日本でノルウェー映画「テルマ」を観る

「あみこ」を見ようと吉祥寺まで行ったが、ちょうど舞台挨拶がある日でチケットは完売だった。なので前に帰国した時に気になっていた「テルマ」を渋谷で観ることにした。

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ノルウェー映画なので、画面からひしひしと冷気が伝わってくる。敬虔なキリスト教徒として育ったテルマは大学入学と同時に両親と離れて暮らすことに。そこでちょっとヤンチャな友人と遊んだりして恋もする。しかしそこから自分の体に異変が起きていく。

不思議な力を宗教の力で克服しようと考えるのはよくあるが、キリスト教だとちょっと弱いなと思う。もしもテルマが日本人の仏教徒で山奥で修験道に入るとかすれば何とかなったかもしれない。

この映画では女性が中心になっている。テルマが恋をするのも女性だ。その分男性が少し分が悪い。テルマに言い負かされてあたふたする男の子もそうだし、弟、父親も悲惨な結果に終わる(足の悪い母親は逆に良くなる)。

一応恋人と両想いになってハッピーエンドなのだが、その後の人生がもっとホラーだろう。

日本で香港映画「白色女孩(宵闇真珠)」を観る

16日に香港経由日本行きの飛行機に乗り込む。羽田に到着したのは17日朝5時だった。

上映中の映画をチェックすると渋谷のシアター・イメージフォーラムで「宵闇真珠」が公開中だった。しかも月曜日はサービスデー。

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クリストファー・ドイルが監督。以前香港国際映画祭でドイルの短編映画を見たことがある。ドイルがアル中なのは有名な話で(今は違うのかな?)ぶっ飛んだ映画を予想していたら淡々とした内容だったので逆に印象に残った。

この映画もわりと淡々としている。大金が絡んだ地域開発計画の中で歴史的な建物の取り壊しが決まり、美少女がその建物を守ろうとするお話。その建物に住み込んでいるのが謎の男オダギリジョーだ。

映画の中で美少女に白いワンピースを着せる監督には昔からなるべく近寄らないようにしていたので、「ドイルさん、あなたもですか」とまずちょっと落胆。オダギリジョーはいつものオダギリジョーで、主人公の女の子もずっとアンニュイなまま。

そのまま見続けて行くが、ついに睡魔に負けて空白部分が出来てしまった。なので内容については何とも言えない。

しかし、ドイルさんが平穏な人生を見つけられたのなら、それはそれでいいんじゃないかと思った映画だった。

氷点下の世界から南国へ 北京→海口

結局北京には4ヶ月半もいた。次第に気温も下がり、乾燥のせいで全身粉がふいて痒いわ、爪はパキパキ割れるわ,3日に1度は鼻血が出るわでたいへんだった。

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飛行機の中でご来光を拝む。

 

海口の美蘭空港には更衣室もあって、そこで南国仕様に着替えることが出来る。着いた時点で気温は20度。暖かいって素敵。

海口と言えば「観澜湖華華誼馮小剛電影公社」だ。ここで馮小剛(フォン・シャオガン)監督は映画「芳華(芳華-Youth-)」を撮影した。場所によっては観光客にも公開されている。中にはスタジオも4つあり、華誼兄弟(フアイ・ブラザーズ・メディア)じゃない会社の撮影も行われている。 

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そしてスタッフのためのホテルも敷地内にある。

新しい建物なので周りは空き地だらけで何にもない。ここに入ったらクランクアップまで缶詰状態だ。

岩井俊二監督の中国映画第一作「你好,之華(チィファの手紙) 」をネットで見る

大陸では11月9日から公開で、今は騰訊視頻(テンセントビデオ)で有料会員のみ視聴可能。香港は11月30日から公開中。

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中華圏でも岩井俊二ファンが多いと聞く。この作品も特にファンの多い「Love Letter」に寄せて作られていて、別名「中国版Love Letter」だ。

大陸で撮影した映画だが、岩井俊二が単身で大陸に乗り込んで製作したわけではない。プロデューサーは陳可辛(ピーター・チャン)だし、スタッフも撮影、照明、キャラ設定などは日本人だ。脚本、編集、音楽は監督自身が担当している。

80年代の中学時代と現在が交差しながら物語は進む。大陸で80年代懐古主義がブームになった時わらわらと80年代の青春映画が多く作られたが、それらと比べると違いは歴然。全編中国語でも場所は大陸でもやっぱりこの映画は岩井俊二映画だ。

ロケハンで青島、天津といろいろまわったがどれもしっくりいかず、遼寧省大連でようやく希望通りの場所が見つかったらしい。主なロケ地は大連と旅順。詳しくはここに。

《你好,之华》剧组辗转多地取景,大连脱颖而出凭得是这个特质

特にお気に入りは大連図書館。100年の歴史を持つ建築物だ。

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大陸での興行成績はそれほどふるわなかったが(それでも約8千万人民元)、お金儲けをするための映画ではないのでいいんじゃないかと思う。画面からお金の匂いがぷんぷんする大陸映画に比べたら、この映画は一種の清涼剤だ。

気になることがひとつあるとすれば。

秦昊(チン・ハオ)のあの髪型はカツラだよねえ。

 

追記:日本版である「ラストレター」は2020年1月17日から公開予定。

追記2:2020年9月11日から日本でも公開決定。

イギリスドラマ「SHERLOCK/シャーロック」シーズン1~4までまとめて鑑賞

優酷(youkuネット)で独占配信。有料会員のみ視聴可能。大陸で放送禁止という話はガセネタか過去の話だろう。

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以前台湾にいた時にシーズン3をTVで見たことがあるだけだったので、この際全部見てみることにした。
シーズン1放送:2010年07月25日

シーズン2放送:2012年01月01日

シーズン3放送:2014年01月01日

映画「SHEROCK/シャーロック 忌まわしき花嫁」上映:2016年

シーズン4放送:2017年01月01日

と大体2年おきに製作している。

このままいけばシーズン5は2019年かと思うが、あまりにも周りの期待が大きすぎてやらないかもしれないらしい。確かにシーズン4の妹ネタはちょっと苦しかった。

シーズン1を今見ると「ベネディクト・カンバーバッチ若っ!」って思う。変人なのに気品がある。まさにはまり役。連続して見ていくとシーズン1のシャーロックがシンプルで一番好きかも。

なので今後シーズン5があってもなくてもいいかなと思う。熱烈なファンはそうもいかないだろうが。

ロンドンの観光名所も盛りだくさんで、見ていて楽しい。当然ながらみんなが話すのはクイーンズイングリッシュ。「I can't!」が「アイ カーンッ!」で「ああ、キャンじゃないんだなあ」なんてところで納得したり。

眠らない街香港で本当に眠らないとどうなるのか?

香港経由で日本に戻り、1週間ばかり滞在する。行きは香港滞在が6時間なので空港でやり過ごすとして、帰りの香港滞在時間12時間をどうするか思案中だ。

一晩を香港で過ごすが、到着時間が遅いのでホテル宿泊は最初っから除外。荷物もインタウンチェックインで到着早々預けてしまうので身軽だ。食事も24時間営業の食堂がいたるところにあるので大丈夫。

午夜場という真夜中上映の映画と朝イチで上映する映画とで、最低2本は見たいところ。候補としては

「你好、之華」

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「40代はアメリカで、50代は中国で映画を撮る」と以前インタビューで語っていた通り、岩井俊二監督が大陸で撮った映画。しかし上映回数が少なくて、時間帯が合わなさそう。

 

「幸福城市」台湾映画

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今年の東京フィルメックスコンペティション部門で上映。台湾映画「台北星期天」の何蔚庭(ウィ・ディン・ホー)監督の最新作。気になる気になる。でもこれも上映回数少なそう。

 

「八個女人一個台戯(8人の女と1つの舞台)」香港映画

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今年の東京フィルメックスで特別招待作品として上映。關錦鵬(スタンリークワン)監督作品。主役の鄭秀文(サミー・チェン)に一抹の不安。

 

「人面魚:紅衣小女孩外伝」台湾映画

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徐若瑄(ビビアン・スー)が生魚に食らいつくらしい。真夜中に見るには良さそう。

 

「翠絲 (トレイシー)」香港映画

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今年の東京国際映画祭でも上映され好評だった作品。

 

王道香港娯楽映画「無双」は来年あたり大陸のネットでも見られるだろうから今回はパス。「日本版十年」と「タイ版十年」は時間が合わない。「台湾版十年」は公開が未定だ。韓国映画「悲しみよりもっと悲しい物語」の台湾リメイク映画「比悲傷更悲傷的故事」はあらすじだけ見ると「泣くために映画を見る人」向きっぽくて何だかなだ。

上映時間はぎりぎりにならないと分からない。でもこれだけリストアップしておけばどれかは見られるはずだ。

映画以外にも香取慎吾のアート作品を見たりとか、大館(タイクン)にも行きたいが、体力がどれだけ持つだろうか。(遠い目)

「一頁台北」ならぬ「一頁香港」になりそうだ。

ハエだって戦う!愛する人のために「マッキー(2012)」

前々から気になっていたインド映画「マッキー」。優酷(youkuネット)で鑑賞。

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想像を遥かに超えておもしかった。見た目超リアルなハエだが、仮面ライダーを見て育った日本人にとってそんな無理はないと思う。敢えてしゃべらないのも良かった。

流石インド映画。音楽×効果音×スローモーションの相乗効果で、そんな盛り上げる必要のないシーンまで大盛り上がりだ。そして思いもかけずハエに感情移入してこっちまで切なくなったりw

ハエが体を鍛えたり、殺虫剤を避けるためのマスクをしたりとかなり無茶苦茶なはずなのに、そんな「?」はこの映画の前では無と化す。最期自分の体に火をつけてまで敵をやっつける姿なんてまさにキングオブヒーロー。

そしてエンディングロールではキレッキレのダンスを披露する。ハエがw

理屈無しに楽しめる映画というのはこういうことを言うのだなと思った。6年前の映画だが、この先何度見てもきっとおもしろい。

 

追記:日本では2013年に公開されたが、2019年11月からブルーレイ発売を記念して、まさかのリバイバル上映決定。詳しくはこちら。

http://www.tc-ent.co.jp/sp/makkhi_again/

お近くの映画館で是非どうぞ。