ロングランヒット中「毒舌大狀(毒舌弁護人〜正義への戦い〜)」

今年の旧正月映画として公開され、今現在も香港各地で上映中。興行成績も1億HKDを超え、現在も記録を更新中。香港以外では、中国大陸、台湾、シンガポール、マレーシア、イギリス、オーストラリアなどで公開された。

2年前(2002年)に弁護を受け持った児童虐待事件で、証人の証言を事前に確認しなかったばかりに母親を有罪にしてしまった林涼水。そのことを後悔して心を入れ替え、庶民のための弁護士になろうと奮闘する。

その後その証人が遺書を残して死んでしまう。遺書には自分は虚偽の証言をしたと書いてあった。そこで裁判をやり直すことに。しかし彼の前には鍾家という巨大な敵が立ちはだかっていた。

監督はこれが長編デビューの吳煒倫(ジャック・ン)。今まで映画「綫人(密告・者)2010年」、「寒戰(コールド・ウォー 香港警察 堕ちた正義)2016年」や、ドラマ「梅艷芳(アニタ)2022年」などの脚本を書いてきた。

主演は映画「飯戲攻心(6人の食卓)2022年」でも大好評だった黃子華(ウォン・ジーワー)。母親役にはドラマ「梅艷芳」でアニタ姐さんを演じた王丹妮(ルイーズ・ウォン)。涼水を手助けする太子をERRORのメンバーDee Gorこと何啟華が演じている。対する悪役弁護士を王敏德(マイケル・ウォン)が演じていて、見た目からして悪そうw

まだインターネットもそれほど普及してなくてスマホも登場しない2004年の設定で、ロケ地も歴史的建築物の中で撮影されていることが多い。なので全体的にクラシックな雰囲気が漂っている。

メインの裁判所は2か所。一つは前粉嶺裁判法院。

実はネットで観覧ツアーを予約すれば無料で中に入ることが出来る。(火曜日から土曜日の午前と午後の2回)

場所:新界粉嶺馬會道302號

もう一つは前北九龍裁判法院。

ここでは裁判官の事務室などを撮影。
場所:深水埗大埔道292號

旺角麥花臣遊樂場

落ち込んだ涼水を慰める廉政公署(ICAC)の偉い人陸定衡を、特別出演の林保怡(ボウイ・ラム)が演じている。出番は少ないが、いい役どころ。

捷成漢(Hans Michael Jebsen)さんの大豪邸

鍾家は桁違いのお金持ちということで、登場する家も桁違い。捷成漢て誰やねんて感じだが。ここが映画の撮影に使われたのは初めてらしい。

虎豹別墅(タイガーバームガーデン

昔は香港ツアーの中に必ず盛り込まれていた観光地。今はとある音楽学校の所有になっている。

ここまで人気が出たのは、やはり「遠山の金さん」的な公平な裁きに観客がカタルシスを得られたからではないだろうか?裁判となるとお金がかかるし、そうなると貧乏人には圧倒的に不利だ。

あとは黃子華の熱血弁護士ぶりも良かった。敵かと思われた鍾家の弁護士も実はいいヤツだったのも良かった。その弁護士の名前が金遠山で、やっぱり「遠山の金さん」なのか?

個人的にはもとはか弱かったのが、2年間刑務所に入れられてやさぐれてしまった母親のその変化がおもしろかった。その分たくましくなったとも言える。

日本での公開はどうなのかな。Netflixなら香港での公開終了の後かな。

 

追記:2023年10月20日から日本でも公開。近畿ではシネマート心斎橋で、10月27日~11月2日の1週間のみ上映。

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