「前科者」映画版を観る

ドラマ版が思いのほか良かったので、劇場でも観ることにした。しかし公開1週目の水曜日の夜の回で観客は10人前後だった。朝の情報番組などでも宣伝してはいるが、重いテーマなので有村架純主演とはいえ厳しいのかもしれない。

f:id:mingmei2046:20220203105352j:plain

ドラマ版では触れられなかった主人公が保護司になった理由も映画の中で明かされている。なるほどなと思ったが、初恋の相手との濃いカラミは本当に必要だったのか?

話の内容が内容なだけに、人生いろいろな人々が登場する。殺人罪を犯した男を演じた森田剛はすっかり大人の実力派俳優だ。事件の元凶にもなったDVの義理の父親を演じたリリーフランキーもハマってる。この父親に最後まで何も釈明させないところが、逆にいろいろ考えさせられる。コンビニの店長がどんどんいい人になっているのもうれしい。そしてドラマでも存在感がピカイチなみどりちゃんは、遂には地下アイドルの扮装で登場。この子だけで映画が1本撮れるぐらい濃い人生を送っている。

無差別殺人などの暗いニュースを見ると気分が塞ぐが、個人的には世の中はいい方に向かっていると思っている。明らかな虐待や不法な施設はすぐにニュースになる。しかし陰湿なケースは更に地下に潜りこんで見えづらくなっているのかもしれない。

犯罪ものの本やドキュメンタリーを見ても、犯罪の核心に触れられることは少ない。理由付けはいろいろ出来るが、完全防止は出来ない。それでもこの保護司のように再犯を減らそうとする人たちがいる。理解を深めるためにも見る価値はあり。

ドラマ版はAmazonプライムビデオで配信中。

保護司以外にも底辺でもがく人々を掬いあげようと努力する人たちがいる。 

www.shogakukan.co.jp

連載継続中。2018年にはドラマ化もされている。