生々しい攻防戦「少年(少年たちの時代革命)」

大坂でも1月2日からシネ・ヌ―ヴォで公開された。

物語はフィクションだが、2019年の民主化デモの最中に撮影された映像がインサートされていて、これが臨場感たっぷりでリアル。

予算は60万香港ドル(約1000万円)、監督は長編映画を撮るのは初めての新人、そして出演者はほぼ素人ばかりという異色の映画。しかし世界中から注目され、映画祭などで上映されている。上映を禁止されている中国、香港を除いて。台湾では2021年の金馬で上映され、2022年4月に一般公開された。

左からプロデューサー兼脚本の陳力行(ダニエル・チャン)、任侠(レックス・レン)監督、林森(ラム・サム)監督。任侠は憎らしい私服刑事役としてこの映画に出演もしている。他にもドライバーの妹役で、任侠監督の短編映画「一Pair囡(クイーンのワンペア)」でも出演していた麥穎森(マック・ウィンサム)が出演している。

監督も出演者も若いが、エンドロールに流れるスタッフの名前が愛称になっていることから見て作り手も若そうだ。映画のテーマに関係して、本名が出せないというのもあると思うが。

少女YYを探すために少年たちは香港の街を駆け巡る。YYが住むマンションは葵盛西邨で、ロケ地も葵涌あたり。MTR荃灣線の葵芳駅や、葵涌廣場も映画の中に登場する。

このポスターは映画の最後のほうにあるワンシーンから切り取ったもの。監督が一番伝えたかったのはこのシーンのはず。