香港国際電影節で「翠絲(トレイシー)」を観る

2018年東京国際映画祭でも上映。

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姜皓文(フィリップ・キョン)にトランスジェンダーの役が出来るのか不安だったが、ずっと抑圧して隠しているという設定で、姜皓文の中にそういった要素が無くても何とかクリアしている。

初恋の相手阿正の夫、邦はとても重要な役柄で、台湾出身の黄河が演じている。ホテルで邦が悲しみに暮れるシーンは、見ているこちらも切なくなる。

主演だけでなくこの映画は脇役のキャスティングも素晴らしい。妻役を恵紅英(カラ・ワイ)、大雄の親友役を葛民輝(エリック・コット)が演じている。広東オペラの女形役の袁富華も良かった。

監督はこれが長編デビューの新人。新人なので俳優の演技に頼っている部分が多いのは仕方がないかなと思う。しかしこうした強力なバックアップがあるのが香港映画の強みだ。