盧瀚霆(アンソン・ロー)主演ホラー映画「醸魂」

ホラー映画好きな台湾では一年中世界中のホラー映画を公開している。そこで大ヒットする作品もあるし、ひっそりと消えていく作品もある。

低予算でも当たればデカいホラー映画。それにはまずセンスとアイデアが必要。そして映像美とBGMも含めた音楽も大事。そして美少女の叫び声とそれでも恐怖に立ち向かおうとする神々しい姿も欲しいところだ。

ホラー映画は映画産業の黎明期から存在している。無声時代の「カリガリ博士」、トーキー時代は「ドラキュラ」「フランケンシュタイン」が流行り、70年代の「ゾンビ」や「エクソシスト」、80年代の「13日の金曜日」「エルム街の悪夢」などのスラッシャー映画のブームが来て、今は格差社会や人種差別を裏テーマにした社会派ホラーまで登場している。

そんな中でこの映画はパンチが弱い。美少女役を盧瀚霆(アンソン・ロー)が担っているがやっぱり弱い。もっと怖がらないと。

主役を支えるべき脇役もキャラ設定が個性的過ぎて感情移入しづらい。ベテランの姜大衛(デビッド・チャン)は「白日之下」と同じ俳優なのかと疑うくらい役がブレている。でもそれは設定がそうだからなので姜大衛に罪はない。

製作は宏寰文化傳播で、アンソン・ローの映画デビュー作「假冒女團」もこの会社が製作した。この「假冒女團」も何だかなな映画で、一番肝心なダンスシーンがちっとも魅力的じゃないのがつらい。

この映画も同じで、ホラーなのに怖くない。

人を怖がらせるのは意外と難しい。