東京国際映画祭での上映がワールドプレミア。タイトルを見ると赤ちゃんの映画かと思ったが、男性中心の社会から虐げられている女性を救おうとするお話だった。今回は香港で活躍している女優2人を主演にして張吉安(チャン・ジーアン)監督が撮った。この後の金馬影展でも上映する。
24時間赤ちゃんポストを設置して母子を守ることに対しては、世間の風当たりが強く嫌がらせをされたりもする。これについては日本でも似たような議論がある。曰く無責任な女が安易に妊娠して赤ちゃんを捨てるようになると。セックスは男女でするものなのに、出産となると何故か女性にだけ責任を擦り付けようとする輩が出てくる。理不尽だ。
2人の女性がメインだが、一緒に赤ちゃんの世話をする年配の女性もいい味出していてほっこりする。
マレーシアが舞台なので、マレーシアの風習なども随所に盛り込まれている。華人以外の女性や母系社会の少数民族も登場する。デコトラみたいな車の上で女性が歌って踊ったりするのは台湾でもお祭りの時に見かけたりする。
子供を育てるには血統や家族にこだわるより、社会全体で面倒を見られるようにする方がいいと思うのだが、うまくはいかない。でも母親1人で子供に向き合うワンオペは絶対無理だろう。みんなでちょっとずつ負担していけるようになればいい。
上映後のQ&Aでは、主演の張吉安監督と主演の廖子妤(フィッシュ・リウ)、許恩怡(ナタリー・スー)が登場した。
普段短期間で撮影する香港映画に慣れている廖子妤は、じっくり時間をかけて撮影するマレーシア方式が良かったと言っていた。
国際的にはまだまだマレーシア映画の評価は高くないが、今後増えていくと思う。