黄軒(ホァン・シュアン)繋がりで「恋愛中的城市(恋する都市 5つの物語)(2015)」を見る

注意:日本では1月28日から公開することを知ったのはこの感想を書いてから。ちょっとネタバレしているので、気になる人は映画を観てからこれを読みましょう。

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5話のオムニバス映画。この手の映画はロケ地と俳優をとっかえひっかえで多く作られている。新人監督と今が旬の俳優を紹介するカタログ的な意味合いが強い。

第1話:プラハ。主人公の男の子は台湾映画「共犯」で不良を演じた人。スリの相手と一夜を過ごす話。余分な説明無しで最後まで通したセンスはよかった。

第2話:上海。失恋を機に18歳から独学でフランス料理を覚えた20代の女が上海の一軒家でレストランを開くという無茶な設定。これが出来るのは親か不倫相手が金持ちしかない。大体友達が犬をレストランに持ち込んでいるのを注意しない時点でダメだろう。そこに超イケメン韓国人が主人公を助けに来るのだ。100%ありえねー。

第3話:パリ。人生最悪の日にミステリアスな女と恋に落ちる。実は彼女は・・・というファンタジー。リアリティーがあるのは黄軒が演じたからこそ。ピエロの服が良く似合うw「空海」でも共演した張榕容(チャン・ロンロン)との掛け合いは特に良かった。

第4話:北海道の片田舎。ハネムーン中、社長からいきなり干魚を買ってくるように命令される。当然夫婦仲は険悪ムードに。でも最後はハッピーエンド。

第5話:フィレンツェ。元カレの結婚式に呼ばれて何とか見返したいと焦る女。こんな話は耳タコ。

上海と北海道以外はいかにも観光名所みたいな場所で撮影されているのでつまらない。監督の街に対する理解度が深ければまた違っていただろう。

映画自体よりもエンドロールを読む方がおもしろい。プラダ篇と北海道篇のプロデューサーは魏徳聖(ウェイ・ダ―ション)。上海篇とパリ篇のプロデューサーは岩井俊二フィレンツェのプロデューサーは關錦鵬(スタンリー・クワン)。協力者の名前には山田洋次、北川悦史子、陳果(フルーツ・チャン)が名を連ね、そしてエンディングテーマを歌っているのは張曼玉マギー・チャン)。この映画を元に相互に人脈が広がって次に何が出来るのかというのが大事なんだと思う。

岩井俊二は今後中国映画界で仕事をすることを公言しているので、そのうち岩井俊二監督の中国映画が見られるかもしれない。中華圏にも業界内外で彼のファンは多い。