20話で視聴を断念。劉燁(リウ・イエ)主演ドラマ「老男孩」

47話もいらない。ご都合主義と登場人物の心情がブレまくりで、結局最後までたどり着けなかった。

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独身生活を謳歌する主人公の前にいきなり16歳の高校生が息子だと名乗り出る。このネタだけで面白くなるはずなのに、盛り上がりそうな部分は全てスルーして、薄~い展開のまま進んでいく。

16歳の男の子はええとこのボンボン。母親が急死した後、実は母親の最初の結婚相手が自分の実の父親だと知らされる。そのため怒った養父に家から追い出され路頭に迷う。親友の家でしばらく過ごすも親友の母親からやんわり出ていくように言われる。

というかなり悲惨な状況のはずなのに、そのへんの葛藤とかはスルー。いやいや中国で苦労知らずの16歳の男の子が路頭に迷うってかなり危ないだろう。その後実の父親があっさり分かり、そこに押しかける形で住み込む。そこで父子のケンカとか一応あるが、すぐに打ち解けて男同士の友情みたいなものが芽生える。いやいやいやそこは紆余曲折あるだろう?というドラマらしいおいしい部分は全部やり過ごされる。これが日本や韓国ドラマだったら、15分に1回ぐらいの頻度で泣きのシーンを作るだろうに。

そこに絡むのが「90年後」の高校教師。これを林依晨(アリエル・リン)が演じているが、いくら童顔でもこれは無理。このキャラだったら他に女優はいるだろう。周冬雨は無理だとしても楊紫とか。なのでここでも「90後とオッサンの価値観の違い」というおいしい設定が台無し。

日本のゆとり世代のように上の世代から「これだから90後は!」と言われてしまうこの世代。この「80後」「90後」に中国人はかなりこだわりを持っていて、「80後でも自分は85後だから」とか「オレは90後よりの80後」とかどんどん細分化が進んでいる。つまり中国社会の中で「80後」は既に中年の仲間入りをしているのだ。そこに実際は80後の林依晨が90後の役を演じるのはつらい。もちろん林依晨に罪はないけど。

何故かは分からないがこのドラマでは劉燁が良く歌う。劉燁と言えば俳優の中でも音痴として有名。しかし多分いっぱい練習したんだろう。音は外れていない(笑)。あとパイロット役なので英語のセリフも多い。昔は英語全然話せなかったのに。いっぱい練習したんだろうなあ(涙)。

そしてこのドラマの特徴としてスタジオ内のセットが多い。家の中はセットでも玄関のドアを空けるとロケというのが通常の中国ドラマだ。最初見た時「路地から家に入るくだりが朝ドラっぽいなあ」と思った。

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絡んだ電線などしっかり造りこんでいるが、上海の路地にしては地面が平らでキレイすぎ。後ろに自転車やバイクを走らせると躍動感が増すよ。

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馴染みの食堂もセット。後ろがガラ空きなのが惜しい。

まずは脚本!ドラマも映画も脚本ありきだ。