世界初上映だよ「死屍死時四十四(四十四にして屍死す)」

4月4日から一般公開される香港に先駆けて大阪アジアン映画祭で公開。

南沙田の公園跡地に開発されたという設定のマンション「臨海峯」を舞台にしたブラックコメディ映画。

ポスターで何故みんながおフランスな格好をしているかというと、このマンションを売り出したときのキャッチコピーが「フランス式の生活が送れます」だったから。売り出したときの宣伝用PVでは林海峰(ジャン・ラム)がナレーターを務める凝り具合(読みがどちらも「リンハイフォン」だからw沙田には川はあっても海は無いのにwww)。

沙田の南側にあるのは大圍駅。大圍といえば20年ほど前は寂れた遊園地と車公廟しかなかったが、今では地下鉄も乗り入れてショッピングモールも出来てすっかり住宅地になっている。

その昔の遊園地の観覧車に乗ったことのある身からすれば感慨深いものがある。

ある日マンションの14階の住民が共同廊下で全裸の男の死体を発見する。このことが公になれば、事故物件となり自分の家の価値は大暴落してしまう。そこで住民同士力を合わせて何とかマンションの外に死体を移動させようと右往左往するお話だ。

ここでMIRRERのメンバーであるEdan(呂爵安)が演じるのは、自称「大圍のメッシ」のサッカーチームのコーチ。母親に捨てられた父親のふがいなさに憤る息子役だ。なのでこの映画の中ではヤケ酒をくらって常に怒った演技をしている。

髪型は山下智久に寄せているそうw

同じくMIRRORのJer(柳應廷)もちょい役で登場する。主題歌「鹹魚遊戲」は阿Jerが歌っている。「鹹魚遊戲」というのは韓国ドラマ「イカゲーム(魷魚遊戲)」をモジった言葉。いつ聞いてもいい声だ。

監督はデビュー作の「正義回廊」が高い評価を得ている何爵天(ホー・チェクティン)。スター不在の法廷劇なのに香港で大ヒット、今年の香港電影金像獎にも多くの賞でノミネートされている。「正義回廊」は実録犯罪もので、結構グロいシーンもあるが、陪審員同士の会話や林海峰(ジャン・ラム)演じる弁護士のキャラの中に、今回に通じるブラックな笑いが滲み出ている。

舞台挨拶には監督と主演の黃又南(ウォン・ヤウナム)が登場。撮影時の裏話など話してくれて楽しい時間を過ごすことが出来た。

そしてEdanはやはり現れず。ちょっと期待していたんだけどな。残念。