10億元は超えたけど「一出好戯」

2018年8月10日公開で、18日には興行成績10億元を超えた。それだけみんな監督としての黄渤(ホアン・ボウ)に期待していたということだろう。今ではネットでも公開中。

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黄渤が監督脚本主演担当で、気合が入っているのはひしひしと伝わってくる。

会社の慰安旅行の日に隕石が地球に衝突。自分たちはバスごと孤島に打ち上げられる。どうやら世界は終わり、自分たちだけ生き延びたらしい。というのがあらすじ。

それにしても、漂流する人数多すぎ。30人ぐらいいるぞ。そのためそれぞれのキャラが深く掘り下げられず、主演+その他の賑やかしになっている。そしてサバイバル映画なのかと思いきや、水も食べ物も住む場所も困らない設定だ。

その後極限の状況の中で誰がリーダーになるかの争いになるが、それもあまりシリアスな展開にはならず、ごちゃごちゃしたまま話は進む。それで136分は長すぎ。はしょって100分ぐらいが丁度いい。娯楽作品なんだから。

全体的に歯切れが悪いのは迷いながら撮ったからだろう。いろんなものを詰め込んだわりにはどれも突っ込みが甘い。そのせいで一番言いたいことが何なのかさっぱり分からくなってしまった。

以前の大陸映画市場の流れだと10億超えるには、最初に観た人が周りにガンガン勧めて、その口コミでぶわーって広がるのが普通だった。しかしこの映画は最初の9日間で10億元を超えている。つまり口コミが広がる前にみんな観ているのだ。最近の話題作はだいたいこのパターンだ。これも人口の多さのなせる技か。最初の1週間は料金が安く設定されているのも原因だろう。

でもこうなると話題作以外は瀕死の状態。ネットにすら上がってこない。でも個人的に好きなのは大味の大作より、スパイスが効いた佳作だったりするんだけどなあ。