台北で「大餓(大いなる餓え)」を観る

人は何故にダイエットをするのか?ダイエットという鉄板ネタを使って、他とは少し違うオチで落とした映画。

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食べることと料理するが大好きな主人公は母親が経営する幼稚園で給食を調理している。いつも子供たちに外見をからかわれるが全然気にしない。ある日母親からの誕生日プレゼントということで無理矢理ダイエットコースに通わされる。そこで洗脳されるがごとくダイエットに傾倒していく。
ある日セクハラから救ってくれた宅配便の配達員といい感じになる。しかし彼も実は元肥満児で、明るい外見とは裏腹に心に闇を抱えていた。

そして女装に興味がある幼稚園児と仲良くなり、何とか彼の「ありのままで生きたい」という希望を叶えたいと学芸会を手伝うが、それが全部裏目に出てしまう。

失意の中酔っぱらった彼女が起こした行動。そしてそれによって彼女は自分にとっての真実を悟るのだ。

まずは主演の女優さんがとてもいい。よくいたなあ。ずっと主に舞台をやっていてこれが初の映画出演。それで台北電影節と金馬で新人俳優賞を獲得した。

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宿敵美女との大乱闘。
今までのダイエット映画というと、最後は頑張ってキレイになって両想いになってめでたしめでたし的な話が多かったが、この映画はもっと深い。肥満に対して罪悪感を持ってしまうのは、実は周りからの刷り込みでしかない。でも自己肯定というのは、他人の評価の上に成り立つので難しいところだ。

私自身も大陸に渡って3ヶ月で5㎏太ってしまい、ダイエットしたが一向に減らず焦ったことがある。とにかくこれ以上増えないことでその場はよしとして、その後日本に帰ってきたら特に何もしなくても3ヶ月で5㎏減って元に戻った。大陸の油は怖い。 

 

追記:2020年大阪アジアン映画祭で上映決定。