名曲からドラマ「滚石愛情故事」

滚石唱片(ロックレコード)が製作した20集のオムニバス台湾ドラマ。10人の脚本家と15人の監督、20人の俳優によって1話完結で作られている。放送は2016年の3月なので最近だ。

第1話目は呉慷仁(ウー・カンレン)& 楊丞琳(レイニー・ヤン)が主役。第1話だけ無料視聴出来てラッキー。

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雲林県から上京してきた堅実な女の子と、ときめく恋を探す男の物語。

作品ごとに大変身する呉慷仁がすごい。実際はすごく男前なのに、このドラマではしっかりイケてない男になっているw着こなしもダサいが告白の仕方もちょっと引く。でもそのダサさが可愛いからいいのだ。

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呉慷仁の眼鏡男子姿。目の保養になるなあ。

「ときめく恋こそ本当の恋」と思いこんで一目ぼれの相手を探していたが、いつのまにかそばにいてホッと安心できる女の子に恋してましたというストーリーが素敵。

大陸に比べて映画やドラマの資金繰りが厳しい台湾は、映画やドラマでこういったオムニバスや短編が多い。短い分ネタ勝負みたいなところがあるので、脚本家はかなり鍛えられるんじゃないだろうか。

2話以降は有料なのでまだ見ていない。呉慷仁を観たのでそれでいいかな。

1まだ見ていないんですけど「戦狼(ウルフ・オブ・ウォー)2」

自分だけならほぼ100%観ることはないのが、アクション映画と戦争映画。これもおごりなので映画館で観た。

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1の続編。そして3もありそうな終わり方。

アクションシーンが超すばらしい。アクションは振り付けもそうだが、カメラワークもとても大事だ。手を変え品を変えていろいろな角度で楽しませてくれた。特にドローンと、俳優の身体に装着した小型カメラからの映像がとても生々しくていい。

中国万歳人民解放軍万歳なプロパガンダ映画だし、ストーリーもご都合主義なので、特に気に留める必要は無し。

最初の海でのありえねーw長回しアクションシーンでつかみはOK!その後も登場する銃器の種類は豊富だし、最後はタンク同志でカーチェイスまでやらかしている。

脇を固める俳優も人気者だ。

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余男。恋人で上官役。もう死んでいるので「1」からの借用。

 

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強面の石兆琪は上官役。

 

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ドラマ「人民的名義」でもブームを巻き起こした呉鋼。元老兵役で体を張ってアクションに挑んでいる。

 

「戦狼1」には「ウルフ・オブ・ウォー ネイビー・シールズ傭兵部隊 vs PLA特殊部隊 」という長い邦題がついているということは、DVD販売しているのかな?案の定評価は真っ二つで、それはアクションを重視するか、ストーリーを重視するかという違いから生じる問題だ。

アクション以外はほんとダメダメ。甘ったるい恋人とのノロケとかホントいらない。逆に敵の超マッチョなカップルの馴れ初めの方が気になる。

アクションだけ観ればいい。アクションシーンはいいぞ。

 

追記:その後ますますヒットし、ついに45億元を突破した。

headlines.yahoo.co.jp

夏休み中というのもヒットの要因だろう。確かに暑い日に映画館で涼みながら何も考えずにスカッと出来る映画だ。

肝心なのはこれ。

  • ストーリーのユルさは気にしない。
  • プロパガンダ的な要素にいちいち反応しない。
  • 主人公が不死身なのはお約束

これでおもいきり楽しもう。

 

追記その2:日本では2018年1月12日から公開決定。

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1000億円推しは当然だろう。ポスターもハリウッドの戦争映画みたいで中国映画とは知らずに見る人がいたりして。海外で大コケしても大陸ではまずニュースにならないだろうなあw

「そうして私たちはプールに金魚を、」がいろいろすごい

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今年の香港国際電影節でも早々と完売してしまった短編映画。これほど注目度の高い映画なのに、日本映画界からは冷たい扱いを受けているらしいw

個人的にものすごく好きな映画。ロックでパンクな青春映画だ。タイトルのロゴからして好き。日本国内での上映は無理そうと分かってちゃっちゃと海外配信決めたのもいい(ユーロスペースのみ公開)。

基本、映画は映画館で観る派だが、いかんせんどうしようも無い場合があるわけで。そういう時にネット配信はとても助かる。

今年のカンヌ映画祭でも「ネット配信した作品は映画か否か」論争が起きたが、要は作品の質でしょ。いっそのこと「ネット配信作品映画祭」を開催して地球規模の投票でグランプリを決めればいい。

いい作品を増やして、それを多くの人に観てもらうことの方が大事。

レンタサイクルの流行の波が遂にここにも!

中国で先端的「シェア自転車」にまさかの使いみち (JBpress) - Yahoo!ニュース

最近何かと話題のシェア自転車。乗り捨てOK,30分で1元と何だか使いやすそうだ。今住んでいる田舎にも「mobike」の自転車をよく見かけるようになった。

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台北にいた時はバリバリにyoubikeを使いこなしていた。30分で5元なので、いかに30分以内に目的地に着けるか地図とにらめっこしながら計算するのもおもしろかった。

それで私もmobikeを使ってみようと、まずはAPPをダウンロードしようとした。

そうしたらデポジットが299元だと?

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「秒殺で返金出来ます」て何のことかと調べてみた。そうしたらこのデポジットから料金が引かれるわけではなく、料金は別で引かれる。そして去年頃に、返金しようとしたお客が部署をたらいまわしにされたまま放置されるいう苦情がたくさんUPされていた。きっとそれを受けての「秒殺」なのだろう。

デポジット299元がまず高い。しかもそれを顧客は活用出来ない。サドルの高さは3種類あるが調節できず、自分にあった高さの自転車をお客自身が探さないといけない。調節出来るようにしちゃうと盗まれるんだろうなあ。北京でよく見かけたよ、サドル無しの自転車。

299元あったらタオバオでそこそこの自転車買えるじゃーん。都会だと過当競争で30社ぐらい入り乱れていて、mobikeより安くて使いやすい会社はいっぱいあるだろう。

そんなわけで今回は体験する前におしまい。

陳可辛(ピーターチャン)プロデュース中国映画「喜歡你(恋するシェフの最強レシピ)」

香港でも見逃して台湾でも見逃してしまったので、ネットで観ることにした。

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いつもなら陳可辛がプロデュースした映画は大ヒットするのだが、今回は評価も低めでヒットにはならなかった。

それで気になって見たが、良く出来た映画だと思う。ちょっとアメリカのラブコメっぽい都会的で小粋な感じも、ちょっとクラシックな美術もいつもの陳可辛だ。

難を敢えて挙げるならキャスティングだろうか。周冬雨は最近映画に出すぎ。売れ始めてガツガツやりたい年ごろなんだろうが、どの役柄も似たり寄ったり。「はいはい、またちょっとエキセントリックで小悪魔な役ですね」ともう予想がついてしまう。

相手役の金城武はいうと、なんと最近の若い子たちは金城武の若い時のすごさを知らないのだ。ええ~。

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このキラキラした目を知らないだと!?

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個人的にはちょっとロン毛だった頃が一番好き。

ただ、2人とも演技のうまさは抜群。特に何気ないシーンのほうがジーンと来る。最後の最後に隣あって座り、初めて手を握るシーンとかもう達人の域だ。

見どころはやはり料理の数々。実際には金城武は登場した以上の数の料理を食べている。どれも美しくて美味しそうだ。特に「出前一丁」は映画を見ている時からずっと食べたくなる。麺を茹でた後に湯切りするとか是非やってみたい。

陳可辛でさえ、大陸では何が大ヒットするのか分からず、毎回模索しながら製作しているらしい。この映画のように「大金持ちの男と庶民の女」みたいな格差恋愛ももうないなと思う。もちろん玉の輿も成金もまだ存在するが、女性自身が仕事に成功して裕福になってきているので、前よりも憧れ度は低くなっている。かといって年下の「小鮮肉(この言い方ももうそろそろすたれそう)」に目が行くかというと、案外結婚観は保守的だったりする。

未来を予想するのは難しい。

 

追記:日本では2018年3月10日から公開。

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まさにこんな感じの楽しい映画。卵料理と出前一丁の作り方は役に立つよ。

斬新なTVドラマ「楚喬傳(楚喬伝<そきょうでん>~いばらに咲く花~)」

5月から放送開始で評判も上々の大陸ドラマ。主演はここのところずーっとドラマに出っぱなしな趙麗穎(チャオ・リーイン)。

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何が斬新かというとこの主人公2人がまったく笑わない。通常ドラマの女性主人公というと何があってもへこたれない常に前向きで明るい、少女漫画の主人公のような性格だ。しかしこの楚喬は謎の過去を抱えたワケアリの性格でまったく無愛想。対する男性主人公宇文玥もクールを通り越して冷徹な性格なので常に物調面。

あと、中国ドラマはお色気シーンにはかなり厳しく、キスシーンでさえ激しいのはNGである。このドラマでは第4話で「待寝婢女選抜コンテスト」が開かれる。何としてものし上がりたい楚喬は「待寝婢女=セックス込みの召使」の意味も分からず宇文玥の家に「コンテストに出させてくれ」と押しかける。その時に宇文玥に「お前に夜の相手が務まるのか?」と聞かれるのだが、これはかなり直接的なセリフ。こういう言葉責めは大丈夫らしい。

残念なのはやっぱりCG。あのインコはまず無いだろう。動物を撮るのって難しいからね。

楚喬は一番位の低い奴隷からスタートして最終的に皇后にまで上り詰める。宇文玥に武術の素質があることを見抜かれて楚喬は特訓を受けるようになる。この特訓がマライヒがデュラン・ド・ラーケン伯爵によって暗殺術を仕込まれる部分とよく似ているw(「パタリロ!」18巻参照)

全部で62話とこれまた長いので、時間がある時に覗く程度。ネットで追うほどの熱意はないが、TVで放送していたらつい見ちゃうという感じ。

 

追記:その後最終回を見た。前編中編後編と分けて引っ張った割には尻切れトンボで「終」。って、全然終わってないし。

安いCGしか使えない、主役の俳優は水中撮影NGなんて分かっていながら何故「最後は氷上の戦い」なんて脚本を書くのか。まったく謎だらけだ。案の定水中シーンの仕上がりはコントレベルだった。

それでも後半、割と重要な役で胡兵さんが登場した。胡兵さんといえば、若い頃はもっとギラギラしていて、「イヤミなオネエ」オーラをぷんぷん発散させていた人だが、年を取るごとにマイルド化して今は好々爺みたいになっていた。

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誰向けの写真www

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段々マイルドに。

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そしてすっかりいい人キャラ。

彼を見ていると、大人になるっていうのもいいかもしれないと思う。

あともう一押しな台湾映画「我的蛋男情人」

台湾では2016年秋に公開された。大陸では2017年4月に「愛情凍住了」とタイトルを変えて上映。それをネットで鑑賞した。

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林依晨(アリエル・リン)の鉄板ラブコメディ。相手役の鳳小岳(リディアン・ヴォーン)も年を重ねるごとに男前度が上がっている。

おもしろかったのが、冷凍保存された卵子精子の擬人化。それを若手の詹懐雲(ジャン・ファイユン)と程予希(ルゥルゥ・チェン)が演じている。キャラ設定は香港の文念中が担当していてなかなか可愛い。

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このセットが北欧のロケ地と重なりあったりする。

愛情は冷凍保存できるのかというのがテーマ。シングルマザーに育てられた主人公にとって、母親が冷凍保存してくれた手作りの料理はまさに愛情の結晶。ある日冷蔵庫が壊れてしまい、泣きながらその手作り料理を食べるシーンにはグッとくる。

でもいろいろ惜しい部分がいっぱい。中盤の北欧ロケはきれいでそこに時間を取られたのか後半かなり曖昧なまま話は進む(特に母親の病気について)。卵子精子が別れる時、再会した時のためにセリフを決めるのだが、それが何かの伏線になると思いきやそのまま放置したりとか。

そういう演出の甘さを俳優の演技力でカバーした感じ。流れで見ると腑に落ちなくてもシーンごとに見るとなかなか良かったりする。

アリエルはいつまでラブコメを演じられるだろうか?シフトチェンジは考えてなさそうだが。