台湾が本気出して製作したドラマ「一把青」をネットで見る

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国民党空軍をテーマにした歴史ドラマ。全31話。原作は「孽子(ニエズ)」の白先勇(バイ・シエンヨン)。なので戦争ドラマなのにとてもロマンティック。時々挟まれるナレーションもとても文学的だ。

内容はパイロットよりもその妻たちに焦点が当てられている。空軍の妻ということで、軍の宿舎から自由に出ることも叶わず、家で夫が無事に帰ってくることをひたすら祈る日々。パイロット自身も戦争体験からみんなPTSDで病んでいる。毎回どんより空気が重いので続けて見るのはとても疲れる。

1945年の日中戦争終結後の南京から話は始まり、つかの間の平和から内戦の時代を綴っていく。肝心の吴慷仁(ウーカンレン)は第19話で死んでしまう。第20話で台湾へと舞台は移り、第21話で月日が流れて1954年に変わる。そして第31話で一気に時間は進み、みな老人に変わる。

オール台湾キャスト。台湾の名立たる俳優はほぼここに登場しているのでは思うくらいだ。南京上海でも撮影しているようだが、撮影も台湾がメイン。

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力が一番入っているのはやはり飛行機関係。飛行機は原寸大の模型を製作(もしくは軍から借りたのかも)。CGも色味を抑えて安っぽくならないようにしている。

台湾に移ってやっと平和になったかというとそうでもなく、スパイ容疑からお互い疑心暗鬼になり、憲兵に捕まって冤罪なのに入獄してしまう。後ろ盾のアメリカはまったく頼りにならず、逆に台湾は常に動向を監視されて自由な行動を制限されている。

日本の戦争をテーマにした作品との違いは、美化していないこと。誰も「お国のため」とか「時代が悪かった」とか言わない。部隊で犠牲者が出た時、自分の夫ではないことに安堵する姿を他の人に隠したりしない。自分の夫が死ねば上司の妻だろうと罵り八つ当たりする。かなり人間臭い。

冒頭に台湾ドラマと書いたが、あくまでもこれは外省人のドラマ。多数派であるはずの台湾人はまったく登場しない。