1~8話まで見ればいいネットドラマ「唐人街探案」

愛奇藝で2020年1月1日から配信開始。50分×12話。映画「唐人街探案」のスピンオフ作品。1と2話は無料で、それ以降は会員のみ視聴可能。

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物語は3段に分かれる。1~4話「曼荼羅之舞(マンダラの舞)」、5~8話「玫瑰的名字(薔薇の名前)」、9~12話「幽靈邀請賽(幽霊が招待したゲーム)」。最後の「幽靈邀請賽」が前の2つの話との繋がりが全くなく、全体のイメージをぶち壊している。まさに蛇足。これが不評の原因。

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主役の林黙は邱澤(ロイ・チウ)が演じている。高校で化学を教える傍ら、鍛えられた嗅覚で難事件を解決していく。美味しいものに目が無いということで、毎回タイの食べ物が登場するのも楽しみだ。
最初の事件「曼荼羅之舞」で林黙と対決する阿温を演じるのは、ネットドラマ「無証之罪( バーニング・アイス -無証之罪- )」の刑事役で好印象を残した王真儿(ワン・ジンア) 。ここでも演技力はピカイチ。

そして過去の事件の鍵を握る謎の美女Ivyに張鈞甯(チャン・チュンニン)。腹黒い役も難なくこなしているところは流石。

ここまでの流れはすごくいい。監督の柯汶利はマレーシア出身の新人だが、映画版の監督陳思誠(チェン・スーチェン)よりセンスは格段に上。特に謎の暗殺集団「笑臉(Smiley)」が起こした過去の事件の様子を、一つのスタジオにいくつもセットを組んでそこを歩きながら説明していくくだりとか見せ方が非常にうまい。

なのに「幽靈邀請賽」で主役を交代させて、わちゃわちゃしだしてからすべてがぶち壊し。ここだけ「金田一少年の事件簿」のパクリみたいになっている。しかも台湾警察に無理矢理「中国台湾」と言うよう強制するなんてまったく話にならない。

唯一の救いは老K役の黄健瑋(ホアン・ジェンウェイ)。わちゃわちゃした演出にもキチンと応えて最後のシメまで請け負っている。

別に映画版「唐人街探案」と絡ませなくてもそのまま独立した作品として成立するのに、陳思誠がプロデューサーになっておかしな入れ知恵をしたためにこうなったのではないかと勘繰ってしまう。