この映画を観るために、往復共に夜行バスを利用した。今のバスは昔よりシートが倒れないので全然眠れない。
一人の女優が映画の主演を務める間に心理的にどんどん追い込まれて行き、現実と妄想の境がつかなくなる。基本のストーリーは「ブラック・スワン」との類似点が多い。
劇中劇の「謀戀」が1960年代の映画だからというのもあるが、それ以外のロケ地や美術もレトロ基調。特に中山樓でのロングショットは見応えがあった。
その他にも、土地銀行の前、波麗路西餐廳、台中のホテルの階段など。
そして配役でずっと気になっていた宋芸樺と夏宇喬の共演。
どっちがどっちでしょう???
この2人はデビュー当時からそっくりと言われ、ファンでさえ見分けがつかないほど似ている。実際私も「私的少女時代(私の少女時代)2015年公開」を観た時、「總舗師(祝宴!シェフ)2013年公開」の女の子が主演しているものとずっと思い込んでいた。
この映画を観れば、何故敢えてこの2人を共演させたのかが解かる仕組みになっている。
その後、夏宇喬は林書宇(トム・リン)監督と今年めでたく結婚。宋芸樺は大陸進出を狙うも、インタビューで上げ足取られて無理矢理「中国は私の祖国です」なんて言わされたりしてたいへんなことになった。
今年は「#Me Too」運動もあったし、芸能界はいつでもそういったセクシャルな噂は絶えないところである。それでも何者かになりたいんだったら、芸を磨くしかないんじゃないかと思うんだけどねえ。