泣け!」と言わんばかりに盛り上げたりするから、逆に引いてしまう。

結局最後まで運転手が名乗りを上げないところがよかった。

あと軍部の独裁政権って怖いというのが良く分かった。