とっても懐かしいぞ「行動代號:孫中山(コードネームは孫中山)2014」

「大阪アジアン映画祭傑作選」から。2014年公開時は台湾にいたので、台湾で鑑賞済。日本語字幕では初めて。

易智言(イー・ツーイェン)監督は「藍色大門(藍色夏恋)2002」で有名だが、とにかく寡作。この作品は彼の第3作目の長編映画になる。

家が貧しい高校生たちが、倉庫に眠っている孫文銅像を何とか盗んで売ろうとするドタバタコメディ。コメディだけど、底辺には子供ではどうにもならない貧乏の連鎖がシリアスに描かれている。

主人公の阿左の性格がひょうひょうとしていて、既に笠智衆の域に入っているのがおもしろい。逆に阿左と銅像を取り合う小天の、必死で貧乏に抵抗している姿にも感動する。

ゲスト出演が豪華。警備員は張孝全で、その恋人に李千娜(リー・チェンナ)。地下鉄に乗り合わせているのは黄河(ホアン・ハー)、担当の先生は張書豪(チャン・シューハオ)だ。テコンドーを教えているのは、実際のテコンドー選手の楊淑君(ヤン・シュージュン)。

作品としてはおもしろいが、台湾でも興行成績はいまひとつでヒットにはいたらなかった。このへんが映画製作の難しいところだ。