呉鎮宇が画面いっぱい「脱皮爸爸(シェッド・スキン・パパ)2017」

日本では2016年の第29回東京国際映画祭でお披露目済だった。しかしその後香港での公開が伸び、2017年4月にやっと公開。大陸は更に遅れて2018年の3月に公開となった。香港に行く機会があるたびに公開チェックしても定かではなく、ネットで検索してもずっと見れずじまい。最近になってようやく愛奇藝(アイチーイー)で見ることが出来た。

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はじめに何だか舞台っぽい印象を受けたが、まさに舞台の映画化だった。しかも原作は日本人。舞台では複数の俳優が年齢別の父親を演じていたが、映画では呉鎮宇が全部演じている。

愛奇藝は北京語吹き替えのみで、しかも老けメイクをしているので最初は呉鎮宇の良さがあまり出てこない。しかし脱皮するたびに若返ると、呉鎮宇がエンジンがかかったの如くハジけまくっていく。しかも年齢別にキャラも変わるので、演技の幅がハンパない。

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呉鎮宇全員集合~!

古天樂(ルイス・クー)は冴えない映画監督役。そこにはっぱをかけまくるやんちゃな父親の対比がおもしろい。

表向きはこの父子の物語だが、実はその2人を支える母親へのリスペクトの物語でもある。6人の父親と一緒にみんなで麺をすするシーンがほのぼのしていて良かった。

父親が若返ると家の中の内装も変わり、ノスタルジックな香港の団地の風景が甦る。

遂には家が空に飛んで父親がみんな戦闘機に乗り込むのだが、もとが父親が脱皮するというありえない設定なので、もう何しても平気。

低予算だと思うが、肝心の父親の抜け殻や戦闘機もしっかり作りこんでいているし、好感の持てる映画だった。