ドニーさんと姜文が大活躍の「ローグ・ワン」

銀河帝国とかフォースとかより、ジオン公国とかニュータイプとかのほうが好きなので、これまでまともに観たことがない「スターウォーズ」シリーズ。

なのでそのスピンオフとか言われても何が何だかで、全く予習なし。

f:id:mingmei2046:20170107135324j:plain

「無精ひげのマッツ・ミケルセンもイケる」などと思いながら観ていたら

f:id:mingmei2046:20170107135517j:plain

いきなり甄子丹(ドニー・イェン)登場。そしてその後ろから姜文(ジャン・ウェン)も。

ドニーさんの足技は相変わらずキレイっす。姜文はいるだけで圧倒される。

ファンならいろいろ感想があると思うが、特に思い入れもないのでこれでおしまい。

それよりも今回驚いたのは映画館のロビーにチラシと冊子が設置されていたことだ。

田舎の映画館とはいえ一応チェーン店なので、春節に向けて作ったのだろう。

そこで陳玉勲監督の映画「健忘村」のチラシ発見。1月28日春節第1日目から公開と書いてあった。同じ中国語圏映画でも大陸香港台湾は同時に公開するとは限らない。事実この映画は香港での公開予定は無い。政治的な思惑プラス映画の嗜好も全然違うからだろう。陳玉勲監督の作品なのでぜひ観てみたいが、気になるのはどこまで大陸よりなのか?台湾語のセリフは残すのかな?

f:id:mingmei2046:20170107142804j:plain

気になる気になる。

血中香港濃度が足りないんだ

気が付けば1年以上香港に行っていない。これではいかんと春節の前に行くことにした。但し今回はベトナムからのトランジットで1日しかいない。

この1日でどの映画を観るのか只今思案中。候補として

f:id:mingmei2046:20170106114024j:plain

一路順風:東京国際映画祭でも上映された許冠文(マイケルホイ)主演台湾映画。監督は「失魂」の鍾孟宏(チョン・モンホン)。許冠文扮するタクシー運転手のロードムービーである。大陸での公開予定はまだ無い。でも公開初日の上映回数がとても少ない。来週までもつかな~。

f:id:mingmei2046:20170106114038j:plain

一万公里的約定:周杰倫(ジェイチョウ)がプロデュースした台湾映画。素直なスポーツ映画だと思う。

f:id:mingmei2046:20170106114341j:plain

那年夏天你去了哪里:大陸で只今公開中。よくある国産ホラーかと思ったが、出演が宋佳、胡歌、林嘉棟(ラムカートン)で、予告はいい感じだった。ポスターは香港版の方が大陸版より断然いい。出演者をギャラ順に並べる大陸ポスターは相変わらず無くならない。

「再見瓦城(マンダレーへの道)」は間に合わず、「一念無明」は月末からというのが惜しいところ。

今年もじゃんじゃんいい作品を観まくるぞ!

ありがたい教育映画「孔子(孔子の教え)」2010年

f:id:mingmei2046:20161230141949j:plain

資料集めのために見た映画。春秋時代の映画はなかなかないので。

娯楽性は少ない真面目な映画。しかし、主演は周潤發(チョウ・ユンファ)、周迅、陳建斌で、造形(キャラ設定)&服装指導は奚仲文、美術指導は「帰来(妻への家路)」にも協力した林潮翔という贅沢なキャストとスタッフだ。

なので服装と美術は特に必見である。時代考証を踏まえつつ見栄えがいい。特に小道具が緻密。なので小道具のアップだらけ。

そしてこの円形の大広間。

f:id:mingmei2046:20161230145023j:plain

f:id:mingmei2046:20161230144655j:plain

但し映画としては演出が古臭く退屈。2匹目3匹目のドジョウを常に狙っている中国映画も、さすがにこのテーマで再度作ることはなかった。

 

王家衛(ウォンカーワイ)プロデュース映画「擺渡人」

人生という河に溺れた人を助けて向こう岸に渡す人が「擺渡人」。

監督は新人の張嘉佳。人気作家で脚本家である。

f:id:mingmei2046:20161226114517j:plain

話の設定は上海。なので上海の夜景とか救急車とか登場するが、全体的に台湾チックな映画である。何だか周杰倫ジェイ・チョウ)の「天台」を彷彿させる。

前評判はイマイチで、確かにわちゃわちゃ感と音楽の多さは否定できない。

でもクリスマスだし年越しだし、明るく笑って2時間過ごせるならいいじゃないと私は思った。

トニーさんも武もひさびさのコメディで体張っているし、もともと香港映画でさんざん無茶な役とか演じてきた2人なだけに全然OKである。

f:id:mingmei2046:20161226115500j:plain

モミアゲwww

f:id:mingmei2046:20161226115532j:plain

金髪+学ラン+高ゲタwww

さらに劇中で武は台湾語で歌って踊るサービス付き。もう十分チケット分は元取っている。

さらにさらに「傷城」みたいなナイスツーショット。

f:id:mingmei2046:20161226115846j:plain

これだけでもう十分お腹いっぱいですよ?

これに陳奕迅(イーソン・チャン)の歌とアンジェラベイビーのかわいさが堪能出来るんだから、いいんです。

コメディとはいえ、ちょっといい話も盛り込んである。それでやっぱり主役の2人は演技がうまいんすよ。もう何気ない仕草のひとつひとつに職人芸が込められている。

特に最後武が初恋の相手が作った中華風パンみたいなもの(焼餅)を食べるシーン。

一口食べた後にハラハラこぼれる涙とか、もう大竹しのぶか!と思うくらい。

映画の初めの「澤東(ジェットトーン)25周年作品」という言葉に、ちょっとめまいを覚える年代にはありがたい作品。

いろいろ残念な『羅曼蒂克消亡史(ワンス・アポン・ア・タイム・イン・上海)』

f:id:mingmei2046:20161221130521j:plain

1920~30年代の上海を舞台にした映画は当たらないという鉄板ジンクスがあるのに、それでも量産するのが中国の不思議なところ。

中国の華誼兄弟(フアイ・ブラザーズ・メディア)と香港の英皇電影(エンペラーモーションピクチャーズ)が制作した大作で、出演者もベテラン怪優葛優(グォ・ヨウ)や章子怡チャン・ツィイー)、浅野忠信を引っ張ってきていてかなり本気モード。しかし監督が若くて無名で経験が浅い。結果として中身の薄さを編集でカバーしようとしたけど、やっぱ無理でしたという映画だった。

脚本も監督が書いている。群像劇で「人生いろいろ」なキャラが多く登場するが、撮り方が単純なのでどれも印象に残らない。

しかしこれだけいい素材が揃っているので、まったくの駄作というわけではない。葛優浅野忠信のかけあいのシーンとか緊迫感の中にも軽妙な空気が漂っていて実にいい。

そんな浅野忠信はすらすらと上海語を話していて、吹き替えだとしても口の形を合わせるためにかなり練習したのでは。

f:id:mingmei2046:20161221140639j:plain

まな板ぶ厚いなあ。

最近中国ドラマで日本人が出るとなると、何故か「ふんどし」シーンが盛り込まれることが多い。「忍者」「腹切り」ときて、次の日本トレンドは「ふんどし」らしいw

そして章子怡はいつでもどこでも章子怡だ。「太平輪(クロッシング)」に引き続き汚れ役だが、「こんな汚れ役だって出来るのよ。だって私は女優だもの!」というオーラで画面いっぱい。見ているこちらもお腹いっぱいだ。でも絶対脱がないんだよね。

一緒に見ていた香港人から「王家衛(ウォンカーワイ)に似てない?」と聞かれてコケた。が、「王家衛の映画から映像美とこだわりの音楽を抜いてすっかすかにした」映画だと言えなくもない。

 

追記:2021年10月「のむコレ'21」として東京新宿シネマート&大阪心斎橋シネマートにて上映。

www.cinemart.co.jp

 

「君の名は。」香港公開から1ヶ月経っても人気者

f:id:mingmei2046:20161220183440j:plain

香港レイヤーさんによるコスプレ。気合入ってる。

中国ではスマホで映画のチケットを予約すると正規の値段よりかなり安くなる。一番安く買ったのは18元ぐらい。最新超大作でこのお値段。これも人口が多いから?

今、中国のかなり田舎にいるが、それでも一番近い映画館で「君の名は。」は1日1回上映している。人口の少ない香港でもそれぐらい。

香港は公開初日はこんな感じだったらしく、びっくりだ。

f:id:mingmei2046:20161220182336j:plain

ハリウッド映画でもこんなことにはなかなかならないよw

今ネットで香港のラジオを1日中流しているが、RADWIMPSの歌がほぼ毎日流れている。こんなところからでも影響の大きさが伺える。

これだけ大ヒットしていると普段アニメを観ない人も観ているようだが、非アニメファンの人はイマイチピンとこないようだ。

多くの人が見るようになればアンチも増えるわけで、これは仕様がないかなと思う。万人受けの映画が一番つまんないだろうし。

チャンイーモウの名前に騙されてはいけない映画「長城(グレートウォール)」

f:id:mingmei2046:20161216103511j:plain

ハリウッドが巨大中国市場に如何に食い込んでいきたいか分かる映画。監督こそ張芸謀(チャンイーモウ)だがそれ以外のプロデューサー、脚本、音楽等はほぼアメリカ。

話はよくあるハリウッド映画で、見た目からしていかにも悪そうな怪物VS人間、傭兵と美人将軍の話が中心。

マッドデイモンは安定の演技で、映画の中でも光っている。相棒との掛け合いもとても自然だ。

問題はその相手をする景甜(ジンティエン)。バックに万達グループという超お金持ち集団がついていて、常に超大作の主役級の役を演じているのにまったく人気がないといういわくつきの女優。日本でもゴリ押し女優が話題になったが、それと同じ。

この役はちょっと前なら趙薇(ヴィッキーチャオ)がやっていただろう役である。景甜では完全に力量不足。

ポンちゃんはまったくの脇役で、数えるくらいしか登場しない。

f:id:mingmei2046:20161216110533j:plain

渋い張涵予(チャン・ハンユー)は早々と画面から消えた。

f:id:mingmei2046:20161216111652j:plain

抑えのおっさんが早々といなくなったのも重厚さに欠ける要因かも。若者だけだとどうしてもわちゃわちゃしてしまう。

劉徳華(アンディラウ)は特別出演でおいしい位置をキープ。

特に場所が長城である必要性もないし、張芸謀じゃなくても撮れる映画である。

日本では2017年4月14日に公開予定。