台北金馬影展で「樂園」を観る

日本映画「楽園」とは別物。

f:id:mingmei2046:20191122121539j:plain

薬物依存症の若者のための更生施設で起きた物語。元ネタは実話だが、どこまで本当なのかは不明。というのも依存から抜け出せない若者たちの脱走、ヤクの売買、イジメ、火事まで描いているからだ。

自身もかつてはヤク中だった男が厚生施設の農園を経営しているが、問題は常に山積み。それでも理想の実現のために主人公は奮闘する。

主人公には娘がいるが、姉に預けっぱなしで当然父親の言うことなど聞く耳持たない。

そんな人生八方塞がりな中、ラリッた若者たちが原因でビニールハウスで火事が起きてしまい、農場は閉鎖に追い込まれる。

失意の中、つい魔が差してまた薬物に手を出してしまった主人公を慰めたのは娘であり、農園の再建に残ったのは一番反抗的だった若者の一人だった。

主人公の華哥を演じるのは王識賢(ワン・シーシェン)。f:id:mingmei2046:20181115155819j:plain

映画「艋舺,(モンガに散る)」「角頭2」では怖いヤクザが板についていたが、今回は見るからに気弱でいい人だ。

この華哥とやり合うのが新人でマレーシア国籍の原騰。

f:id:mingmei2046:20191122125721j:plain

イケメンじゃないけど、演じられる役の幅が広そうだ。この映画の中ではインドネシア人との混血ということで、インドネシア語の歌も披露している。金馬では最優秀新人賞にもノミネートされている。

上映後はプロデューサー(マレーシア人)、監督、娘役の許安植が登場してQ&Aがあった。マレーシアでも撮影したかったけど、お金が無いのでやめたそうだ。あと映画の内容は暗めだけど、実際の農園はもっと明るい感じだと言っていた。